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解説

東北のローカル線終着駅にある「落し物あずかり所」を舞台に繰り広げられる群像ドラマ。初老の寡黙な駅員・富樫は、新しく就任した若い駅員の萩野とソリが合わず、微妙な関係が続いていた。やがて荻野は意味もなく駅にやってくるサラリーマンに冷たく当たるようになり、それが悲劇的な事件へと発展してしまう。監督は新鋭・三宅伸行、主演は菅田俊。

2007年製作/75分/日本
配給:ブラウニー

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映画レビュー

4.0探し物は、見つかりましたか?

septakaさん
2010年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

題材が上手いよなぁ
最後の最後のワンカットで
突然涙が溢れ出たんだけど、なぜ??

~~~

作品タイトルからして絶妙だと思うのですが、
物語の舞台は鉄道の駅にある落し物・忘れ物預かり所になっています。

だれかが失くしたものを届ける場所
だれかが失くしたものを見つけに行く場所

私も定期券や傘などを置き忘れてしまい
お世話になったことがありますが、あまりにも
豊富な忘れ物の種類に驚いた記憶があります。

それだけの種類と量があるということは
それだけのタイプの人々が訪れるということにも
なるわけでして、脚本を執筆する上での着眼点に唸らされました。

◇   ◇

〈 大事なものほど、なくしてしまうものだ 〉

低予算の作品ですから、スクリーンに描かれる世界は狭いです。
その狭さを逆手にとって、登場人物を深く描くことにより、
ファンタジー系の作品じゃないはずなのに、幻想的な雰囲気を醸し出していました。

登場人物に誰一人として余分な人がいないのです。
全員、この先、どうなっていくんだろうと気になる人ばかり。

落し物預かり所の担当者、
菅田俊さんが作品上扇の要のような存在には
なっており、全員と一度はかかわるのですが、
それは文字通りかかわるだけ。次々に失くしたものを
届けてあげるような、スーパーヒーローではない。彼は、責任を持ってただ預かるだけ。

失くした人も、捜す人も
必死で探す人もいれば、
たまたま寄ったからと、温度差がある。

失くしたものを、そこで取り戻すことは
できないのに、居心地がいいからと、毎日のように訪れる人もいる。

落し物預かり所を通して、

喪失⇔発見
若者⇔熟練
勝者⇔敗者
信頼⇔不信
障害者⇔健常者
内向的⇔社交的

人生の対が繰り返され、
狭い世界で、狭い部屋なのに無限の広がりを感じさせる。

ラスト、
失くしたものを取り戻す人もいれば、
失くしたものを取り戻せない事実を見つける人もいる。

ハッピーエンドに見えるのだけれども、
登場人物全員に、これからも続いていく
人生で一体どうなっていくのだろうと、
エンドロールが流れ始めてからも考えさせられる。

最後、涙が溢れたのは
大事なものを見つけた喜びの笑顔と
大事なものに気づいた安堵感の振る舞いの
コントラストが、私の琴線に触れたからかもしれない。

☆彡     ☆彡

お目当ての2人の役者さん
見せ場も多くて大満足させてもらいました(笑顔)

特に菅田さん、
終盤の長ゼリフは拍手喝采ものです!

今作の三宅監督。
これが初長編作品だそうですが、
プロフィールを観ると今月公開を控える
『掌の小説』の監督も務められていました。

4編からなる映画で
4編とも監督が異なるのですが、
自己満足系の作品が多くて辛口のレビューを書いてしまいました。

ただ、実は4編のうち1編だけ大好きな作品がありまして、
『有難う』調べてみると、こちらを三宅さんが監督、寉岡さんも出演されていました。

う~ん、ちょっとこれは
次回作、期待大ですね(笑顔)

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septaka
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