ザ・ウォーカー
劇場公開日:2010年6月19日
解説
ジョエル・シルバー製作、デンゼル・ワシントン主演の近未来アクション。あらゆる文明が崩壊した近未来の地球。イーライと名乗る男(ワシントン)は、世界でたった1冊残る本を運び、30年間、ただひたすら西へ向かって旅をしていた。そんな彼の前に、その1冊の本を探し続ける独裁者・カーネギーが現れる……。監督は「フロム・ヘル」のヒューズ兄弟。共演にゲイリー・オールドマン、ミラ・クニス、トム・ウェイツ。
2010年製作/118分/PG12/アメリカ
原題:The Book of Eli
配給:角川映画、松竹
スタッフ・キャスト
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2022年4月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ストレートに受け取ると、ただのファンタジーだが、現代文明に対するアイロニーなのではないかと感じた。
マッドマックスみたいにCG使わないアクションならもっと良かったのにと感じた。
2022年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
冒頭のアル・グリーンの曲が最高にいい。
デンゼル好きならおすすめ。
彼は、死んでしまう役が多いですね。
今回は「そう来るか」って感じでした。
2013.2.28
2021年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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なぜ西へ向かって歩き続けるのか?大切な“本”とは何なのか?イーライ(ワシントン)の目的を推理しながら進む前半はとても面白い。セピア調の空気や荒廃した世界観は『マッドマックス』などの核戦争後の雰囲気と似ているのだが、この映像がすごく印象に残る。人々はみなサングラスをしているのも面白い設定だ。デンゼルのアクションもかっこよく、剣だけかと思えば、銃も弓矢の腕もいい。人が襲われていても「使命のために、関わりたくない」と冷血なところも見せる。
カーネギー(オールドマン)の町でひと暴れした後、彼の盲目の女(ジェニファー・ビールズ)の娘ソラーラ(クニス)がイーライの旅についていき、そこで本が聖書であることなどが明かされる。戦争は30年前、その聖書が原因で起こったともされるのだ。カーネギーはバイブルがあれば町を大きく、いくつも作れると、宗教を利用して支配者になろうと考えていたのだ。そこからはカーネギーによるバイブル争奪という展開。そして本を奪われたのにまだまだ西へ旅するイーライ・・・なぜ?それに撃たれたのになぜ生きてる?
本は点字だったというオチ。そしてイーライは聖書をすべて暗唱できるほど読んでいた。神に守られていたんだな。かなりずるいオチのような気もする。それをすべて印刷所で発行すると、イーライは安らかに眠ったようだ。
【2010年6月映画館にて】
2021年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
初見の感想。
人としての生き方に触れた映画。でも、あまりにも直球的な描き方なので、『中学生日記』か?、道徳の教科書映画か?てな感じ。なので、今ひとつ映画としての感動がわかない。芸達者な役者を使っているのに勿体ない。映像やカメラワークは凝りに凝っているんだけどねえ。つなぎ合わせるとなんでこうなる?
レビューを書くにあたり再見。
ひょっとして、強烈な風刺な映画?
「世界に一冊残る本」が気になり鑑賞。
…まあ、アメリカならあの本ですね。そこまでは自分の認識不足に突っ込み入れながらも、世界を滅ぼすものでもあり、世界を支配するものでもあり、救うものでもあるあの本を巡ってどう展開するか、楽しみにしていたのだけど。
世界観がしょぼい。マカロニウェスタンと座頭市を参考にしていると聞けば、確かにその雰囲気満載。
でもね、「空が光って30年」で「水を奪い合う」程乾いた世界で「昔捨てていたものを奪い合うようになった」って、悲壮感出しているのだけど、30年前のケンタッキーのお絞りがまだ使える???30年前のシャンプーも腐っていない?(どれだけ防腐剤入っているんだか!!!)バイクや他の武器も衣服も何もかも新品のよう。
30年間ひたすら歩き続けたという設定も矛盾。昔の連続TVドラマの西部劇のヒーローや水戸黄門みたいに、行く先々で事件等に巻き込まれて、何日~数カ月滞在しながら歩いているのならわかるけど。『木枯し紋次郎』か?というような、漫遊記じゃないだろっていうエピソードもあるし…。ずっと迷子だったのかしら?悪魔の誘惑を退けながら荒野をさまよったキリスト?
後半の老夫婦の家でのバトルは面白かったけど、ここも世界観が小さく見える。個人宅襲撃って…。単に、夫妻の行動で終末観を煽りたかったのか?
言葉で語る設定と、実際に映画で展開されるものとに矛盾があるから、中2病が語る世界観に見えてきちゃう。針小棒大。詰めが甘い。
色は撮った映像を後から色を操作した感じ。黒とセピア色のコントラストとか、場面場面は一枚の絵のようなところはあって綺麗。
墨絵のような映像もあり、ルーブルに所蔵されている印象派以前の絵画のような映像もある。レンブラントとか、確かにそういう映像もある。
だけど、映像を堪能とまではいかない。『オブリビオン』の方が見事だったな。『オブリビオン』の方が後ですが。
かつ、カーネギーの皮膚の渇きぐわいとか、CG加工したのだろうけれど、鳥肌が立つ。なのに、周りのキャラはごく普通。ソラーラに至っては肌のハリと言い、美しいくらい。単なるファンタジー映画なら、欲にまみれた初老のカーネギーと、心のきれいなソラーラの対比としたいけれど、映画の舞台設定からするとソラーラの肌の美しさは説明ができない。防腐剤がたんまり入った30年後も使える化粧水や乳液使っていたら肌荒れるよ。香油(オリーブオイル)を塗っていた設定?なら、なぜカーネギーは塗らない?
ここでも詰めが甘い。
アクションは、他の映画のようなこれでもかというせわしなさはない。ド派手なのはあるけど、基本静の時間。瞬間芸。落とし穴という笑えるのもあり(笑)。
ラストのオチもインパクトあるはずなのに…。
どれもこれも、帯に短し襷に長し。中途半端。細かい設定は凝っているんだけど、統合してみるとバラバラ。相反している。テンポが悪い?間が抜けているように見える。約2時間の映画なんだけど、内容だけ考えると1時間くらいでも作れるんじゃないかと思ってしまう。
題材、役者から考えれば、感動巨編になるはずなんだけど、惜しい。
宗教映画?
神の啓示を受けて、ある本をある場所に運ぶために、神の加護を受けて、こんな目に合っても死なない男。その神の使命を全うするために、さまざまなことを犠牲にしてぶれない殉教者。映画の途中で、「毎日読んでいたのに、教えを理解していなかった(台詞のままではありません)」と、ある本の教えに気が付く場面もあり…。
けれど、その”ある本”は、上にも記したけれど、バイオレンスを引き起こすものでもあり、世界を支配するために活用されるものでもあり、己を追い込み狂信的な言動を誘うものでもある。
要は使い方の難しい道具にしか過ぎないと言いたいのか?
”神”の意図の為なら、人は使い捨てだし…(キリスト者はこれを”殉教”として尊ぶのか?)
なんたる皮肉。
しかも、男が目指した終着点は、映画の題材にもよく取り上げられた難攻不落の、〇〇を収監する場所だし。
実は風刺映画だったのか…。だからあんなに人が死ぬのか。禁忌を犯す夫妻まで出てくるし。
エリが人を殺す場面はとてもスタイリッシュだし、個人宅襲撃場面の壊れっぷりも、妙にポップ。
しかも、ある本が収まるところ。決してある本だけが特別なわけではないというオチ!!!
何がしたかったのか?台詞で語っていることと映像で表現していることの矛盾…。
宗教的に装いつつも、やり放題。どっちが、描きたかった本音?
舞台は凝っているのだけれど…。
ミラさんが出色です。ラストがなんで?となるけど、かっこいいからいいか(笑)。