劇場公開日 2010年7月17日

「「第一話」(初回拡大版)的な作品でした!」借りぐらしのアリエッティ タシオさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「第一話」(初回拡大版)的な作品でした!

2010年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

妻と娘二人(小5、小2)を引き連れて家族4人で観に行きました。
見終わった感想ですが、
妻は「なんか、中途半端だね。翔の手術はどうなったのか、とか、アリエッティとこれからどうなるの?とか・・・最後は、えっ? もう終わり?って感じ」と言っていました。
たしかに、そのような感じはあります。が、そういう妻も2~3回涙した場面がありましたし、私も同様だったので、私たちの心を揺さぶるものは、今までのジブリ作品同様、込められていたことは確かで、そのへんは安心しました。
長女は、「人間の住む家に借り(狩り)に行くところがワクワクして面白かった」と言っていました。
私も同感で、ジブリ作品の特長である三次元的・五感的な丁寧な作り込みが随所に現れていたと思います。特に本作品は音響が念入りだな、という気がしました。小人たちの立場で聞こえるであろう動作音などを妥協なく、しっかり表現していたのは今までのジブリ作品以上のものを感じました。
全般的にどうしても宮崎さんのこれまでの作品と比較してしまいがちですが、そのことは忘れ、純粋にこの米林監督のこの作品だけを見た気分は、「続きが観たい!」という感じですね。
勿論、中途半端感の無い、完結したっぽい作品に仕上げて欲しかったですけど、でもこういう「あとは観客に任せる」的な終わり方もアリかなと思います。もしテレビシリーズだったら、「第一話」(初回拡大版)的な感じで終わりましたね。登場人物の個性も、今後もっと出していけそうな気がしますし、話もいくらでも展開していけそうです。
米林監督はまだ若い監督。これからジブリを背負って立っていくであろう人なので、これからの時代に求められる新しいジブリ作品をどんどん創っていって欲しいと思います。
期待しています。

タシオ