「♪軍神様ご〜ろごろ」キャタピラー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
♪軍神様ご〜ろごろ
寺島しのぶ演じるシゲ子の夫・久蔵は、戦争で両腕両足を失い、顔面に火傷を負い、耳も口も不自由な体で還って来る。お国に奉仕し、村の者から“軍神様”と崇められる。
シゲ子は軍神様の妻の義務として、懸命に世話をする。
しかし、それは虚像。
不自由な体になりながらも、久蔵は食欲と性欲を貪り続ける。
やがてシゲ子は苛立ちを久蔵にぶつけ始める。
軍神様としての重圧、兵役中に犯した罪により、久蔵ももがき苦しむ。
時に生々しく、時に激しく、寺島しのぶと大西信満が体現。
戦争の残酷さと醜さを若松孝二が怖ろしく描く。
別の作品のレビューでも書いたが、今戦争映画を作る一番の意義は反戦映画である事。
リアルな戦場シーンや英雄譚など要らない。
苦しむ庶民の姿を通して、鮮烈に反戦を訴えた。
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