「エログロヴァンパイア」渇き クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
エログロヴァンパイア
パクチャヌク監督のヴァンパイア映画。エログロさは健在。
そしてやはり不幸な話。この監督はホント根性悪い。
韓国映画で気になるのは、キリスト教が結構出てくる事。
この主役も神父。お馴染みソンガンホ。
その職務のやり切れなさから輸血実験を受けるのだが、
直後の神父は割と幸せになる。しかしそこから不幸に落ちていく。
この監督の宗教観がこの神父に投影されているのかな。
「自分を信じろ」的な概念が見え隠れする。
そこでじゃあヴァンパイアは、何をしたらいいのか。
ヴァンパイアが生きて行くには人間の血が要る。でも神父である。
神父だから自殺志願者から生き血をもらえる。
しかしその血では…、という矛盾。
結局最後は責任取って締めくくった神父だが、
この結論はちょっとフツー過ぎて面白くないかな。この監督らしくない。
もっとカオスな終わり方…、あ、義母は生きてカオスを生み出すのか?
義母も多分テジュの血を啜ったから、
んーでも朝日の元にいたからなあ、どーなんだろ。
メインの話は、割と起伏は読めるし(パク監督らしい)単純さが多い。
出血が多め。吸血鬼だから仕方ない。
死体の血抜きは「チェイサー」でも出てきてたやり方なんだが、
そんなにメジャーなんだろうか。韓国ではアルアルなのか。
あとラスト前に、神父が信者を‘フツーに’襲ったのが理解できなかった。
ソンガンホは今回コメディ抜きの格好いい役。
テジュ役のキムオクビンはとてもかわいいが、裸だと魅力半減。
シンハギュン(韓国の香川真司)はダメな息子やらせたら抜群。
「高地戦」や「復讐者に~」でも、どこか難がある役だったし。
こーゆーの慣れちゃったのか、サラッと観てしまった。
多めの血に耐えられればそこそこのエンタメ映画。