17歳の肖像のレビュー・感想・評価
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教育の意義
いつの時代もティーンは大人の異性や大人の世界に憧れるものだ。17歳で30代の男性と付き合う少女というと、何となく不良(?)や、軽薄な女子を思い起こす大人が多いのではないだろうか?しかし本作のジェニーはまじめな優等生。彼女が大人の男性、デイヴィッドに惹かれたのは、知的な会話と、絵画や音楽など芸術への直接的接触、そして贅沢な時間の使い方を味わわせてくれるから。口うるさい父から自分の好きなことを何1つ許されず、彼女はひたすら早く大人になって、好きなことをするのが夢だった。そんな彼女の前に現れた男性は、彼女が大人にならなくても、彼女の好きなことをさせてくれた。目の前に開けた「自由」という初めてのご馳走に彼女は有頂天になる。彼女は本当に彼を愛していたのか?それはきっと彼女にも解らなかっただろう。しかし、勉強ばかりの人生が突如としてつまらないものとなり、父親だけでなく教師でさえ彼女には人生を謳歌できない「死人」に思える。彼女は言う「教育をするならその意義まで教えてください。」と・・・。本作で私が一番興味を持ったことは、思春期の少女が陥った苦難を救ってくれる者は異性ではないということ。傷つき、行方がわからず呆然としている彼女に、道程を示すのは、彼女が「死人」と嫌った教師であるということ。教師はみな優等生が好きだ。それは自分の言うことをきくからではなく、その子の将来を導き、成果をもたらしてくれるから。自分の教育が間違っていなかったという実感が得られるからだ。ここに登場する教師は、ジェニーを目にかけ将来を期待していた。彼女が勉強をおろそかにし、学校を辞めて結婚すると聞いた時の失望。素直に「私が悔しい」と言う誠実さも、目の前の享楽に目が眩んでいるジェニーには届かない。「つまらない人生を送るくらいなら、死んだほうがまし」というジェニーに、教師は「・・・私は死人ね・・・。」と答える。私はジェニーの受けた傷より、この教師の受けた傷に胸が痛んだ。だがこの教師が最終的にジェニーに手を差し伸べるのだ。この教師(相対する存在として、偽善的な校長を登場させている点にも注目)は同じ大人でもデイヴィッドやジェニーの両親と全く違う生活を送っている。本と絵に囲まれた生活が、本当の自立した大人の女性の、静かで満ち足りた生活であり、真の幸福であることをジェニーは理解する。本作の原題は『教育』。ジェニーが学んだ人生の教訓。ジェニーは必ず自立したステキな大人になることだろう。
これで「教育」とは笑わせるな。ヒロインが10代に見えないことが多い
オープニングの主人公の顔からして10代に見えない。20代や人生に疲れきった女性に見える瞬間多し。これは表情が豊かだとか表情がコロコロと変わるとは言わない。それこそ「ローマの休日」のオードリーを見よ。本人は悪くない、女優を徹底的にしごかない監督が悪いのだ。 前半のニック・ホーンビィによる脚本でピーター・サースガードに歯の浮くような台詞を言わせるのは笑える。後半正体がわかるあたりはふつう。しかし怪しい遊び人との恋か大学進学かって選択肢が少なすぎる。 この映画より「プレシャス」のほうがよっぽど教育の映画だ。最近二本目のサリー・ホーキンス無駄遣い映画。
女性って、タフですね。
17歳の女子高校生ジェニー(キャリー・マリガン)が、年上男性との出逢いを通して人間的に成長する姿を描いた青春ドラマ。
圧倒的に女性向け。特に、主人公と同年代の女子は何か感じるモノがありそう。オススメです。
男の僕としては、主人公の父親(アルフレッド・モリーナ)の“紅茶とビスケット”のシーンに思わず涙。自分に娘が生まれて、ちゃんと“教育”できるんだろうか…と不安になりました(笑)。
それに引き換え、デイビッド(ピーター・サースガード)はハナっから信用おけなかったんだよな。ジェニーに対して「ミニー(マウス)」なんて呼ぶし、キモいんだよ。案の定、サイテーの男だったが…。
キャリー・マリガンは、「ヘップバーンの再来」は言い過ぎだろうけど、ラストにオックスフォードからの合格通知を確認してクールに紅茶を飲んでる姿がカッコよかった!色々あったけど、女性のタフさをつくづく感じたな。
高校の先生も良かった。ジェニーから助けて欲しいと言われ、「その言葉を待っていたの!」と力強く答えるシーンが強く印象に残った。
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