「妙に凝った西部劇は苦手」トゥルー・グリット odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
妙に凝った西部劇は苦手
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見覚えあると思ったらジョン・ウェインの名作「勇気ある追跡(1969)」のリメイクだった、原作は同名のチャールズ・ポーティスの68年のベストセラー本、学校の教材にもなったようでコーエン兄弟ににしてみればリメイクと言うより原作に惹かれたようだ。
1880年代の南部の様子など知る由もないが黒澤の時代劇を観ているような殺漠さ荒涼さに似て映るのは不思議だ。
助っ人の老保安官(ジェフ・ブリッジス)の娘想いの行動は見えるが表情やセリフでは心が描けていないように見えたのは残念、むしろ敵の首領が娘の勇気を買ってくれたのは意外だった。マット・デイモンにはいいとこ無しかと気が揉めたがちょっとだが見せ場があってほっとした。
リアリティ志向かも知れないが公開縛り首や切断された指のアップ、毒蛇に食われた死体、愛馬の安楽死、腕を亡くした主人公と無慈悲な描写の数々、健気な娘の敵討ち物語で溜飲がさがるといったベタな映画にはするもんかとのコーエン兄弟の意気込みがほとばしる。
もはや好き嫌いの世界だが妙に凝った西部劇は苦手なのかもしれない。
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