劇場公開日 2010年2月27日

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「パク・チャヌクがヴァンパイアを描くとこうなる。」渇き いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5パク・チャヌクがヴァンパイアを描くとこうなる。

2010年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

悲しい

興奮



 これは傑作!!と言えないところが、
 万人には薦められないところがパク・チャヌク作品でありましょうか。

 グロいし、エロいし、ソン・ガンホは出しちゃってて、
 当然のようにR指定ですしね。

 でも、僕には傑作。

 ヴァンパイア作品は色々とこれまでにも作られてきた。
 ヴァンパイアで普通に想像するとホラーやファンタジーとか、
 恋に恋する乙女のラブストーリーとか。

 もちろん、ホラー的な要素もある。でも、笑わせる。色々と笑わせる。
 もちろん、ラブストーリーでもある。でも、スイーツではない。

 だって、自らを律する神父がヴァンパイア。
 だって、ヒロインは夫に姑に不満が溜まりまくりの人妻。

 その抑圧された生活を続けようと努力する神父を演じるために
 しっかりと役作りしたソン・ガンホも流石だと思うが、
 半分死んでたような人妻が解き放たれ変貌して行く様を演じる
 キム・オクビンも素晴らしい。

 最初のセックスシーンのヘンテコさや、
 血を求めるヴァンパイアを現実的に描く滑稽さや、
 何度か登場するマージャンのシーンでの語らないで語らせる面白さ。

 ここで終わってもいいかなと、蛇足になるんじゃないかと思ったら、
 ここまで描いてこそだなと思わせるパク・チャヌクの
 一筋縄ではいかない愛の描き方に、あんたスゲェよと。

 上映後に後ろの席のおば様たちの困惑気味の感想が聞こえてきましたので、
 やっぱり万人にはお薦め出来ないのかと思いましたが、
 僕は最高に面白かった。

いきいき