告白(2010)のレビュー・感想・評価
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原作を上回る迫力を魅せた中島監督の映画力
いや、これはスゴイわ! 映画館のスクリーンで観られてよかったわ!! でも、拍手起きんかったなぁ。こんなんなら、 『トロッコ』のときみたいに、先陣を切って拍手すればよかった!!! 〈 わたしにはわかる 〉 ■原作既読者の感想です 私事ですが、私は本のレビューはAmazonに 書いているのですが、原作本の評価は星4個をつけました。 読後感があまりにも悪かったのと、 余韻を残したエンディングに、これは 残しすぎじゃないかな、との、不満があり星を1個減らしました。 ただ一方で 「一体この作品を、どう映画化するんだろう」との 疑問と期待は公開初日へ向けて膨らむばかりで、それは スクリーンに東宝のマークが大写しにされた瞬間、鳥肌が立ってしまうほどでした。 登場人物、エンディングに 原作との、違いがありますが、 よくここまでほぼ原作に忠実に作り上げ、 しかもエンディングで監督の味も出している。 月並みな表現で申し訳ないのですが、感嘆しました!! ただもう一人の私もいまして、 「原作既読だから予備知識もあって鳥肌立てたけど、 原作未読の人が、いきなり今作を受け入れられるのかな?」 原作にないエンディングのセリフは 絶望だけで終わらせるのでなく、光と エンタテインメント性の双方を、求めたものと 私自身は受け取ったのですが、そこに至るまでが あまりにもダークで深い闇に、覆われているので 果たして一筋の光として届いたのかどうか疑問に感じたからです。 原作未読で今作を鑑賞された人のレビューに大変興味があります(笑顔) ■ストーリーを彩る音楽、符牒にも感動! 作品全体を通して音楽が、とても良かったです。 そして場面の間だけでなく、エンドロール中も 流れますが、ああいう空の、使い方、すごく意味深で この先どうなるのかとか、これまでどうだったのかとか 自然に考えさせられてしまう。暗転とは、また違う方法で お客さんに一呼吸入れさせる。空がスクリーンに映るたびに、 空に映るもの、空の向こうに映るものに思いを巡らせてしまいました。 ■松たか子さん、木村佳乃さん。そして芦田愛菜ちゃん “松たか子さんが出演オファーを受けてくれること” それが今作を映画化するにあたり中島監督の絶対条件。 中島監督、学生役の子たちには、携帯電話を落とす位置まで 細かく演出をしたそうですが、松さんに対しては放置状態だったそうです。 まるでロボットのように無機質に淡々と話すかと思えば、 ネタバレ防止で最も心に残ったワンシーンだけにしますが、 終盤路上でしゃがみこんで慟哭してみたりと、感情を捨て 復讐を機械の様に正確無比に遂行しようとしながらも、人として 教師としての理性を完全に失うことはできない、その、なんとも 表現しがたい微妙な感情の匙加減を完璧に演じられているようにみえました。 ひょっとしたらひょっとして 日本アカデミー賞最優秀主演女優賞連覇もあるかもしれませんね。 木村佳乃さんの最大の見せ場は まるで洗濯物を干しにいくかのように (中島監督に、こう演出されたそうです) あることをしにいく場面でしょう。素直に巧かったです。 芦田愛菜ちゃん。 松たか子さんの娘役をした女の子。 今作の撮影時、まさか上映開始日の頃、 『mother』という日本テレビのドラマで 5歳なのに実年齢より上の小学生を大人顔負けの 演技を魅せ話題沸騰しているなんて想像もできなかったでしょう。 想像していたら、もっとセリフと出番が多かったはずですもんね(苦笑) ☆彡 ☆彡 『殺人の追憶』のような 映画を日本でも製作してヒットさせてみたい そんな願望も今作にはこめられているそうです。 願望成就へ一歩進みましたよね。 『アリス・イン・ワンダーランド』の連続首位の座を奪取しましたから(笑顔) ストーリーを知っているのに スクリーンから眼を離させない中島監督の映画力。 原作は 星4個をつけましたが、 映画は5点満点です!! な~んてね♪ なんて言葉は続きませんよ(苦笑)
映画ならでは
原作を読み『読むんじゃなかった…』と思ってしまうほど 衝撃的な作品がDVDになったので観ました。 映画公開時に『原作に忠実』とあったので、 逆に映画館では観たくなかった。 で、結局私にとってはDVDで充分お腹いっぱい! 一方通行で独りよがりな愛と告白。異常な関係。復讐。 突拍子もないけど、私たちが平凡だと思っている世界と紙一重なのかも、と考えさせられました。 映像は陰陽をうまく使って、より残酷さが出ていたと思います。 原作では文章で、映画では映像でノックアウトさせられました。 よく出来た作品だと思いますが二度目はしばらくないです…。
参りました!
現実的であって、まるで現実感がない世界。 淡々と、少年による人殺しが罪の意識もなく、というより、罪を理解できるほどに成熟していない者による連続殺人。淡々と続けられる告白は、つまりは「自分だけの都合」のようです。 なにかの役に立つ映画ではないです。非常にグロイです。 気分もけっこう悪くなります。自分の子どもが将来置かれるであろう環境にも不安を覚えます。 10年後には印象に残らない映画かもしれない。 しかし、このテーマをここまで魅せる監督の力量には、胸を潰されるようなインパクトを感じた。 2010年に限れば、一番印象に残る映画でした。 見る価値は、確かにありました。
原作を読もう
研究を捨てて平凡な男と結婚したが、けっきょく子どもを捨てて研究に戻る母親。 自分の優秀さを母親と世間の人々に認めてもらいたいともがく子ども。 発明展で最優秀をとったのに注目されたのは同じ日に起きた殺人事件。 注目されたいという気持ちがゆがんで幼児を殺してしまう。 子どもを溺愛する母親。だれにも相手にされない平凡以下の子ども。 自分も主役になるチャンスと幼児をプールへ投げ込んでしまう。 子どもを教え子に殺された教師。周到に計画された復讐。 殺人または自殺願望の少女。暑苦しい熱血教師。 彼の過去をひもとけば一本の映画ができるだろう。これらが主な登場人物。 今どきの中学生の物語?三人の母親の物語?加害者と被害者の物語? 犯人は冒頭のHRで分かってしまう。ダイハード的展開。 それでも2時間もたせる力は原作か監督か。 これはぜひ原作を読まなければならない。
期待しすぎたか・・・
CMと評判で(告白)の部分のフューチャーを過大に期待していた分、存分に楽しめませんでした。 ですが、作品としては、現代社会の闇や考えさせられることが多く、見ごたえのある映画でした。 グロイシーンが多く、苦手な方は気を付けた方が良い作品かもしれません。
癖になる
初めは余り興味がなかったものの、結構話題になっていたので、「そんなに話題ならば…」と思い、いつもはレディースデイを狙い、安く観るのですが、その日は自身が暇…という事もあり、レイトショーに行きました。 しかし。 物語が私好みな上に、松たか子さんの淡々とした演技、岡田将生君が教師役という新鮮さと、演技力の高さ、木村佳乃さんの親バカな母親役。とにかく全てが新鮮で観いってしまいました。 内容も、「答え」が見えず、考えさせられる物だと感じました。 レイトショーで少々高めの値段で観たのですが、1800円出しても良いな。と感じました。 とにかくハマり、 小説も買って読み、漫画化されているのでそちらも読み、今だ考えさせられています。
交じり合わない思いの中、勝手な言葉は「告白」になる
スゴイです、、、 「イマドキの中学校って、こんななの??? うううーーーー、、、 絶対コドモなんてほしくないーーーー!!!」 とトラウマになりそうなほど怖く、あまりにも殺伐としています。 個々を見れば、母親は子供を愛しているし、 子供だって親への愛情があるのに、 なぜか、それが、まったくクロスしない。 ものすごくバラバラで、 誰一人として、キモチが混ざり合わないのです。 そう、まさに「告白」。 会話、では決してないのです。 愛しているけれど、ものすごく身勝手、、、みたいな。 見終わったあとで、 「確かにすごい作品なんだけれど、 全体を通してのストーリーとゆうか、 ぶつかりあいとしてのドラマがないような…」 と思っていたのですが、 考えてみれば、タイトルが『告白』である以上、 それぞれの勝手な“告白”で作品が構成されていて“正解”なのだ、と。 この見終わってからの居心地の悪さも含めて、 中村哲也監督、やはり性格の悪い確信犯(←褒め言葉です)で、 すごいです。 また独特な映像が、怖さをいや増しています。 作品ごとに、色と質感で作り出す世界観も、すごいです、、、 原作は未読なのですが、ぜひ読んで、作品の感触の違いを感じてみたくなりました。
中島哲也は天才
そう、中島哲也は天才なんです。 そう思っているわたしのレビューです。 これは天才が作ったホラー映画ですね。 下のレビューれん坊さんとほとんど同じ意見です。 ちょっぴり怖いです。 そして、とっても興奮します。 この映画を観て「考えさせられる」とか「現実にありそう」とかいう感想をいだく方が多いところも非常に怖いです。
中学生の無邪気な殺意が怖すぎ
決してハッピーな作品ではないのですが、怖さや悲しさややりきれなさが、うまく表現されていると思いました。 松たか子さんの演技はさすが。岡田将生くんや木村佳乃さんもさすが。重要な役割の3人の中学生も頑張っていたと思います。 原作の小説はどういう構成で書かれているのか知りませんが、異なる登場人物の視点で同じ場面が何度か描かれる構成も個人的には好きです。 いわゆる犯人探しのミステリーとは違いますが、話が進むにつれて「ああ、そういうことだったのか」と真実が見えてくるというか謎が解けた感じがあって、これも好み。 映像は決して派手ではなく、どちらかというとモノトーンな印象ですが、スローモーションなどが効果的に使われていました。若干そういった映像手法を使いすぎな気はしましたが。音楽も同様。若干あざとさを感じつつ、効果的だったと思います。 R-15指定ですが、ビジュアル的にはそんなにキツくは感じませんでした。むしろ心理的な部分の異常性の方が印象に残りました。松たか子の心理攻撃による復讐もぞっとするけど、中学生の無邪気な殺意が怖すぎ。 作品としてはとてもよくできているのに、受け入れがたい、そんな作品。
子を持つ一人の母親として。
予告編を見た時、≪これは、暗くて人間の悪い部分を強調した作品なんだろうな~≫と思った。 でも、意外にも「良い」という感想も多く見た。 見ても、気が滅入ってしまうだけではなさそうだと思い、見てきた。 告白するのは、松たか子だけではなく、それぞれ人物の告白がある。 それぞれの立場からの告白を見ているうちに、共感する部分もある。 だけど、それを実行するかどうかは、その人物次第。 それぞれの生い立ちや立場によって、こんなにも変わってしまう人間性。 親ならではの、子への愛、想い。 溺愛すれば、子は自立できない。 自立させようとしても、子はどこかで親を求めている。 そのあたりの、匙加減。 難しいです。 子を持つ一人の母親として、見て良かったと思える作品でした。
秀作!
この映画はミステリーであり、極限のホラー映画だ。 松たか子が、岡田将生が、木村佳乃が、犯人Aが、犯人Bが・・・、みんながみんな怖すぎる。恐ろしい人々の集まりである。 中島監督は天才だということを思い知らされた。 制作者サイドのどや顔が目に浮かぶ。 ラストが一番の見どころでもある映画。 素晴らしい秀作を堪能した。
う~ん!
本当に賛否両論のある映画だと思います。 観る人によっては、面白くないかもしれません。 それでも考えさせられる映画だとは思います。 特にR指定がされているのにも納得です。 サスペンス的で、今後の社会に影響を与える場面や考え方があるからです。 この映画をプラスの方へ考えていくならいいのですが、今の世の中 映画の影響で事件を起こしてしまう人もいるので、分かりません。 それほど、影響がありうる映画だと思われます。
「ドッ!カァ〜ン…な〜んてネッ!」
↑例のTVCM予告編音声に刺激され、 →個人的に編集加工、 →着メロに設定!、 →「松たか子」さんのキレた(?キレているであろう?)演技を勝手に想像(妄想?)して、独りヨガりに盛り上がってみたりもしてたんですが、 原作小説を読んでもいないのに、そんな些細な音声情報からだけで、暴走するとは、"妄想族"の面目躍如? でも、実際に見てみたら、… 決して、楽しいもんでもないし、きわめて現代的・現実的な考えさせられる内容で、 件の音声部分も、元々、編集が施されていたようで、(良い意味で、)予想を裏切ってくれました. 途中から俄然(ストーリー的にも)目立ってきたのが、 難しくも魅力的な役どころの学級委員長役の女の子(!←後調べで、「橋本愛」という女優さんでした) さすがッ!? 美少女系好き(?)な監督、目の付け所が違う(?). 最近、所属事務所移籍問題か何かで、現公開中「湾岸署(?!←大人の事情…)」から、ハブにされてしまったらしい(上映中作では、子供が産まれた〜との設定)と、もっぱらネット上他にて、噂の「水野美紀(ユキノすぁ〜ん?)」さんの若かかりし頃に似た感じ(?←あくまでも、主観的なコジツケです)で、 今作をきっかけに、今後の活躍が期待させられる女優さんの発見(←デビュー作では、ないらしいから、遅ッ!?)でした.
今までにない映画
人間の心の闇をここまで描いた作品としては評価したいです。賛否両論ありますが、誰もやらない事に手を挙げたのは凄い勇気だと思います。自分の子供が理不尽な殺され方をすれば誰しもが一瞬であれ復讐の二文字が頭に浮かぶのは当然だと思います。しかし誰も救われない。虚しい、鳥肌が立つ、悲しい映画でした。松たか子さんが、何で関係の無い第三者を巻き込むのかと少年に対して怒りをぶつけていたのは最もだと思いました。命の大切さ、復讐の虚しさ、子供にとって親が与える影響の大きさなど、人間関係が希薄になり命が軽く扱われがちな現代社会の問題点を違う視点で描いているのかなと私は解釈しました。見た後は本当に疲れました。一緒に見た妻は二度と見たくない。と言っていました。
心の闇
原作を読んでおらず、暇潰し程度で観賞したのですが、開始30分程で本当にこの映画にして良かったと思いました。個人差はあると思うけど、人間なら誰もが日常では隠している心の闇をここまでさらけ出した作品は初めてだったので、不謹慎にも少しワクワクしてしまいました。もちろん現実ではそんな感情は絶対に抑えこまなければならないのですが。そして松たか子さんてこんなに凄いのかと驚きました。
今年度、何らかの賞をとる作品だと思いました。
敢えて原作を読まずに劇場に行きました。 何と言って良いのか言葉が見つかりませんが、凄く良くできた作品です。 本屋大賞をとるはずだと思いましたし、監督がとても上手なのだと思いました。 もちろん、出演者の演技も素晴らしかった。 たくさんの人に、観て、考えてほしい作品です。
悶々とするけど拍手。
原作を先に読んでいたので、各登場人物の細かなディテールは若干もの足らない感じ。でも、2時間の映画の中で、ここまで原作に近い感じで製作したところは拍手ものです。原作を知らないでみる人にとってもかなり楽しめる、久々に完成度の高い邦画だと思います。
ぶちかまされました。
話の始まり方が邦画のなかでは新しいかたちなのではととても興味を持ちました。思惟と言えば最後のシーンが気になりましたが、カメラの動き、そして話とは真逆で明るいテンポの音楽、、とても斬新です。
全然、面白くもないし、ためにもならない。
評判が良かったので、どんなものだろうと、見て来た。 なんだか、全てが自分勝手で、発展性がない。 映画の撮り方とか、映像がどうのなんて、どうでもいいけど、 それ以前に、内容が面白くない。 これを作って、何が言いたいの? 爽快感…どこにあるの?? 終わったら、劇場内、どんよりと、暗くなっちゃったよ。 なんとも、後味が悪い、嫌な映画だった。 このレビューの中に、印象って欄があるけれど、どれにも当たらない。 なんか、人間って、バカだな~って感じただけ。
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