「おだやかな感動」ヒア アフター ★なっち★さんの映画レビュー(感想・評価)
おだやかな感動
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最初の津波のシーンに圧倒された。あまり自然災害系の映画は見ないので他の映画はどうなのかわからなかったが、他の人の感想を聞いても同じくびっくりしている人がいたので、やはりすごい映像だったのかなと思う。人なんてちっぽけで簡単に飲み込まれてしまう。まさに死も人の力でなんとかできるものでもない。
死んだらどうなるのか、今ここにあるわたしの意志(心?魂?)はどこにいくのか。
ふたごの弟が兄を求めて、偽霊能力者たちに会いにいって、落胆する場面はせつない。一緒にいて当然の人が急にとなりからいなくなってしまい、頼るべきものもなく不安定な気持ち。自分にぽっかりと穴が開いてしまったような。その穴をふさぐものがなくて辛いならなにかに頼って良いとおもう(スピリチュアルでも何でも)。そしてぽっかりあいた穴に、いつかは別のなにかがはまれば良いと思う。
本作は派手にスピリチュアルな世界を描くわけでもないから胡散臭くないし、また料理教室の場面はふつうにラブストーリー。最後もえっとおもうほどロマンチックな描き方をするのでびっくりしたほど。
死の世界のことばかり考えてないで、今の世を楽しんでいきなさいと言っているような気がした。
死後の世界をみた女性がその世界を「おだやか」だと表現したことが印象に残っている。「恐ろしい」世界じゃないんだ。だったら安心して生きることができるような。むしろ生の世界のほうがいろんなことがあって大変。そう思えば、この世をもっと一生懸命生きることができる気がするとちょっと勇気をもらえた。
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