劇場公開日 2010年5月22日

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「孫娘役の徳永えりが上手くて見所」春との旅 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0孫娘役の徳永えりが上手くて見所

2014年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )

 自分の将来を考えて閉鎖された社会から抜け出すため邪魔な祖父を処分したい孫と、そんな孫の気持ちを察して荒れながらも邪魔者である自分を認めて嫌々兄弟を頼ろうとする祖父の話は、考えてみればせつない。人間関係を見つめなおす旅になるのだけれども、長年密接な交流が無いままに突然訪ねた兄弟たちの身の上と、主人公である祖父の家族の話に距離があるし、老人の老後の世話の話なのか家族関係の話なのかちぐはぐにも思えた。兄弟たちよりも、もっと祖父の家族を掘り下げても良かったのではないか。血縁関係というだけで老人の世話を引き受けるのも難しいのは最初からわかっていただろう。結末に近づくにつれて話が都合よく流れていくのもやや興醒めした。
 出演者の演技は良くて、特に徳永えりという若手女優が祖父と暮らす田舎娘を演じて、大物俳優たちに引け目をとらないばかりか互角以上に渡り合っていた。特に父親との場面は上手かった。ただし仲代達矢、人生の賭けに失敗した貧乏で頑固な漁師というにはかなり都会的な雰囲気で、私の知っている漁師像とは異なった。場面場面でさりげなく流れる音楽は悪くなかった。

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Cape God