劇場公開日 2016年8月19日

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「オバケとおバカとリケジョな奴ら」ゴーストバスターズ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5オバケとおバカとリケジョな奴ら

2016年9月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

小さい頃にテレビで観たオリジナル版は楽しかった記憶だし、
主人公たちやマシュマロマンなども未だに強烈に頭に残ってる。
特に熱狂的なファンという訳でもないが、オリジナル
のような笑いと派手なVFXを楽しみたくて鑑賞。
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まずは本作、笑える。
女性メンバーに変わった事でオリジナルの熱狂的
ファンの方々は激怒したらしいが、なんのなんの、
今回の主人公4人も個性豊かで楽しかった!

何かと行動が必死なエリンはその一人相撲っぷりが笑えるし、
誰にも相手にしてもらえないごまかし笑いがなんか可愛い(笑)。
ゴースト捕獲に燃えるアビーとの丁々発止のやりとりが
楽しいし、最後は2人の友情にホロリとさせられる。
発明担当ホルツマンは思考がエキセントリック。何を
喋ってるか殆どサッパリ。分かってもだいたい物騒。
地理担当パティはそのガタイに似合わぬ一番のビビり
っぷりと葬儀屋ネタ・偏差値ネタで笑わせてくれる。

主人公4人のキャラ以外にもギャグ満載で、
思わず吹き出しそうになったシーンも多々。
個人的にはワンタンスープ運送バイク爆破と
オジー・オズボーンの幻覚ネタは危なかった(笑)。
(ドン引きするような下ネタも少しあるのは困りものだケド)

けど一番の笑い所は、
イケメンなのに超ド級のアホ秘書ケビン!
「メガネ拭くのが面倒だからレンズを抜いた」等の、
常人では決して思い付かない柔軟な発想力の持ち主。
終盤であんなことになっても元気いっぱいダンスフィーバー。
クリス・ヘムズワースって、スターになっても
こういう役をやる所が逆に格好良い。
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ゴースト退治についてもグッド。
事件の首謀者であるアイツの存在感はメチャクチャ
薄くて何がやりたかったのかもピンと来ないが、
ド派手さとアクションは2016仕様にしっかりアップグレード。

次々と登場する幽霊たちは個性的で楽しいし、
クライマックスではそんな幽霊たちがわらわら登場し、
捕獲ビーム以外の様々な兵器を装備したバスターズとの
一大アクションが繰り広げられる(ホルツマン無双!)。
マシュマロマンや大食漢なアイツのサービス出演も
あるし、超巨大ゴースト登場にも盛り上がる。
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さて、今回は依頼を受けて幽霊退治をするシーンが
少ないせいか、NYの皆が頼りにするヒーロー
としての『ゴーストバスターズ』の存在感は薄め。
そもそも彼女らは、幽霊退治を生業にするより先に、
まず『幽霊は実在する』という自分たちの
トンデモ理論を証明しなければならないので、
そこにより重点が置かれたシナリオとなっている。

「STAP細胞あります言うならSTAP細胞見せんかい!」
「その金さんとやらはどこにいるンだよ! 金さんを出せ!」
と、いつの時代も論より証拠。
理系女子(リケジョ)4人は霊体スライムまみれになりながら奮闘。
男顔負けの戦いっぷりで自分たちの理論を証明していく。

ま、別にウーマンリヴを声高に謳うようなおカタい作り
ではなく、「汚れ役も賢い役も、男女どっちが演じても
面白いじゃん」くらいの感覚で映画が作られる
ようになったという所が世の進歩なのかしらん。
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不満を言うなら、シリーズ続編あるいはスピンオフ以上の
インパクトを残す為に、マシュマロマンを凌駕するほどの
強烈で独自性のあるネタがひとつ欲しかったとも思うが、
それは贅沢言い過ぎかね。
笑いもVFXもしっかり。難しいことは考えずに楽しめる、
期待通りの出来でした。観て損ナシの3.5判定で。
エンドロールではヘムズワースのノリノリダンスが
たっぷり観られるので、ファンの方はお楽しみに。

<2016.08.20鑑賞>
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余談:
オリジナルの主要メンバーの殆どがカメオ出演を
果たしている事にビックリ。特に、出演の噂は
聞いていたものの、ビル・マーレイの登場には驚いた。
『3』が実現しなかったのは彼が出演を固辞してた
からという噂だったし、それに今回は退場が悲惨(笑)。
残念ながら、一番のコメディリリーフだった
リック・モラニスは登場無しだったようだが、
他主要メンバーは全員集合で嬉しいサプライズ。
2年前に亡くなったハロルド・ライミス?
大学構内のとある像をお見逃し無く。

浮遊きびなご