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これは、すぐさまもう一度、観返したい!否、ここに
書いている映画は面白いから、そうなんだが、オチが
分かった今こそ"名優"デンゼル・ワシントンの演技を
最初から観たい。これには騙された。もう圧巻であった!
いや〜、またしても良い映画に出会えた
主よ、感謝いたします。
さて、まず個人的に凄く好きだったのは"舞台設定"
荒廃した世界という舞台が織りなす、えも言われぬ
絶望感、人類が滅んだら本当こんな感じなんだろうな
と、荒涼たる思いに駆られた。
そして、それに伴っての映像のカラーだかモノクロだか
判別し兼ねる絶妙な色合いが、目の滋養だった。
それと単に"こういう設定ですから、ご理解くださいね"と
いった具合に始めるのではなく(ま、それはそれで良いが)
しっかりと理由があったのも良かった。またしても戦争の悲惨さを思い知る事になる。戦争に終わりはなく始まった時点で、物理的に終わったとしても、それは続く。
金品はないために物々交換せざるを得ない世界線であるがやっぱり、力ずくで、数で、暴力で奪う輩が出て来て
新たな苦しみが生じる。食糧だったり水だったり…
ただ、この世界で鍵となるのが"本"である。
本の持つ偉大な力に魅了され、取り憑かれたように
イーライ(デンゼル・ワシントン)の持つ本を
数多の部下を犠牲にしながらも奪わんとする
カーネギー(ゲイリー・オールドマン)という構図。
その本こそが"聖書"であり、人類の、文明の発展に
必要不可欠であった事は言うまでもない。何せ話は
少し逸れるが、世界で一番読まれている本というのが
何を隠そう聖書である。
つまり、聖書は、文献は、たとえ戰になろうと守るべき
価値がある!
それが戦後の世界を通して描きたかった事なんじゃないか
と思った。
そして
彼は何故、西へと歩いていたのか
一体何故、たった一冊の本の為に命を賭けていたのか
それは自分の安らぎを求め、自分の居るべき場所に帰る為
心の底から湧き上がってきた"声"という名の進むべき道
信念、御心に疑うことなく従ったからこその険しい旅
でも、その辛い旅の果てには自分の眠るべき場所があり
漸く、ほっと一息つける瞬間。言わば解放される瞬間
彼は、盲目であったために(起承転結の結)寝る時でさえ
銃を肌身離さず、座りながら眠るという警戒心の強さ
だからこその聴覚だったり嗅覚といった視覚以外の強感覚物語として辻褄が合っていて素晴らしいのは況や
最後の最後で彼が眠りにつく際、「もう疲れた」というのがタイトルにもなっている"ウォーカー"訳して"旅人"の彼の最後として相応しくもあり、更にそれは自身だけでなく
聖書をあるべき場所に返すため!
本当に素晴らしい。
後は何といってもデンゼル・ワシントンの"圧倒的強者感"
冒頭、数十メートルはあるであろう距離から一矢で猫を
仕留めるのに始まり、歩き方、所作、立ち居振る舞い
観ていて気持ちが良い位に何もかもの手際が良い!好い!
それらの演技が『イコライザー』に繋がったのではないか
と勝手に妄想しちゃいました
街で店に入った時、営んでいる爺さんに銃を向けられるも即座に奪い返すのとか、まんまイコライザーのシーン笑
速すぎて、かっこよすぎて、もう一度観たくなったから
わざわざ一番遅い倍速にして観返した程だ。
カーネギーが支配する一階のバーでは囲まれながらも
全員を仕留める強さ。それが、より鮮やかに見えるのは
先刻に記した通り所作だったり佇まいだったりの円熟した
演技の賜物なんだろう。本当にスゴイ。
と、まあデンゼル愛が思わず横溢してしまい長くなったが
この辺にしておこう。
ということで、もう観た回数が二桁はいってるであろうが『イコライザー3』でも観ますか