劇場公開日 2010年11月20日

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「長尺」クリスマス・ストーリー kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0長尺

2018年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 アンリ(マチュー・アマルリック)はヴュイヤール家の問題児。元々長男が白血病にかかったとき、骨髄移植ドナーとして期待されていたのに、当てがはずれて、“いらない子”として生まれてきた。まぁ、それは両親のエゴなわけだが、大人になってからは借金は返さないし、何かと家族に迷惑をかけてきた。6年前にはとうとう長女が見放し、絶縁状態となっていた。そんなある日、ジュノンが白血病を宣告され、クリスマスを前に家族が再び集まることになり・・・

 なかなか骨髄が適合しない家族の中、戯曲家のエリザベート(コンシニ)には精神病となった16歳になる息子ポール(エミール・ベルリング)に期待する。ポールとアンリが適合したが、エリザベートはアンリの骨髄移植には反対。家族が集まり、誰の骨髄を移植するか話し合うこととなったのだ。

 かなり期待させる内容だったが、各登場人物の視点によって様々なエピソードが語られ、徐々に集中して観ることに疲れてくる。アンリが連れてきたユダヤ人のフォニア(エマニュエル・ドゥヴォス)とか、イヴァン(メルヴィル・プポー)の妻シルヴィア(キアラ・マストロヤンニ)のエピソードなど、惹きつけられるものの、大筋にはどうでもよいこと。シルヴィアが3兄弟の従弟であるシモン(ローラン・カベリュート)と旦那が寝ている部屋の隣で寝ていたなんてショッキングな出来事もどうでもよいというか、一波乱あるはずなのに、寛容すぎる夫・・・おいおい。

 フランス的なフリーセックスの世界を会話だけでずるずると、結局はみんなの本性なんて変わらないじゃん。まぁ、家族の絆を描くには余計な部分が多すぎて150分の長尺は耐えられない作品となっていた。

kossy