50歳の恋愛白書のレビュー・感想・評価
全11件を表示
何歳になってもあやふやな人生の物語
10数年ぶりに観返してみて、その間に自分も50歳になり、この映画が描いている人生の座りの悪さみたいなものが、よりしっかりした像として捉えられた気がした。レベッカ・ミラーの映画は基本的に、どのキャラクターにも倫理的なゆらぎがあって、この映画ではロビン・ライト演じる主人公と、キアヌ・リーヴス演じる35歳という設定のプータローのゆらぎが大きいのだけれど、どちらもあまり感情を爆発させたりはしない。そのふんわり感を、かつてはただふんわりとしか捉えられていなかったのだと思い知った。特に主人公は、ブレイク・ライヴリーが演じた若い頃の堕ちっぷりがわかりやすく描かれているだけに、初見のときは現代の姿をちゃんと理解できていなかった。と言っても、それが言葉にしづらいのがこの映画の長所であり、また、他人に伝えづらい弱点でもあるのだと思う。ハッキリいえるのは『50歳の恋愛白書』という邦題やラブコメという触れ込みは本作にとっては結構な邪魔であって、もっと人生そのものみたいな映画ですよコレは。そしてこれだけ人生のあやふやさを描きながら、ラストにちゃんと希望のようなものを提示してくれるレベッカ・ミラーは偉いなとも思いました。
人生白書
何を描きたかったのかがわからない・・・
夫婦仲を測るリトマス試験紙になるかも
今作は、初めて訪れる劇場にて鑑賞。
どの座席が観やすいのかわからず、
HPから手探りで予約したのですが、
いざ行ってみると、もっと観やすい席がある(泣)
また行くかどうかわかりませんが、次回はその席で観ましょう。
☆彡 ☆彡
作品タイトルどおりの年代向けかな
わたしは、この終わりかた好きだけど
登場人物たちを、ハナっから拒絶しちゃう人いるよね
私の前の回を観ていた年齢層も、
私と同じ回を観ていた年齢層も、
作品タイトル前後のお客様が多かったのですが、
作品のターゲットは、その世代になる気がしました。
これまでの人生への後悔
これからの人生への挑戦
私ですら、普段考えることがあるくらいですから、
この年代の人たちは、リタイア後も視界に入ってきますし、
ボーっとしていると、このことを想像している人は多いのではないでしょうか。
テーマは良いと思います。
シリアスになりすぎず、コミカルな描き方も良かったです。
ただ、登場人物像を受け入れられるか否かで、
今作、楽しめるか楽しめないか、二手に分かれると思います。
その理由なんですが、
薬物(麻薬)が深く関わっています。
またメンタル面に異常をきたす場面もでてきます。
ここ観ている側からすると、少々えぐいんです。
観終わった立場からすると、例えば軽度なDVなどでもよかったかな、と。
エンディングで
清らかで明るくなれるだけに、
序盤と中盤さえ、もうちょっと
筋道が整っていれば、更に良質な大人向けの作品になれた気がします(笑顔)
☆彡 ☆彡
エンドロールが流れ始めたときの
心地よさはお約束できますが、問題は
それまでイラつかずに席についていられるかどうか(苦笑)
人生に迷いを持っているかた、
普段なんかモヤモヤしていて、
スキッとしたい女性にお薦めかな。
夫婦やカップルで行ってしまうと、
下手をしたら男性が蒼ざめる結果に
なるかもしれませんので、御注意下さい。
夫婦仲に絶対の自信がある人は大丈夫です(笑顔)
本作の核心は、恋愛よりも親と子のつながりにあると思います。
本作は、タイトル通りの恋愛映画ではありませんでした。キアヌも、キアヌでなければいけない理由が見あたらないほどの脇役ぶり。それでも、本作のタイトルにしたのは、女性ファンを取り込みたい配給会社の苦肉の策だと思います。
本作の核心は、親と子のつながり。トラウマの根源にあるものは親子関係にあると思います。本作は、人気作家のハーブと幸福な結婚生活を過ごしているピッパの現在から、繰り返し少女時代にカットバックし、彼女が抱えているトラウマの経緯を同時進行で描いて行きます。
ピッパが母親から逃れるように家出してしまったのは、DVではなく、むしろお節介すぎる母親の愛の押し売りに息詰まってのものでした。このトリモチのようにネバネバと子供に干渉してくる親の愛ほど、子供にとってウザイものはありません。建前は、子供を労り、導いてあげているつもりでも、しっかりそこに親としてのエゴを見抜かれているから、子供としては、その独善的な優しさが凄く嫌なのです。
ところが親の因果が子に報いというのは、このトリモチの愛も例外ではなかったのですね。あんなに嫌っていた母親のお節介なところを、ピッパ自身が親になったとき同様のことを娘のジジにやってしまうですね。そしてジジもまた家出同然で、報道カメラマンとなり、あえて紛争地域へ取材に出かけたのです。そのため娘の消息を案じた、ピッパの心が安らぐことはありませんでした。
ビッパも娘時代は、薬にのめり込み、荒んだ生活を送っていました。ビッパと娘のジジに共通するのは、親の独善的な優しさに対する復讐心が潜在的に働いて、無意識に親を心配させる生き方に自分を追い込んでいくところです。そして、困ったことにその発端となるトラウマ自体、ふたりともほとんど忘れてしまっているところなんですね。
このように『かいじゅうたちのいるところ』と同様に、本作も親子のあり方について深く考えさせられる内容になっています。
ところで、強烈な体験をするとき、忘れていたトラウマがパンドラの匣を開け放したように反応することがあります。ビッパの場合は、信頼していた夫の浮気でした。そして事もあろうに、その相手とはビッパの親友だったのです。そして追い打ちをかけたのは夫の告白でした。浮気に走ったのは、自分を男として見なくなり、介護対象として扱われたからだと憤懣やるたかない表情で口走ったのです。
老人ホームに引っ越していらい、年老いた夫のために尽くしてきたつもりだったビッパにとって、青天霹靂の言葉だったに違いありません。
心の支えを失ったビッパは、夢遊病癖が酷くなり、やがて自傷して入院してしまいます。ここで意外なことが起こりました。行方も分からなかったジジが駆けつけてくるのです。そして母親の傷心の深さに初めて直面したジジは、初めてビッパの辛さを理解して、心から心配かけたと、涙ながらにビッパの懐に飛び込み謝罪するのです。ここが一番クグッと泣けました。
トラウマが解消していくためには、トラウマにかかわった親・兄弟などの人生を深く理解する必要があります。どうしてそんな立ち振る舞いをするのか、辛い思いをさせられた人物の、バックヤードに綴られてきた人生の轍を理解したとき、初めて深く赦せる気持ちが起こせるものではないでしょうか。
えっ、じゃあキアヌ様の出番がないじゃないのということになりますね。
キアヌが演じるクリスは、ビッパがよく買い物するコンビニの店員でした。彼も心に影があり、近所ではトラブルメーカーとして煙たがられていました。
夢遊病になったまま、店にやってきたビッパを見て、彼女の異常さに気がついたクリス。そんなクリスを意識したとき不思議な心の安らぎに気がついたのでした。
夫の裏切り、そして死去。ぼっかり空いた穴に、クリスの孤独さが忍び込んできました。ふたりの燃え上がるようなセックス描写が印象的。
これがただの恋愛映画に止まらないのは、ハッピーエンドなラストシーンすら、不安定に見えてしまうところです。
互いに心の傷と孤独を背負ったまま、15歳の年齢差も介せず、激しいセックスに身を窶すシーン。それは幸福な未来の到来よりも、一時の『渇き』を埋めるだけの刹那い関係を暗示させるものでした。
ということで、特別に50歳だからというところは全然ありませんでした(^^ゞまぁ、お相手がキアヌ様だから、なんと羨ましい!と思わせるところがツボなのでしょう。
なんともコメントのしようのない映画><
まだまだイケる~?!
“人生半分過ぎたら、やりたいことだけやろう。”←何ともポジティブなキャッチ!あれ?吾輩も人生折り返し地点に、刻一刻と近付いてるんやなあ~(哀)。
ロビン・ライト・ペン、アラン・アーキン、モニカ・ベルッチ、ジュリアン・ムーア、ウィノナ・ライダー、そしてキアヌ・リーヴスと、何とも“地味~に、豪華なキャスト”が結集いたしました(^^;。アクション・シーンのないキアヌを見るのは、久々のような気が…。そしてこの映画で描かれているのは、“いい歳をした大人の自分探し”でございます。ムチャにムチャを重ねた若き日々を過ごした女性が、『家庭を守る事が“幸福”なのだ』と考えを改め、脇目もふらずそれを実践し続け、30年近く経過して、ふとその息苦しさに気付いてしまう。そして彼女は“新しい人生=セカンドチャンス”の始まりを確信するのです。そう正に『人生、幾つからでもやり直せる!』と、この映画は思わせてくれます。ただ、それを実行できるかどうかは、人それぞれに掛かってくるんですがね。でも50歳くらいで、『後の人生、やりたいことだけやろう!』なんてことが果たして可能なんですかね?50歳って、吾輩はまだまだ“現役”だと思いますよ。吾輩の周囲を見回しても実際そうですし、確かに人生半分過ぎたってことにはなるんでしょうけど、本当に何もかも投げ捨てて、新たに突き進んでいけるのは、普通の人ならもう少し歳を重ねてからになるでしょうね。まあ金銭的に恵まれてるとかいうのであれば、話は別ですが、吾輩なんてまだまだ…(爆)。そういう意味では、本作の主人公ピッパ・リーも、恵まれていたと言えると思います。う~ん、吾輩はいつになったら、“新しい人生”を歩めるでしょうね(何?まだ歩く気かって??ホットいてください!)。まあ、死ぬまで今のままかも知れませんが…(>_<)。
ロビン・ライト・ペン、実年齢43歳→今回50歳。キアヌ・リーヴス、実年齢45歳→今回35歳(!)。このキャスティングはどうかな~?劇中ロビンは老けメイクしてても、結構キレイでしたし、何ぼ若く見えるっつっても、キアヌは少々シンドイかと(^^;。あ、アラン・アーキンの“若作りメーク”には笑えました。
この映画、これからの高齢化社会に向けて、とてもマッチした内容であると思います。即ち『人は、幾つになっても恋をする』なんかこうやって書くと、素敵ですよね。不思議と元気が出てきます。でも、同じ恋をするなら、やはり若いうちにしておきたいかな?だって肌の張りとか違いますもんね(←エロオヤジのささやかな本音(^^;)!
キャストに惹かれた映画で、観てよかったですね!
全11件を表示