劇場公開日 2010年8月14日

「異色の戦争映画」キャタピラー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0異色の戦争映画

2025年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

反戦をスキャンダラスに提起する技(ワザ)
この映画を映画館で観たならば、とても衝撃を受けたの思います。
若松孝二監督という人。
反戦映画なら「日本のいちばん長い日」
などとは全く違っている。
「ジョニーは戦場へ行った」と、江戸川乱歩の「芋虫」に影響され
下敷きにしているとのことですが、
手足を爆弾で吹き飛ばされて失い、耳は聞こえず、話せず
「生き神様」として戻ってきた夫の久蔵。
その世話は妻・シゲ子に委ねられる。
食欲と性欲だけを残しただけの芋虫のような夫。
軍服を着せてリヤカーに乗せて畦道を行き、
村人は
「生き神様」を拝む。
時にシニカルな笑いに誘われて、
見せ物にされる久蔵の怒り、
世話してる自分の優位を見せつけるシゲ子の復讐的な怒り。
2010年作のこの映画のスタンスは出尽くした感のある戦争映画に
まだ別の切り口があることを示し、
風穴を開けた。

映画の冒頭と映画のラスト。
当時のニュース映像を使用していると思われるが、
ラストには東京裁判で処刑されるA級戦犯の絞首刑のシーン。
これはよく映倫を通ったものだと感心する。
軍国調のナレーション。
軍国婦人団のバケツリレー訓練。
現在の視点ではバカバカしいので、
大真面目に訓練した婦人たちが戯画的にしか見れない。
戦争はいつでも庶民が犠牲を払わされる。
終戦後80年目の夏が来ようとしている。
異色の反戦映画。
12日間で撮影したとは思えない完成度である。

琥珀糖
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2025年5月2日

おはようございます。
カーリングミックスダブルス、プレーオフ進出ならず…(T_T)
男子女子混合すべて、12月にたった2枠をかけて戦うことになってしまいました。き、厳しい!
なんとかオリンピックに行けることを、祈ってます。

キャタピラーは観たいと思いながらいまだ観れず…。
そんな映画が山ほどあります。
ゴーン・ガールもBS松竹東急で放送してたのを録画し忘れて、ロザムンド・パイクの鬼演技を観れてません。
とりあえず、溜まった録画を消化(?)しまーす。

ぷにゃぷにゃ
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