「映画芸術の難しさが分かる一作」キャタピラー keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
映画芸術の難しさが分かる一作
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映像で語るという映画の本質に於いては非常に優れている。
だが、これもまた映画の難しいところ、語りすぎてもいけないのである。
その点でこの作品は語りすぎている。
舞台や状況設定は非常に良いもの(まさに日本人にしか描けないテーマ)を持っているだけに非常に残念である。
戦地で強かんをしていて四肢を失い、帰還しても欲望にまみれている男を軍神と崇め、反戦の信念を貫いている男や他人を気遣い食べ物を分け与える男をバカだ、非国民だと決めつける。 日本軍の輝かしい戦歴のアナウンスと共に映し出される悲惨な現実。
狂った時代、戦争の生み出す"狂気"というこの作品の主題が例えセリフが1つも無いとしても理解出来るほど丁寧に描かれる。
しかし、この丁寧さこそがこの作品の奥深さを奪った、たった数十分で作品が理解出来てしまうようにした原因なのだ。
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