「切ないまでに愛しい人間の性」渇き ☆くっきーさんの映画レビュー(感想・評価)
切ないまでに愛しい人間の性
意表をつくキャスティング。
ソン・ガンホから、神父も吸血鬼も想像できなかった。
しかしスクリーンに登場したのは、まぎれもなく神父。
感情を押し殺した表情が見事。
吸血鬼になってからも見せるこの表情が、
今までのバンパイア映画とは全く異なった雰囲気を深めている。
エロティックなバンパイア映画という宣伝はしないで欲しい。
人間の業や性と表現される部分を
切ないまでに愛情深く描かれている。
ユーモアいっぱいで笑いを誘いながら
身近ではないはずのバンパイアに感情移入させ
エンディングのギリギリまで笑わせておいて
一気に尊厳ある終焉。
荒唐無稽と思われがちな内容が、切ない愛の物語に完成されている。
キム・オクビンは、この映画の中で、どんどん輝きを増し
本当に可愛らしいあどけない笑顔を振りまく。
そこがまた、女は恐ろしいと思わせる一因です。
今後の活躍がとても期待される注目の女優です。
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