「目の付け所がユニークな、実に興味深いドラマだ。」マネーボール 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
目の付け所がユニークな、実に興味深いドラマだ。
アスレチックスのGM、ビリー・ビーンが、他のチームからピーター・ブランドを引き抜き、セイバーメトリクスを採用して、2002年シーズンに挑む姿を描く。
ブラッド・ピットが、冷徹な判断力と熱い心を持ち合わせた主人公を、見事に好演。本作では、台詞が過剰にならず、簡潔な表現で、人間味のある関係性を描いている。チームよりGMに焦点を当てているのが、興味深い。
とても面白い映画だが、上映時間(133分)は、もっと短くできなかったかなと思う。シーズンやプレーオフの仕組みなど、MLBの知識を知らなくても楽しめるが、知っておくと、より理解は深まると思う。
野球が題材とはいえ、中身はビジネス映画だ。統計学的な手法で、科学的に合理的な根拠に基づくチーム編成を導入し、現場との軋轢を生みながらも、結果を出していく姿を描いた実話物のドラマとして、ニッチな面白さがある。
コメントする