ブルー・ゴールド 狙われた水の真実

劇場公開日:

ブルー・ゴールド 狙われた水の真実

解説

人々の生活に欠かせない水資源について考察するドキュメンタリー。今後の世界的人口増加に伴い、確実に不足する水資源。地球規模で水資源をビジネスに利用しようと現れたグローバル企業や、ペットボトルをめぐる問題までを多角的に検証する。ナレーションを「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェルが担当。

2008年製作/90分/アメリカ
原題または英題:Blue Gold: World Water Wars
配給:アップリンク
劇場公開日:2010年1月16日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

映画レビュー

3.0水にまつわる過去と現在と未来予想図

2010年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

今作、お水に関するドキュメンタリーです。
食シリーズドキュメンタリーのお水版と思っていただければ大丈夫。

朝1回のみの上映もあってか、
若い人から御年配のかたまで、
座席は6割ほど埋まっていました。

☆彡     ☆彡

現状→大企業の暗躍→抜け目のない政治家→立ち上がる市民たち
なんだ、この展開?『キャピタリズム』のお水版って感じにもとれるよな(苦笑)

“水は資源になる”

数年前から雑誌などで読みましたが、
実際に水に関る戦いの実話を切り取ったドキュメンタリーです。

日本にいると
空梅雨後、ダムが空っぽになって
水が足りない、と騒ぐ程度ですが、
世界には、水を得るために、国と市民が闘い、
死者を出すほどの争いをしているといった、
日本では考えられないような出来事を目の前に突きつけられます。

ただ、申し訳ないのですが、
食に関するドキュメンタリーを3作品観た
私は、この展開方法に食傷気味なところも
ございまして、正視をしつつも、どこかしら
斜めから観ている自分も、そこにいました。

◇   ◇

“水利権”

日本に関して
頭に浮かんだ言葉。

関東圏に来てからは聞きませんが
名古屋在住時代はニュースで、それを
耳にすることが、しばしばありました。

簡単に言っちゃえば
水を利用する権利です。

東海地区、
市町村によって
使える水、使えない水があったんです。

これ実際の話で、
現在も続いているのかな?

名古屋市緑区と豊明市。
行政境が隣接しているのですが、
水不足の際、豊明市は断水中の時間帯に
名古屋市緑区は、平気で水を使えていた、そんな信じられない話があったんです。

これ、水利権があるかないかの差なんです。
日本国内同士だからなにもおきませんが、
違う国同士なら戦争になってもおかしくありません。

映画内でも触れられていましたが、
近い将来、石油資源を巡って起きていた戦争が
水資源に取って代わる時代が来るのかもしれません。

☆彡     ☆彡

上映終了後、
水の大切さを扱った映画だったからか、
いつもよりもお手洗いに行く人が少なかったです。

えっ?わたし?
我慢できずに行ってしまいました(苦笑)

興味のあるかたは、劇場に足をお運び下さい。
ただペットボトルの水を持ち込むと、上映後
冷たい視線を浴びるかもしれませんので御注意くださいませ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
septaka

4.0命の水を「キャピタリズム」に巻き込んではならない

2010年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 昨年、某ビール・飲料メーカーどうしの合併が話題になったとき、どうして今、世界に対抗するほどの大きな企業にする意味があるのか、少し疑問を感じていたのだが、この作品を観たあと、その疑問の一部分の回答を見つけたような気がした。いまや水は、石油以上に有数の商品となっている現状に一石を投じているのが、この作品の主旨であり見どころだ。

 この作品では、世界の水の危機的な現状と水に群がる企業の実態を観るものに訴えかけている。それは、水に関してそれほど不自由をしていない(それでも夏になると渇水が話題になるが)日本と日本人には他人事のように感じられるかもしれない。しかし、河にコンクリートのダムを造り、水を売買するために多量に吸い上げている現状を訴えかけてるにつれて、徐々に水の問題とは今そこにある危機であることが理解されていく。特に、水の利権を巡って住民を追い込み、水道の民営化につけ込む企業の悪辣さは、怒りをおぼえるほどだ。この作品ではまさしく、水のためにこれから戦争もしかねない、企業や国のエゴイスティックな「キャピタリズム(資本主義)」を鋭く突いている。日本でも、大きな企業に豊かに湧く水が支配されるかもしれない動きが見え隠れしているからこそ、この作品が訴える一言一言は、印象に残るものばかりである。

 企業が水を支配したがるのは、温暖化によって地球から水が枯渇しかかっているから売り物になる、という危機的な側面もあるからなのだが、この作品では、企業とそれに関わる人達への取材は細かいのだが、温暖化の部分は映像が少ないように感じたのは、少し残念に思えた。もう少し、現状の自然とそこに暮らす人々との水での関わり合いを、もっと取り上げていれば、さらに訴えに力強さが増したのではないかと思う。

 それでも、この作品で描く水の危機は、ダムの問題など日本で暮らす我々にとっても深い関係があるだけに見過ごせないものだ。この作品を観られなくとも、こういう内容のドキュメンタリーが公開されたことを記憶しておくだけでも、意味はあるような気がする。
 ところで、この作品を撮った監督の話によると、水を求めて地球に降り立った宇宙人を描いた「地球に落ちてきた男」の続編の製作過程から、水の現状を訴える映画を撮ることを思いついたらしいのだが、「地球に落ちてきた男」の何年も前、ゴジラシリーズの「怪獣大戦争」で、すでに、地球の水を求めてキングギドラを送り込むX星人をとりあげている。水に関しては、日本のSF映画が先鞭をつけていることを、ぜひこの作品の監督に教えてあげてほしいと思う。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
こもねこ

他のユーザーは「ブルー・ゴールド 狙われた水の真実」以外にこんな作品をCheck-inしています。