君が踊る、夏のレビュー・感想・評価
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脚本が粗い。でも、映像に癒される。
高知の空・風・山・川に包まれる。
滞在型の旅行気分を満喫させてくれる1本。
溝端氏のPVかと思うほど、その繊細な表情を丁寧にたっぷりと撮って見せてくれる。何気ない表情が、若い頃の真田広之氏に似ている。勿論、演技としての表情。新平の傷つきやすい繊細さと、一途さを堪能させてくれる。
そして自然。畑仕事現場とその向こうに見える山間。CG合成したかと疑ってしまうほどの、高知での新平の部屋から見える風景。橋。川・山の構図。風が渡っていくのが見えるような錯覚。この絵を見るだけで、「東京に行かないと写真家になれない」という設定そのものが破城してしまう美しさ(技術は学ばないといけないけれどね)。
そして、よさこいの迫力。特に、旗が登場するシーン。旗振りがクローズアップされるシーン。かっこいい。
お化粧したさくらの踊っている顔にも見とれる。
それらに癒されまくる。
実話闘病を基にした映画。宣伝でもそこを売っている。
確かに、実話ベースの話。エンディングには、ご本人らしい少女が躍っている映像もちらっと流れる。ドキュメンタリーもあるそうな(未鑑賞)。
でも、主軸は、それを絡めたフィクション。若者たちの成長物語。
少女の名前・家族構成からしてフィクションらしい。へたに、ご本人と家族を、感情ポルノ的にいじくりまわさなかった判断に、喝采を送りたい。
若者たちの爽やかな話になるはずなのに、脚本が粗すぎる。
主要三人の恋のさや当て。親友の恋人を口説く男?司がただのナンパ男にしか見えない。もっと細かい機微を表現してくれないと…。そして誤解する男…。10代~20代前半ならば、こんなものなのだろうか?携帯はあるけれど、SNSは今のように盛んではない頃(だっけ?)。ここがとってつけたようで嘘くさくて…。一番の主要な関係性なのに。もっとちゃんと書いてくれたら。
「はたのおにいちゃん」が誰だか、姉が判らないのもなあ。
さくらとの安易な約束も、高校生ならありえるのか?本番だけ東京から帰ってくればなんとかなるのか?高校卒後に東京に行くと決めたのは、さくらとの約束の後?
本田氏の演技はさすがと思うものの、父としてのあの行動はありえるのか?事務所の都合で全編通して出演できなかった?お遍路を出したいための脚本?
有名写真家との絡みも実がない。ここも雑なので、後半の新平の葛藤がうすっぺらい。世間を知らない子どもには水戸黄門の印籠みたいに重要なことなんだろうが、経験値を積んだ大人には、東京とブランドをありがたがっているテレビ局の発想だなと、鼻で笑いたくなる。技術を学ぶには東京の方がいい。また、マスコミにちやほやされるためなら東京でないとだめだ。バックアップもあった方がいい。でも、大正時代の昔から、芸術家たちは、都会の喧騒逃れて、郊外・地方にアトリエを構える人が多かった。無冠の芸術家もたくさんいる。要は何を撮りたいか、だ。高木が言うように「テーマ・ストーリー」だ。一休さんと同じ。煌びやかな袈裟がお経をあげてくれるわけではない。〇〇が写真を撮ってくれるわけではない。若い頃の栄光につぶされる人だって多い。溝端氏と藤原氏がいい演技しているだけに、勿体ない。ただの憧れじゃなくて、高木と同じ経験しなければプロになれないと、新平が思い込むようなエピソードがあったら説得力あるのに。
そして音楽。
東方神起の歌が流れるだけで、一気に映画が韓流になる。「ほら、二人の純愛に泣け~」とばかりに。
音楽の力は偉大だ。
それでも、若者を叱咤し、励まし、見守る大人がいい。
脚本の粗さは随所に目立つが、こんな風に演じるとこんな風に含蓄のあるものになるのか。笑いどころも自然。吹き出しながらもほっこり来る。
若者は若者らしく、己の人生かけてドタバタしているが、しょせんは、親世代の手の平で転がっているようなもの。そんな安心感を醸し出してくれる。
高島さん、宮崎さんのタイプは違うが、根は同じお母さんが素晴らしい。特に、高島さんの老舗旅館の女将として所作に見とれてしまう。他のレビューに『極妻』を持ち出していらっしゃる方がいるが、ピリピリ感が違う。
隆氏演じる父は乱暴な言葉使いでむかつく。でも新平の中途半端さと組み合わせると、生き方指南。獅子は子を谷に落とすのような、愛情があふれるふっとした表情・間を見逃してはいけない。
高嶋氏の医者も、医者としての距離感を保ちつつも、さくらを案じ応援している、ちょっと肩の力が抜けたところがいい。
藤原氏の、写真を見ている顔。どんな写真かは解らないが、写真そのものが映らなくても、その顔を見ているだけで、だたのポートレートか、”作品”かを、想像できる。もっと新平との絡みがあったらよかったのに。
他にも、ワンショットで、田中要次氏、柳沢氏、石橋蓮司氏達が登場する。
役者がいい味出して、映像が見事なのだから、もっと素晴らしい映画になったはずなのに、さくらちゃん関連以外のところが嘘っぽくて薄っぺらい。勿体ない。
とはいえこれで、さくらちゃんを主に据えたら、さくらちゃんに失礼なことになっていただろう。それだけが救い。
≪雑記≫
よさこいって、日本のカーニバルに思えてきた。
謝肉祭で催される、リオ等のカーニバル。チームを組んで、サンバのリズムで踊りまくってパレードする。カーニバルの時期は2月だけれど現地は真夏!
チームで1年かけて練習して本番パレードしてコンテスト。
真夏の暑い時期の風物というのも同じ。
やや無理はあるけど・・
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主人公と恋人は共に東京に出る予定だったが、突然彼女が取りやめる。
そして主人公は一人で東京に行きカメラマンになった。
5年後、母の病気で高知に戻った主人公は彼女と再会する。
そして実は5年前、彼女の幼い妹がガンになったために残ったのだと知る。
言うと主人公が同情して東京行きを辞めそうなためあえて伏せたのだとか。
妹は比較的元気で生存しており、よさこいを踊りたがっていた。
彼女は5年前の伝説のチームの再結成に向けて動き、主人公もそれを手伝う。
やがてみんな集まるが、主人公の写真が東京で賞を取り、急遽帰京。
しかし賞を取った写真のモデルは5年前に撮った彼女だった。
主人公は賞を棄権し、すぐに高知に戻りよさこいに参加した。
そして夢を諦め、彼女と共に高知で生きて行くことにした。
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実話ベースの話みたい。
ベタな展開ではあるんやが、結構おもしろかった。
でも東京で写真の賞を撮ったクダリは多分創作でしょう。
授賞式に出ないと棄権と見なされる、なんてそんなアホな(場)
しかもこれからって時に、夢であるカメラマンを諦めるなんて(場)
ヒロインが素朴で可愛かった。
ってか、おれは九州や中・四国の方言に弱い。
映画は良かった、主題歌が×
映像美、演出、脚本、役者どれも良かったです
また、木南のセリフに心打たれました
ひとつは河原で、溝端が上京するとき、木南が地元に残った理由を打ち明ける場面
もうひとつは、
問題は曲です
製作委員会に、木下工務店(現:木下グループ)の記載がある映画には、
在日朝鮮人(帰化、ハーフ含む)の役者が一人以上出演します
今回はそれに加え、劇中で東方神起の曲が流れます
溝端が東京に帰るためにバスに乗るシーンとエンディングです
最初はEXILE系の曲かと思ってたのですが、後で調べたら東方神起でした
この曲が映画を台無ししています
映画のイメージとそぐわず話の流れをぶち壊しています、歌い方や歌声が大きすぎて耳障りです
流すならメロディだけで良かったのでは?
これは製作委員会に木下工務店がかかわっている映画:孤高のメスにおいても同じです
出術室で都はるみの音楽を流し、彼女は日本の宝だ発言するシーンには興醒めしました
コメディ的な要素にして誤魔化していますが、物語に必要なシーンではないです
木下工務店から資金提供を受け、口出しや要望があるのはわかります
そのため、映画に支障がない範囲でぶっこもうとしているのでしょうが、
逆にそれが映画の質を落とす原因になっています
東方神起の曲とは別に、劇中に流されるMOKUという人の曲は、
高知を舞台に、祭りを題材にしたこの映画にとても合っており、心地良かったです
それだけに、ミスマッチの東方神起の曲を流したのは、残念でなりません
そのため★-0.5にしました
映画「君が踊る、夏」自体は素晴らしかったです
☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから よさこいの地元高知の美しい原風...
☆☆☆★★
※ 鑑賞直後のメモから
よさこいの地元高知の美しい原風景が魅力的な、良質青春恋愛映画。
決して少女難病物とは言えないところがある。無理に泣かせに行かないのが好ましい。
地元の人から見たら、地域的におかしい部分があるかも知れない。
一度で良いから、実際に自分の目でよさこいを見に行ってみたい。
最近とみに、宮崎美子の藤田弓子化と同時に。本田博太郎のゾンビ変身化が進んでいる気が…。
2010年9月13日 TOHOシネマズ西新井/スクリーン1
日本文化を感じさせる「色褪せぬ名作」!
この映画を見るのはこれで4回目で、初めてレビューを書きます。もうこのレビューを見る人もほとんどいないと思いますが、書かせて頂きます。この映画は日本の伝統芸能「よさこい」をテーマとした映画です。小児がんと闘う女の子の話を元にしています。この映画の最大の見所は主に最後で見られるよさこい。他の国では表せないこれぞ日本だと、若者が踊るよさこいはこんなにも逞しく、かっこいいのだと、感じさせてくれます。加えて舞台高知県の美しい自然や、東方神起が歌う主題歌「With All My Heart〜君が踊る、夏〜」の良さが作品をより引き立たせています。若かりし頃の溝端淳平演じる主人公達の青春ドラマもあり、見所は満載だと思います。確かに演技の上手い下手はあると思いますが、それよりも若者の必死さ、「いまこの一瞬を懸命に生きる」というテーマが伝わってきます。2010年公開の映画ですが、色褪せぬ、いつ見ても感動する映画です。
真夏の、笑顔
香月秀之監督が、「赤い糸」などの作品で知られる溝端淳平、木南晴香を主演に迎えて描く、青春映画。
海外ブランド店舗も、人気アミューズメント施設も無い地方都市に嫌気が差し、東京に飛び出す若者。夢に向かって突き進みながらも壁にぶつかり、道を見失い、途方に暮れながら若者は地元へと帰り、居場所を見つける。青春映画にあって、決して奇抜な設定とはいえない。むしろ、使い古されたテーマといっても良いだろう。
それなのに、本作を観賞後に胸一杯に溢れ出す爽快感はなんだろう。誰にでもある青春の悩みから生まれる焦りに、共感する部分が大きいのもあるだろう。しかし、それ以上に本作に感じる満足度を生んでいるのは、舞台となった高知県のもつ大らかさと、力強さ。そして、魅力的なキャストの味わいだろう。
ご当地映画のあり方を堅実に踏襲している本作。四万十川、城、地元の誇りである「よさこい踊り」と、徹底した地元の魅力披露を余す事無く繰り出している。そして、その全てが「私、すんごい、すんごい魅力やき」と、強烈な存在感をもって画面にせり出してくる。
もう、主役である溝端、木南を差し置いて見ておくれと言わんばかりの大迫力。まさに、高知県の魅力をいかに映せば最大限に観客の心を惹けるか理解した上の撮影だろう。観客は素直に、ほんわかとした安らぎを持って風景の力に引き込まれる。
そして、主演二人を始めとしたキャスト陣の配置。五十嵐の若干どすの利いた田舎男の味わい溢れる男臭さ、宮崎、高島の力強い高知娘の大らかさ。地元エキストラに引けをとらない「地元民」振りがすこぶる新鮮で、温かい。ひねりの少ないシンプルな物語をしっかりと刺激し、動かしていく意欲に満ち溢れ、風景の壮大さに負けていない。
よさこい祭りを軸に、毎日を一生懸命、真っ直ぐに生きる人間の格好良さ、清々しさを丁寧に、柔らかく描いた力作だ。登場する人物が、皆そろって笑顔、笑顔。何かと面倒で、腹立たしい事も多い日常にあって、このような幸せ印の気持ち良い映画だってきっと、あっていい。私は、そう思う。
自分にとって大切なのは。
チラシやポスター等で、初めてこのタイトルを見た時、
ん?と思った。別におかしなタイトルではないのだが^^;
映画のタイトルというより、違うもののタイトルのような
感じがしたのだ。で、後半「あ~なるほど」となった時、
作品につけるタイトルの種類ってやはりあるんだな、と
それでどう鑑賞者に訴えるかって部分もあるんだな、と
妙に納得してしまった次第^^;…明らかに余談ですが。
で、肝心の内容は、、
話題の高知県を舞台によさこいと恋愛と難病を見事に
ミックスさせた青春映画?といったところ。
本編の前に実在の少女を基にした物語だということが
流されるが、その少女が主人公という風でもなく^^;
古典的な内容に古臭いプラトニックな台詞、必ずしも
巧い!とは言い切れない踊り方…など、突っ込み所は
満載なのだが、これがまた意外に爽やかで好感触!!
(おそらく観る年代にもよるとは思うのだけれど^^;)
昨今の殺伐or過激化した映像世界に辟易した身には
なんとも爽やかな心持ちになれる良作だった。
主人公は田舎を出て、都会でカメラマンを夢見る青年。
学生時代に恋人や友達と踊ったよさこい祭りの想い出
をカメラに収めて一緒に上京するはずだった恋人と別れ、
(その恋人の幼い妹が難病に侵されているとは知らず)
たまたま母の病で帰省した折に全てを知ることになる。
互いに想いを残し、誤解が元で親友とも素直になれない
主人公のもとへ、難病の妹がよさこいを踊りたいという
願いを叶えるべく、もう一度チームを再結成させたいと
彼女が切り出すのだが…。
青春映画につき物の、キュンキュン♪する場面はあるが、
とにかくこの二人の恋愛を見ていると、ある意味イライラ
する。なぜ彼女は彼に本当のことを言わないのだろうか。
好きだからこそ言わない(言えない)という我慢強さが、
却って苦しくなるほど相手のことを思い遣る意思の強さに
後半はグイグイと引っ張られる感じがした。私だったら、
あんな時どうしただろう…。彼の夢を遮ることができたか。
彼にしてみれば、彼女がいてこその夢であったのかも
しれない。。まぁそれは、あとで気付くことになるけれど。
とりあえず若い頃は、そこですぐ結論を出すのではなくて、
何でもやってみる方に賭けるべきだと私も思う。
やらずにグチャグチャ後悔するくらいなら、やって自分の
才能のなさに泣いた方が潔い(あ~自分で言ってて辛い)
ラストの選択は、まぁ…ドラマ的だとしても^^;
このタイトルが意味を成す、あのシーンにはグッときた。
なにが自分にとって一番大切なものだったかは、だから、
いろんなことを経験したずっとあとで分かってくるのだ。
自身にとって当り前の風景や物が、他人に感動を与える
のにはワケがある。作り手の愛情が伝わるのは、案外
何の計算もない素顔に愛着を持っているからなのかも…?
(キレイに撮ってね。なんて言うとレンズを外されるかしら)
この瞬間を、この想いを、ただ、一生懸命に!
MRTK(腎悪性横紋筋肉腫瘍様腫瘍)という腎臓にできる腫瘍.....これまで日本では発病から5年を超えた生存率ゼロという難病......よさこい祭りで踊りたいと願った さくらちゃんの軌跡.....泣けました....。
この難病と闘う さくらちゃん.....よさこい祭りで旗のお兄ちゃんと踊るという約束を胸に、健気に頑張る姿が.....泣けます!
最後の夏になっても、いちむじん(一生懸命)で踊りたい!.....発病から4年半後の昨年の夏の物語.....実話に基づいたお話しだそうです.....今年は、元気に参加できたのかな?
ほとんどが、このさくらちゃんの姉の香織と新平とのラブストーリであるが、さくらちゃんに沢山の勇気をもらう....。
二人は、こんな素晴らしい場所である高知を捨て都会の生活に憧れていたが......。
いちむじん の元締め....高島礼子.....かっこよかった.....。
戦後、元気を取り戻そうと始まったという よさこい祭り.....よさこい祭りは後ろを振り向かない!.....前進あるのみ.....華やかな衣装と切れのある踊り.....見に行きたくなりました。
踊りがいいね~
ロケが高知県。高知って、こんなにいいところなのーっていうぐらい風景が良かった。高知県、高知市も協力している。龍馬の話も出てきて、映画というより、最後はお祭りにきている感じでよかった。「君が踊る、夏」変なタイトルだと、思ったがこのタイトルが作品の中にも出てきている。どこかな~
☆インプレッション☆
最後の夏といわれた少女の夢を叶える為に自分の夢を犠牲に出来るか麗央には判らない
多分、麗央は夢を追うと思う
何故なら少女の夢は自分が居なくても何とか叶えられそうだから
でも大人になってからの夢…この道でご飯を食べれるか食べれないかの賭けに出ることはそうそう無いと思う
しかも感性が十人十色有る芸術を武器とする仕事なら尚更
だから今回のこの映画は麗央とはかけ離れた世界なのでとても楽しめました
よさこいについてもほぼ無知だったのでしっかり知ることが出来て嬉しいです
麗央の出身が山口県なので比較的近い高知県には興味も有ったので
何より日本特有の芸術が好きなので
高知県やよさこいに興味の有る方は是非観てみて下さい
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