プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂 : インタビュー
1989年に発売されて以来、世界的な人気を誇るアクションTVゲーム「プリンス・オブ・ペルシャ」を、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジェリー・ブラッカイマー製作&ジェイク・ギレンホール主演で実写映画化した「プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂」が5月28日より全世界同時公開となる。同作は13世紀の中東を舞台に、父王殺しの濡れ衣を着せられた王子ダスタンが、自らの潔白を証明すべく逃亡しながら、時間を数分戻すことができる“時間のダガー(短剣)”と“時間の砂”を求め、追手と死闘を繰り広げるアクション超大作。これまでのイメージを覆すアクション・ヒーロー役に挑戦したジェイク・ギレンホールがインタビューに応じた。(取材・文:渡辺麻紀)
ジェイク・ギレンホール インタビュー
「僕は“後悔”が嫌いじゃない。学ぶための最高の経験だと思っている」
ムキムキしたマッチョな身体にロングな黒髪。ジェイク・ギレンホールが「プリンス・オブ・ペルシャ」で見せるのは、そんな今までにないスタイル。ファンじゃなくてもその変身には驚かされる。
「僕が演じたプリンス・ダスタンは始終身体を動かしているキャラクターなんだ。だったら僕は、そんな身体にしなきゃいけない。そもそもこういう撮影の場合、ちゃんと身体を作らなきゃ怪我をしてしまうしね。で、6カ月かけて身体を鍛え、まるでエロール・フリンかチャールトン・ヘストンかっていうようなボディになったわけさ(笑)」
本作のオリジナルは同名の人気ゲーム。パルクール風&ジャッキー・チェン風のアクションが特徴で、もちろんそれをやっているのはジェイクである。
「僕はどの映画でも役作りには150%の力を出す。あらゆる下準備をするんだけど、この映画の場合、その準備のベースはすべてゲームにあった。だから僕は毎日毎日、3、4回オリジナルのゲームをプレイした。僕のスタントチームと一緒にプレイしてアクションを作って行ったんだ。今までこんなに真剣にゲームをやったことはないよ。まるでゲームのブートキャンプに参加したみたいだった(笑)」
その努力の甲斐あってゲーム・ファンは大満足のアクションの連続。物語はオリジナルだが、アクションはちゃんとゲームに準じている。そして、もうひとつオリジナルに準じているアイテムが、時間を巻き戻せる”時間の砂”と”時間の短剣”。ジェイク、もしそのアイテムが手に入ったら、どの時代に戻って、何をやり直したい?
「僕は“後悔”が嫌いじゃない。学ぶための最高の経験だと思っているからね。で、そんな僕がもう一度戻りたいと思うのは8歳のころ。当時の僕は、KFC(ケンタッキーフライドチキン)が販売していた“チキンリトル”という食べ物が大好きだったんだ。ふかふかのパンに挟まったチキンナゲットにマヨネーズがからまっていて、本当に美味しかった。あれをもう一度味わえるなら8歳のころに喜んで戻るよ(笑)」
ちなみに、本作のプロデューサーは、あのジェリー・ブラッカイマーである。ジェイクに白羽の矢を立てたのもブラッカイマーその人。「ドニー・ダーコ」や「ブロークバック・マウンテン」等、インディペンデント系の作品でのジェイクが好きだった人には、やはり驚きの顔合わせではある。このチョイスに“後悔”はなかったのか?
「うん、そういう人はいる。僕がこういうエンタテインメントに出演するなんて信じられないって人もね。でも、僕はこの映画の撮影をとても楽しんだ。僕の叔母が電話してきてこう言うんだ。”あなたの映画で、初めて子供たちを連れて行けるわ”ってね。姪っ子や甥っ子がこの映画を楽しんでくれれば僕は本当に嬉しい。だから、この映画に出演して”後悔”はまったくなかったよ」