「一瞬の先も予測不可の人生でも、人は人と繋がる事で活かされる」ヒア アフター Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
一瞬の先も予測不可の人生でも、人は人と繋がる事で活かされる
予想通り秀作でした。しかし、311を体験した人達を知り合いに持つ日本人には、どうなのだろうか?希望に向かって生き、自分を取り戻そうと努力する3人の姿には、励まされる気がする!
CW監督作品は、どれもみんな好きな傾向にある(硫黄島からの手紙を除く)
この『ヒア・アフター』は正月から観るのを楽しみにしていた。しかし仕事が忙しく観られない間までいたら、東北震災が起きてしまい上映が中止になり観る機会を逃していた。
上映中止前に観ていた方々は高評価でしたので、どうしても観たくてアメリカからDVDを購入して観た。
やっぱり好きな作品だ。人間に対する温かく、細やかな監督の目線が作品全体に流れていて共感した。一部分仏語の台詞が英語の字幕で、詳しく理解出来ない点があったが、6回位見直した。
それでも、飽きる事も無く、評価の下がる事も無く、何度観ても心にしみる作品だ。
私は生涯のベスト映画5としてこの映画のタイトルをあげていたにも関わらず、レビューが中々書けないでいた。気持ちの整理が出来ずにいたからだ。
阪神大震災を体験した、大森一樹監督が、ある映画雑誌でこの映画を褒めていた。そしていつの日か(この映画が見られる位に心が回復したらと言う意味かも知れないが)この作品が観られる日が来ると良いと言い、魂の再生の旅の話しなので、きっと励まされ希望をこの映画から得る事が出来るだろうと言う様な意見を述べておられた。
大森監督が昨年『津軽百年食堂』でロケをした場所が、また今回の震災で被災地になったと言う大森監督も震災と御縁の有る、大変御苦労の多い監督さんである(私の好きな監督でもあります!是非大森作品を観て欲しい)
江原さんの様な、霊感が有って、読心術が備わり、過去が観られると言う友人を知っているが、やはりこの映画のジョージがそのン能力をギフトと言うよりは、呪いと言うが、その様な苦しみを当人は抱えているようだ。一方私達凡人はそれでも尚、愛する人の死を乗り越えるには、その死の世界の先に有るもの、あの世の世界を知りたがる。
いずれは誰一人として、残される事なく、漏れなく全員に体験する機会が平等に与えられているのに!全くハズレ無しなのに!!
ジョージとマーカスとマリーの三人の関係から、人の運命と、人の縁と言うものは人智を超え、総ての境界線を越えた、何処か神様の世界の一部と繋がり合っていて、総ての人には、多様な目的と才能と出会いが上手く織り成されていることが人生そのものであると80歳に成るCW監督は、一歩先を歩む者として、私達に生きる道を指示していてくれる気がする。
死後の世界の確信は出来ないが、しかし人を愛し、助け合い繋がり合いながら生きると言う事は、この映画から学んで行きたい気がする。