告白(2010)のレビュー・感想・評価
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怖い。救いようが無い・・・。
「娘の愛美は、このクラスの生徒に殺されました」と言う衝撃的な台詞が印象的な、2009年度「本屋大賞」授賞作品が原作。実は、「娘の愛美は、このクラスの生徒に殺されました」のセリフが物凄く印象に残ったので、原作を読もうと思っている間に、映画化されてしまいました(苦笑)。思ったときに読まないとダメですね。 最初の衝撃のセリフの印象から、生徒の中から犯人探しをしていくストーリーと勝手に思っていたのですが、全然違いました。むしろ、名指しはしないものの、少年A/少年Bを知っている人物=クラスメイトであれば、それぞれが容易に特定される形で告発し、しかも、復讐を宣言して去っていくと言う余計に怖いストーリーでした。 内容が内容なので、R15指定になっています。と言う事は多数劇場に見えた生徒たちは、高校生?と言うことですかね。しかも、男子は全くおらず、女子ばっかり。う~ん、女子に刺さりそうな内容といえば、言えるかもしれませんね。 この話の映画化の話が出たときに主人公を演じる人物として最初に監督の頭に浮かんだのが松たか子だそうです。コメディアンヌのイメージもある彼女ですが、松たか子は主人公森口悠子を全く違和感なしに演じています。って言うか、上手くて怖すぎる・・・。 もう一人の女優、木村佳乃。松たか子と1歳しか歳は違わないはずなのですが、一方は娘が児童の担任教師、もう一方は中学生の息子を持つ母親となっています。それが違和感無いんですが・・・。必要以上に過保護な母親像を見事に演じきっています。 そうですか。岡田将生が教師役ですか・・・(苦笑)。でも、KYな(死語?)熱血教師役は上手く演じていますね。 それにしても、怖い、怖すぎます。映像全体も、作品のイメージを考慮して、少し霞んだような、暗いような色使いがされています。それにしてもなぁ、少しでも救われるところがあれば明るい気持ちになれるんですが、これでは救いようが・・・無いです。デートには勧めません。
頭を後ろから思いっきり殴られたので、振り向いてみると、松たか子さんが笑っていて、怒るに怒れない、もしかしたらうれしいかも?みたいな映画。
中島監督の作品は「下妻物語」「嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」は見ましたが、あんまり好きではなく、見ない予定でした。 でも、でも特に見たい映画ないし、料金も1000円の日だったので、どんなもんなのか?と思って見てみました。 見てみたけど、やっぱり予想どおりかな? 正直に感想を書かしてもらうと、いつもそうだけど、名作なのか駄作なのか微妙です。 名作っぽい駄作かな? 「下妻物語」は名作と思うけど、この映画を入れた後の三本は、映画というよりコマーシャルです。 衝撃的なストーリー(フレーズ)と、見たことないような衝撃的な映像、映画(商品)はすばらしい名作風に見せているけど、実は中身なにもなし、(コマーシャル自体が商品なので、実体はない。)目的はイメージを作り、売ること・・・。 やたら衝撃を受けるし、なんとなく名作風なんだけど、何が言いたいのかまったくわからない。 何か面白かったのか?と考えると思い当たらないし、命の大切さということを言いたいのか?と思うとそうでもないし、いじめや復讐はやってはダメということなのか?とも思えない。 まさか現代の「中学生日記」というわけでもないでしょう? なんで殴られてるのかよくわからないけど、何か理由があるんだろうし、映像がきれいだからまあいいか?みたいな、もしかしたらうれしいかも?みたいな印象の映画でした。
作品の世界観をうまく描写した作品
最近見返しました。 今まで映像化された湊かなえ作品の中で一番作品の世界観を表せている作品だと思います。 登場人物のセリフだけで構成されている淡々として、でも緊張感のある空気を映画でも読み取れました。 人一人の命がどれだけ重いことなのか、残忍さはありますがしっかりと伝わってきます。
映画の中に“暗”を描いて、魅せてくれる
おそらく、現時点での中島哲也監督作品の最高傑作だと思う。(異論のある人も当然いるだろうが) これまでのカラフルでポップな作風は封印し、無機質で陰湿でシリアスな作風。 しかし、独特の演出や編集は健在で、この衝撃的な物語(学級崩壊、イジメ、家庭崩壊、モンスターペアレンツ、少年犯罪、復讐…)を一気にグイグイと見せる。 それにしても、この作品がここまで大ヒットするとは! ある程度話題にはなると思っていたが、ここまでの大ヒットは予想出来なかった。 観客は“明”な映画だけではなく、“暗”な映画も求めているのだろうか? 映画の中に現実逃避だけでなく、それとは真逆の何かを求めているのだろうか? でなければここまでヒットしなかったろうし、「冷たい熱帯魚」みたいな映画もヒットしなかったろう。(ただ、3・11後の現在では分からないが) ほとんど無表情の松たか子は申し分なく、中学生たちも素晴らしいを通り越して、怖ろしい。 中島監督の次回作は「進撃の巨人」。 またこれまでとは違う題材だが、果たしてどう化けるだろう?
テレビで可
中島哲也監督 最新作品 原作を読んでこの題材をどう中島監督がポップにコミカルに映像化するのかたのしみにしていた 期待しすぎていたのかもしれない 誰もが心の中で思っている 誰かに愛されたい 必要にされたいと ただそれだけのことなのになんでうまくいかないんだろう 歪んだ愛 孤独 憎しみ 優越感 劣等感 狂いだした歯車は誰にも止めることはできない ナイフより銃よりなによりも怖いのは人の心だと思った たぶんもう見ることはないと思う テレビで可
ストーリーだけのツマラナイ原作を、ブラックな極上のエンターテイメントに仕上げた
もともと『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』と映像表現に優れた作品を、制作し続けている中島哲也監督だが、主戦場を本屋大賞を取った話題性の高い原作を相手にしても、その才能はいかんなく発揮された。 ストーリーだけのツマラナイ原作を、ブラックな極上のエンターテイメントに仕上げた。 中島監督は、主演に松たか子をと熱望したらしいが、松たか子は、その期待に見事に応えている。 僕が、一番、戸惑わせているのは、松たか子が、ファミレスからの帰りの号泣の意味だ。 果たして、良心からなのか、どうか。
映像より文字で楽しむもの
まず映画としてのクオリティーは凄かったと思います。 最初に映画化と聞いた時はどう再現するんだろうと思ってましたが、 あの原作をここまで映像で表現できたのは素晴らしいし、最後の巻き戻しのCGなんかは監督らしさも出ていてとても良かったです。 多分原作を知らずに映画を見ていたらストーリーの面からももっと評価が高かったと思います。 ただ話が話ですので、原作を読んで想像してた画を実際に見ると気持ちが悪くなってしまいました。
期待し過ぎて観たかも。
前評判が高すぎたのか、私が勝手に期待し過ぎていたのか・・・。
松たか子の、人間味を感じない、感情が出ない演技は素晴らしいと思った。
精神的に生徒を追い詰めるところも、現実にあると恐いなぁーなんて思いながら観ていましたが。
展開が、意外に強引。
1.
私なら、いくら娘を殺した犯人とはいえ、クラスメイトにエイズに感染した血を入れた牛乳を飲ませた教師を、擁護することは出来ない。
一歩間違えれば、自分が飲む可能性だってあったんだし。
そう思うと、犯人も憎いが、先生も憎い。どちらの味方をするわけでもなく、たかが中学生が、ましてや親にも言わず、元々団結力の無いクラスメイトだけの秘密事にしておこうとも思えない。
そのことがきっかけで、犯人をいじめるという「繋がり」で、団結したクラスメイトだったけれど、中学生1年、2年という設定にしては、生徒達の精神年齢が少し高かった。
2.
「直接手を下さず。」とレビューに書いている人が多いのが、疑問。
先生は、かなり直接的な方法で手を下しているよね。
エイズに感染した血液を飲ませる、感染は少ないとは言え、感染の可能性は0%とは言い切れない。
そもそもこの行動のメインは、精神的苦痛を与える為。悪意満々で、直接自分の手で血液を混入し、精神的に追い込むことにも成功。
完全に、先生が手を下してるやんw。
教壇の下の爆弾を、生徒Aのお母さんの机の下に移動。
爆発物って知ってて、何が起爆装置か知ってて、何時に起爆されるのか知ってて、何の罪も無い母親、つまり自分の娘と同じ立場の人間の元に運んだ。
完全に、先生の手で母親殺してるやんw。
淡々と目には目を、と見せつけるそのストーリーは、コワイものがあるけれど、なーんとなく詰めが甘いというか、、、
知的で冷酷な先生像をもっと生かして、完璧に回りくどい方法で生徒を苦しめる表現は無かったものか。。。と残念。
この本、面白かったよね
原作が面白すぎたので、正直映画は期待してなった。
珍しく原作と同じぐらい面白い映画になっていた。
とてもテンポ良く、原作のイメージそのままの作品。
邦画では2010年でNo.1
衝撃のラストもとても良く出来ていて満足。
ダークファンタジーの傑作
劇場で2回鑑賞。Blu-rayで数えきれないほど鑑賞。今さらのレビューです。 結論から言うと現代日本映画の傑作と呼ぶに相応しい作品。 もともと中島監督の作品は、ごちゃごちゃした感じと派手な音楽、役者のオーバーな演技が重なり、お腹いっぱいになる作品が多かったが、今作は色味を抑え、多用されるスローモーションの映像が心地よいし効果的。一見今までの作品からの引き算を感じさせるようで、実は計算されつくした、そんな作品。 原作は未見ですが、昨今、原作潰しの作品が多いなかで、原作者も満足な作品に仕上がっていると感じさせられます。 作品にビシッとはまる音楽と交差するナレーション、役者の素晴らしい演技、効果的で違和感の無いCG、一切無駄のない編集と美しい映像。 本当に素晴らしい作品です。当分これを超える日本映画は出ないかも。 個人的には、爆破シーンが好きです。質の良いPVを観ているようです。 まだまだ良いところが沢山ある作品で、とても語り尽くせません。 こんなのありえない話だという方もいるとは思いますが、この作品はあくまで、ダークファンタジー。 リアルさを求める方にはオススメできませんが、そもそも現実世界のリアルな出来事、会話を映画にしても面白いとは思えません。
・・な~んてね。
映画「告白」(中島哲也監督)から。
2009年本屋大賞を受賞した湊かなえのミステリー小説だけど、
まだ読んでいない。(笑)
主演の松たか子さんが大好きなのに、映画館で見逃したので、
DVDを楽しみにしていた作品の1つ。
作品の中で、なぜか何度も出てくる「・・な~んてね。」が
気になって仕方がなかった。
以前流行った「・・なんちゃって」と同じ匂いはするが、
ミステリーなので、その使い方に、疑問が残ったままである。
最後の最後になっても、
「ここから、あなたの人生の第一歩が始まるんです」に続いて
「・・な~んてね。」。
なくても全然おかしくない場面で使われるので、
余計に気になって仕方がなかった。
原作の「告白」は、どうなってるのだろう。
その使い方が解説されているだろうか。
さっそく図書館で借りて、調べてみようっと。
「大切なものが消えちゃう音」
これもキーワードだから、原作を読まなくちゃなぁ。
こわ~い
予告編での松たか子の「このクラスの中に私の娘を殺した犯人がいます」というセリフから背筋が凍る思いがしたけれど、 実際、観てみて、心の底から戦慄が走るのを感じた。 自分の娘を殺されたことによって、人はあそこまで残酷になれるのか。 一片の人間味も感じさせない残虐性。 ただし、自分では一切手は下さない。 かえってそれがおそろしい。 また、全編を通じての松たか子の冷静なしゃべり方が一層恐怖を助長する。 お食事前の鑑賞は、おすすめしません。www
後世に語られるべき嗚咽
いやはやスゴイ映画であるよ。 久しぶりの傑作です。 お金を払ってでも観たい作品とはこの作品のようなことでした。 僕は原作未読です。 未読ゆえの衝撃というか、映像としての見事さ、そして俳優陣の演技のすばらしさに感銘を受けました。 邦画でもこんな作品が作れるんですね・・・。 まず、冒頭からぐいぐい引き込まれる。 崩壊学級の中になぜこれほどまでに冷静な口調の教師がいるのか。 この後語られる衝撃の告白。 そしてさまざまな視点で語られるストーリー。 ラストまで飽きさせることのない見事な展開。 そして、この作品のもっともすごいのは主演の松たか子さん。 いや、ただもうびっくり。 ファミレスでのシーン。 見事。 完全にダークサイドに落ちた人物かと思いきやいっぺんの人間味が残っていた。しかし、店を出てからの嗚咽。 あんな嗚咽は今まで見たことのない素晴らしい演技だった。 壮絶そのもの。 最後に残った人間味を捨て去るその瞬間。 うむ、「愛」を語るにふさわしい名シーンです。 ここ最近見た作品の中では上位ランク必至の作品でした。
松さんごめんなさい。
淡々と犯人たちを追い詰めていく松たか子。その演技もゾクゾクさせられたが、しかし、この映画はB組の生徒たちと
「北原美月」「下村直樹」「渡辺修哉」
リアルな今の子供たち役を見事に演じきったこの三人。アカデミー賞でいったら、主演男優賞,主演女優賞級です。(あくまでも私の見解です)
この子達の根底にあるものは、「孤独」ガンガン伝わってきました。邦画での久々のアタリでした。映画館で見たかった…
あとは、使った音楽が全部良かった。素晴らしい映画です。
松たか子も良かったけど、最後泣く演出は、いらなかったように思えます。途中、人の心を失った復讐の鬼が最後の一瞬、人にもどってしまったみたいだったから。この三人が良過ぎましたね。
原作に忠実で満足
もともと暗い話はあまり好きではないのですが、話題だった原作を読み、素晴らしかったので、これが映画になったら、原作の空気をどう表現するのか気になり、見てみました。 監督らしくない作品でしたが、微妙な空気感がみごとに表現されていて、最後まで目が釘付けでした。 人間の狂気が「きれいに」描かれており、反面的に命の重さを考えさせられます。
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