ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー : 映画評論・批評

ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー

劇場公開日 2011年7月30日
2011年7月19日更新 2011年7月30日より新宿K's cinemaほかにてロードショー

映画に革命を起こした男たちの青春を再検証

ジャン=リュック・ゴダールフランソワ・トリュフォー。ヌーベルバーグの代名詞とも言うべきふたりの、出会い、友情、共同作業、そして喧嘩別れまでを追いながら、ヌーベルバーグの時代そのものも再検証してみせる、実に手際のいいドキュメンタリーだ。

当時を知らない若い世代には、いや知っている世代にも、ふたりのエピソードはドラマとして相当面白い。生まれも育ちも性格も違うゴダールとトリュフォーが協力し合って映画を作った。それは、古い体制を壊そうと世界中の若者が連帯していた時代だからだ。その熱い連帯がピークを迎えた5月革命以降、両者の溝が大きくなっていったとするこの映画の観点は説得力がある。「ヌーベルバーグの呪縛でフランス映画の発展が遅れた」と批判する人もいるが、この波が押し寄せたのは必然だったと、この映画を見て改めて思った。

とにかく映像資料が豊富。トリュフォーが撮影しゴダールが編集した短編「水の話」(57)を初め、二人の監督作やヌーベルバーグの主だった作品のクリップが次々に出てくる。二人がインタビューに応えているフィルム、さらにはゴダールがフリッツ・ラングにインタビューしているお宝映像もある。68年のアンリ・ラングロワ事件や5月革命とカンヌ映画祭中止事件のニュース・フッテージももちろん出てくる。

極めつけが、「大人は判ってくれない」(59)のオーディションを受ける14歳のジャン=ピエール・レオだ。敬愛する映画界のふたりの父、ゴダールとトリュフォーの仲違いに悩み、その苦悩の痕が刻まれた今の顔からは想像もできないほど、キラキラ輝いているレオ少年。過ぎ去った時間の重みを感じて涙が出そうになった。

(森山京子)

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