オーケストラ!のレビュー・感想・評価
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涙と笑いの感動の音楽映画
ともかくラストの演奏シーンが素晴らしい。ロシア人のパリでのコミカルな行動(笑い)と旧ソ連による弾圧の悲劇が映画の中で絶妙に交錯し、ラストのチャイコフスキーバイオリン協奏曲の演奏へと昇華して行く。なかなかアメリカ映画ではできない世界だと思います。
音楽は、魂♪
”30年のブランクを経て、寄せ集め楽団が、最高の音楽を奏でる”
→「まあ、あり得ない話だけどぉ」「ファンタジーとして楽しめる♪」というご意見多いようですが、いや、私の経験を元にして申し上げます。「ありえると思います!」
私自身、以前はオーケストラで弦楽器を弾いていて、その後12年のブランクを経て、再度オーケストラに再挑戦しました。
もちろんブランクの間も楽器は細々と続けていましたが、12年ぶりの本番を迎えて、本番感覚は12年前よりも年を経ていろいろな経験を踏んだ分、研ぎ澄まされていたかもしれません。(スミマセン、、超ドシロウトの自身の経験を引き合いに出してしまって。。汗)
この映画では、ニセボリショイオケの30年という膨大なブランクを経ての演奏でしたが、彼らのように、チャイコフスキーコンチェルトが体に染みついていて(←音楽って体に染みつくんです!)、音楽を心から愛し、最高のハーモニーを奏でたことのある人たちなら、この奇跡の物語は「ありえる」と思います!
映画館でも観ましたが、最後の12分のハーモニーをもう一度体感したくて、DVDも買いました♪
総ては後半に。
名画座にて。
公開時にもかなり話題になっていたので楽しみだった。
おそらく(そんな思いで)冒頭から感動させるような…と
期待したのが運のつき^^;何ともユニークでふざけた内容。
へっ?このまま演奏なんてできるワケ~?と心配させて、
後半20分で大きく物語を動かしてくれる。でもその力は
脚本云々でなく、まさに音楽の力。チャイコフスキー万歳v
音楽映画は、やっぱり音楽で感動させなきゃダメなのだ。
だいたい寄せ集めオーケストラに、どうして素晴らしい
演奏ができよう。まるでのだめを観てるみたいだなんて
思いつつ、そうか今作はソ連批判、共産党批判に乗じた
社会派音楽コメディなのだとやっと気が付いた。どうも
ユダヤ弾圧に詳しい内容だと思ったら、監督がユダヤ系。
主人公はロシア系なんだけど、ほとんどその匂いはしない。
自身と元・楽団員の地位と誇りを取り戻そうと思いついた、
ボリショイ交響楽団に成り済ましパリ公演事件。である^^;
そしてそのユニークさに華を添えたのが、イングロリアル~
で咲いたM・ロランの美しさ。彼女は有名美人ソリストとして
この偽楽団から指名されるのだが、実はその真相とは…
中盤までのふざけにふざけた展開にどうしようかと思うが^^;
その一方、主人公とこの美人ソリストの関係にシリアス感が
漂い始めて、あれ?…どういうことなんだろう…なんて考え
ているうちに、もうパリ公演、である。(早!)
今まで観客が抱えてきた疑問や謎が、最後の演奏シーンで
すべて明らかにされる。と同時に、バイオリン協奏曲って
こんなに素晴らしい曲だったの!?と思うほど見事な演奏。
冒頭~のおふざけから一転、最後にドッカーン!と纏めた
あたりも、まぁ…観ようによってはのだめ、っぽいかなぁ^^;
(親から子への遺伝って、才能を含めて多岐にわたるのね)
離婚するわよ・・・行かなかったら
映画「オーケストラ!」(ラデュ・ミヘイレアニュ監督)から。
ラスト直前まで、ストーリーとしては、ありふれているし、
バタバタ感が物語全体を構成していて、
予告とパンフレットに騙された・・と心で思っていたが、
さすが「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲」、
帰りには、それまでの退屈さを凌ぐ、何とも言えない心地よさが残った。
とりわけ、最後の10分以上に及ぶ演奏は、見応えがある。
しかし、私がメモした台詞は、別のところにあった。(汗)
30年以上も前に解散させられた交響楽団のメンバーが
いつ訪れるかわからない本番の演奏に力を発揮するために、
日々練習していたと思われるシーンの数々と、
無謀な計画を打ち明ける夫と、それを呆れるように答える妻との会話。
妻はピシャリ「離婚するわよ」と言い切る。
私は、てっきり「(本気で行ったりしたら)離婚するわよ」と解釈した。
しかし、次に続く、妻のの台詞は「行かなかったら・・」。
言い換えれば「(このチャンスをモノにしようとしないのだったら)
離婚するわよ」と、後ろから背中を押してくれた気がする。
この一言は、主人公の人生を変えたとも言える名台詞だったと思う。
ストーリーとは、全く関係のない会話だったが、
ラストシーンで、夫の活躍をテレビで観ていて、こぼした妻の涙。
「夫を信じて良かった」・・そんな胸の内が聞こえてきそうである。
ヴァイオリン協奏曲とメラニー・ロランの美しさに!
このチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲がクラシックの魅力に目覚めさせて
くれたんだ!と感慨深げに夫が言う。(以下は夫のつぶやきデス)
ソリストは楽器と一体になっているもんだがメラニー・ロランがヴァイオリン
を弾く姿のぎこちなさは、彼女の美しさに免じて大目に見よう。
指揮者は立っているだけで、オーラが感じられるもんだが全く様になってない。
人柄の良さは感じられたが。
プログラムに、大好きなバッハの無伴奏チェロ組曲が奏でられると書いてあり
楽しみしていたのに、あの下手くそな演奏はなんだ!
途中、くだらなくてウトウトしかけたが、最後の13分間は素晴らしかった!
ヴァイオリン独奏は感情移入しすぎの感もあるが。
ガタガタでおそまつな楽団にキレた彼女が怒りのままに演奏を始めたが、
育ての親のギレーヌに渡されたレアの楽譜に沿ってヴァイオリンを奏でる内に、
レアが実の母であり、その血が自分に受け継がれている事を実感していく。
このあたりは感動的だ。
凍える大地で生きる厳しさに今日の糧の事しか考えられず、フランスでもバイト
に精を出す団員達も、不遇な時代に散っていったレアの為シャトレ座に戻って
くる。
久々の演奏で出だしはひどかったが、レアそのままのアンヌ・マリーの
ヴァイオリンに楽団の心も演奏も一つに融けあっていく。
実際は急造の楽団で練習なしに素晴らしい演奏など有り得ないが、まあ許そう。
気になる点は山ほどあったが、見終わって色々語り合いたくなる作品であり、
最後の13分間とメラニー・ロランの美しさは100点満点の映画だった。
( 私はハード・ロック、オルタナティブ・ロック系が好きでクラシックは
よくわかりませんが、笑って最後にホロリとして、とても楽しい映画でした!)
映画館で「聴いて」ほしい作品
このお話は、まずは喜劇仕立てで始まり、アレクセイ・グシュコブ、ドミトリー・ナザロフ、バレリー・バリノフなど、個性豊かな俳優陣が、およそ有り得そうもない筋書きをとても楽しく展開してくれます。
そうしたストーリー展開の中で、断片的にソビエト時代の圧政が描かれ、社会派作品的な面が随所に現れます。
そして無事にパリに渡った団員たちは自由奔放に降るまい、リハーサルを行えないまま本番を迎えてしまいます。さて、どうなることやら・・・
ここからはネタばれなので、映画を観に行かれる方は読まない方が良いかも(^^A
しかし、最後の12分にわたるチャイコフスキーのバイオリンコンチェルトニ長調Op.35の演奏は圧巻でした。僕が最初のバイオリンの音色で鳥肌立ったのは、リトアニア交響楽団のコンサート以来のことでした。
そして、その演奏シーンに断片的に差し挟まれるメラニー・ロラン扮するアンヌ・マリー・ジャケの両親の悲劇。
気がついたら頬を涙が伝っていました。そして彼らが最後の音を弾き終わったとき、思わず拍手をしそうになったものです。
あの有名な作品を違和感なく12分に編曲した音楽のアルマン・アマールの手腕にも拍手です。メラニー・ロランのソロ・バイオリニストぶりも見事でしたね。パリ国立管弦楽団の第一奏者について2ヶ月間猛特訓を受けたのだそうです。
僕はこの曲30センチLPで持っているのだけれど、帰ってから思わず生協のネット販売で、10%引きで購入してしまいました(^^A
是非とも劇場で「聴いて」ほしい作品です。
軽く家族で見れる映画
ユダヤ人の迫害など、政治的な面も見ることができた。
「あんなに簡単になりすますことができるのか」っていうのがさすが映画の世界。簡単になりすますことができましたよ!!
皆、30年間オケをやらせてもらえなかったけど、やっぱりやりたいから集まったんだと思うと、まさかの練習にも来ないし、なんで集まったのかと思わざるをえない。
「30年ぶりに集まって、こんなにうまく合わせられるものなの??」、「練習はしなくてもいいのかよ」、「あんな短時間でよく職にありつけるな」という疑問は、さすがにでてしまう。
そんなことを考えなければ、話も判りやすいし、いい音楽も聞けていいと思う。それに、メラニー・ロランの綺麗さにうっとりしてしまう映画だ。
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