ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル : 映画評論・批評

ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル

劇場公開日 2011年12月16日
2011年12月13日更新 2011年12月16日よりTOHOシネマズ日劇ほかにてロードショー

殊勲賞は「新人」ブラッド・バード。空間とタイミングに対する感覚が出色だ

「ブルーはグルー(接着剤)だ」とベンジー(サイモン・ペッグ)がイーサン(トム・クルーズ)に説明する。イーサンは、青と赤に発光する吸盤手袋をはめて、ドバイにある超高層ビルの壁面をよじ登ろうとしているところだ。高さは地上800メートル。「レッドは?」――今度はイーサンが光の色をたずねる。するとすかさず、ベンジーが答える。「デッド」。

アクション映画の必需品とはいえ、この手のタイミング感覚に接することができたのは久しぶりだった。過去10年、ハリウッド・アクションはこれを忘れていた。火薬を派手に爆発させたり、怖い顔で凄んだりするだけではアクション映画が楽しくならない。

ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」は面白い。派手で、速くて、突き抜けていて、空間に対する嗅覚が鋭く、ジョークを飛ばす機会を見逃さない。ヒッチコックホークスの愛好家が見ても、にんまり笑って合格点を出すのではないか。

もちろん、トム・クルーズは素晴らしい。見た瞬間に手を叩きたくなる「クルーズ走り」は49歳のいまも健在だし、広い空間や高い場所に物怖じしない存在感は、ハリウッド・スターのなかでも抜群といってよい。

しかし、今回の殊勲賞は監督のブラッド・バードではないか。54歳。実写映画の監督は初めてだが、傑作アニメーションの「アイアン・ジャイアント」や「レミーのおいしいレストラン」などで鍛えた技や嗅覚は伊達ではなかったようだ。脇役の光らせ方が巧いのもそのひとつだし、格闘場面で残虐趣味に走らないのも後味のよさを引き出している。私は途中まで悪役にもっと迫力が欲しいと感じながら見ていたのだが、あとで思えば、これもどうやらバードの計略だったようだ。こんな「新人」が平然と出てくるのだから、ハリウッド映画はまだまだ隅に置けないだろう。

芝山幹郎

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