インセプションのレビュー・感想・評価
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夢か現実か
※ネタバレあり
久々にインセプションを見たが、前見た記憶で残っていたのは多重の夢の世界に深く入り込んでいく設定のみ。
その設定は合っていたが、改めて見るとさすがクリストファーノーランという世界観だった。
最後のトーテムが「倒れろー」と心の中で叫んでしまったが、ノーランらしく倒れそうで倒れないところで映画は終了。
そのあと、考察ブログを読んだが、結局大事なのは自分がどこにいるかではなく自分が何をしたいかだと。
だからコブは最後トーテムを回したもののトーテムが倒れるかどうかは見ることなく子供達に会いに行ったと…
最後のメッセージがすごく心に響きました。
難しいけど面白い!
自宅PS4にて、U-NEXTで鑑賞しました。
夢に侵入し記憶を植え付ける、というスパイの活躍を描いたSF作品です。『ハッピーデスデイ2U』に作品名が出てきて、気になって見てみました。
夢の中でまた夢に入り、という感じでいくつもの夢が重なり、頭の悪い僕はよく分からなくなってしまいました。ですが話の大枠は掴め、とても面白かったです。
映像美、アクションシーンも素晴らしかったです。
最後、主人公が子供たちと出会いハッピーエンドで終わるのですが、夢の中ではずっと回り続けるコマのトーテムが、回り続けているまま映画が終了します。この後に回り終わって倒れるのかもしれないし、ずっと回り続けるのかもしれません。最後にいた世界は夢だったのか、現実だったのでしょうか?気になる終わり方でした。
SFアクション映画に哲学的スパイス
ノーラン監督の名作を今更ながら鑑賞。
話が複雑とは聞いていたものの、映画の前半殆どがシステムの説明に費やされるので、おおよそ理解はできました(多分)。ただ、常に夢の中のルールを意識しながら見なければならないので、その点では少し疲れました。
夢の中を表現する映像手法は10年以上前の映画とは思えないほど素晴らしく、一気に引き込まれます。特に第二階層のバトルシーンが好きでした。
ただ後半は、長尺の戦闘シーンが多く若干眠くなっちゃいました(すみません…)。
また、多くの方がすでに解説・考察されているようにSFアクション映画であると同時に哲学的なスパイスも入った映画でした。
「夢」と「現実」、「自我のある人物」と「影」。この映画ではどこまでいってもその境界が曖昧で、私達が生きている現実も夢なのかもしれないと思わせる。今このレビューを書いているのも「夢の中」かもしれない。
「どうやって現実(夢)だと証明するのか」というアイテムが「トーテム」でしたが、言ってしまえばそれだって曖昧です。元も子もないですが。
ラストシーンは人それぞれ解釈があると思いますが、私はコブが「自分のみたい現実を見る」という、シンプルな結論に着地したと感じました。だから彼は最後「トーテム」がどうなったか最後まで見なかったのではないでしょうか。それまで頑なに見なかった子どもたちの顔もついに見てしまいましたしね。
そして、観客である私たちも「自分の見たいラストシーン」を見てもいいのでしょう。
わたしは、「トーテム」はあの後倒れると思います。
複雑ッ!でも本筋は・・・
以前に1度テレビ放送で視聴しましたが(左上に解説が出ていた時)、再度動画配信サービスで視聴しました。
クリストファー・ノーラン監督の作品は何作か見ていますが、作りが複雑だなぁ、という印象が強いです。この作品も夢の世界に潜っていくという世界観や、夢の世界からの抜け出す方法の細かい設定が、より鑑賞を複雑にさせています。
主人公たちがインセプションするためのギミックと、主人公が夢(というか奥さん)と対峙するシーンが交互に入れ替わるため、途中でかなり分かりづらくなりますが、インセプションのギミックを無理に理解しないようにすると、割とストーリー自体はシンプルだな、と思いました。(見るのが2回目だからかもしれませんが笑)
夢の中ということで、映像も面白い世界になっています。CGも使っているのでしょうが、実写で表現されているシーンも多いので、やはり説得力が違うな、と思いました。
主人公が言う「アイデアはウイルスのように感染する」はいいセリフですね。インターネットやSNSが普及している今の時代にはより考えさせられる言葉だと、自分自身は勝手に感じていました。
最後のシーン、コマ、止まってほしいですね。
夢バージョンの「マトリックス」
字幕版で見ましたが始め日本語だったのであれ?って思いました。
夢の中の日本っていう設定から始まります。
「好きな人の夢を操って、自分の事を好きになってもらいたい」って思う気持ちがわかる人は、すんなりこの夢マインドコントロール設定がわかるんじゃないかなあって思います。
そうじゃない人は、夢のマインドコントロールで人の考え方なんて変えられないし、そんなあやふやな事に命(生ける屍になる)を賭けるなんて意味わからない…、尚且つどうやって夢に入るの?とか、夢の世界を設計するとか、そもそも夢ってプログラムと違うから元々メチャクチャな世界なんじゃないの?(不思議の国のアリスのように)とか考え始めちゃうときっと興醒めしてしまうと思います。
ストーリーはやや難解です。
現実→夢の中=第1階層
第1階層→夢の中=第2階層
第2階層→夢の中=第3階層…
となります。
夢って一瞬うたた寝するだけでも、多くの体験をしたような脳の活動があることから、階層毎で時間の経過も違います。
なので、映画を見ながら、「今、どこの階層にいて、時間の速さはどのくらいなのか」という事を考える必要があります。
アクションはかっこいいです!
私は第2階層のアクションが好みですね♫
各階層で起きる時間を計算しながら、物語が進んでいきます。
最後の方の車が水に落ちたシーンで「早くしないと溺れちゃう」と思ってハラハラしましたが、飛行機の中で目を覚まします。そういえば、飛行機でミッション開始したじゃん(笑)と思って、注意してみていた筈なのに、私の中で階層がごちゃごちゃになっていたなあと笑うしかありませんでした。
最後のシーンは駒がガタガタし始めたので現実?と言う期待を持ちつつ、「長い年月家に帰れなかった割には子ども達が小さいままじゃん」と言う疑惑も持ちつつ終わります。
もしかしたら現実と思っている世界が夢かもしれないと言う含みを持たせつつ……
私も死んだら一つ上の階層の自分が目覚めるかもと言う気持ちも…‼︎
試しはしませんが…
完璧な設定
sf映画だと設定に疑問を持ったりするけど全てがちゃんと設計されている!
トーテムがあることによって夢と現実の境目も分かって夢に階層を作るのはすごいと思った
トーテムが回り続けるか落ちるかの寸前で終わるのも視聴者の考察が深まっておもしろい!
また何回も見直したい
「夢=潜在意識」の中での犯罪という「アイディア」が面白い
本作の主人公は対象者を眠らせ、夢(=潜在意識)の中に侵入。対象者の「アイディア」を盗むことを生業としている。そんな主人公のもとにある仕事の依頼がくる。その中身はその侵入と盗みのスキルを逆手にとって「インセプション」つまり「アイディア」を対象者に植え付けることで、現実世界の対象者の行動を操るいわゆる「洗脳」を試みるというもの。
本作はそんな禁断かつ高難度のミッションをチームで遂行していくSFアクションムービーだ。
正直、一回見ただけでは理解できなかったが、「発想」がとにかく面白い。
夢の中の世界は潜在意識を表しており、その世界では自分が想像した世界を自由に設計・創造できる。(おそらく訓練次第なのだろうが・・・)
また、「専用の装置」を使うことで夢の世界を他者と共有することができ、本作の主人公はその装置を使って他人の潜在意識の中へ侵入し、「盗み」を繰り返している犯罪者の設定。
また、夢の共有者が複数いる場合、夢の中の世界で睡眠状態に入ることで、また別の人間の夢の世界に入り込むことができ、その分体感時間=夢の世界にいる時間も伸ばすことができる。
つまり現実世界での5分のうたた寝が夢の中の世界では1時間くらいに、夢の中で見た夢の世界では1日というように、夢のまた夢へと深く「潜って」いけばいくほど認識できる空間は多層的となり、時間はどんどん間延びしていくといった感じだ。(この説明であっているか自信はないが・・・)
今回の「インプレッション」(アイディアの植え付け)というミッションでは、
チームを組むことが肝となる。まずは、対象者に夢の世界だと悟られないようにまた見つからないように夢の世界という仮想空間を設計する優秀な「設計師」、そして夢の中の対象者を欺く「偽装師」、そして睡眠の深さを操る「調合師」。
もともと二人でバディを組んで仕事をしていた主人公たちにこのスペシャリスト3名と仕事の依頼主を加えた全6名で対象者の夢に入り込みミッションを遂行していく。
併せて、主人公コブの欲望や葛藤、犯してしまった最も大きな罪とその罪悪感の克服も本作のもう一つの主題となっている。
本作は夢や人間の潜在意識つまり欲望についても考えさせられる作品だ。
起きたらまだ夢の中でまたさらに起きてやっと現実世界に戻り、朝を迎える。
こういう経験をしたことがある人は多いのではないか?
また、見ていた夢についてあれは何だったんだろうと考え込んでしまったり、
フロイトよろしく自分なりに夢診断による精神分析を試みたり・・・
また、今この認識したりしている世界は「胡蝶の夢」や「水槽の中の脳」のように現実世界ではなくまだ夢の世界なんじゃないのかと想像してみたり・・・
個人的には人間の不可思議と本能について考えさせる感慨深い作品だと感じ、とても楽しめた。
ノーラン作品ではやっぱりこれが一番面白い!
アマプラで2回目視聴。ノーラン作品は世間的にはCGを使わず実写に拘る映像美という部分が強めに評価されてて、インターステラーやダンケルクのほうが評価されがちだけど、個人的にはインセプションがダントツ!(テネットとあわせてツートップかも)
評価されにくい原因はストーリーの難解さ(金ローで放映されたときはわざわざ今何階層目という解説付きだったという異例の対応(笑))といわれるけど、そこが面白いんでしょ!複雑なストーリーに頭の中ぐちゃぐちゃにかき回される感じ(結局ラストの老いたサイトーは5階層目だったのか?)、1階層目ではまだコマ送りで車が落ちていくなか2階層目・3階層目でまだドタバタやっててなかなか終わらない(笑)ハラハラドキドキ感、大きく広げた風呂敷を最後に一気に畳んできれいに終わらせる爽快感、そしてそれを支えるCGを使わず実写に拘る映像美…。何回見てもエンタメとして完成度が高くて見終わったあとの満足度がすごい。
映像としても当然完成度が高く、無重量の中銃撃戦をするシーンはホントにセットをグルグル回して撮影したそうだし、電車が街の中を車を跳ね飛ばして走るシーンも実写とのこと。実写によるリアリティは当然のこととして、夢の階層が深くなるほど暗く現実離れしていく風景、雪山のシーンで白一色の画面はうら寂しい心の中に秘密を厳重に守ってる心象風景としても美しい。ストーリーと映像どっちも完成度高いのがより満足感を高めてくれる。
ラストのシーンもここのレビュー見てようやく言語化できたけど、トーテムのコマが止まるか止まらないかは重要ではなくて、メタ的に映画内の登場人物と同じことを観客に体験させてるという面白い趣向。映画が終わってスタッフクレジットの画面に切り替わった瞬間「ハッ!……フ~」となる感覚は劇中でキックされて目覚める感じと同じだし、そのことを考えると映画という装置を通して観客が同じ夢を見ていたともいえるし、そう考えると映画から覚めたこの現実はホントに現実…?実は夢の1階層目だったりしない…?となる。さらにラスト、ずっと振り向くことがなかった子どもたちが振り向くことでホントに現実に帰ってこれたんだと思わせつつトーテムのコマが止まる瞬間を見せないことで「実は夢なのでは?」というアイデアを観客に植え付けている、そして観客は一度植え付けられたアイデアから離れることができず考察をSNSに書いたりする…。ラストを見せないことで観客に判断を任せますという単純なオチでなくて、映画の枠を超えて現実を侵食するためのラストシーンというすごさ。
「人の夢に入り込んでなんやかんやする」というアイデア自体はSFでは使い古されたネタだしアイデア自体は誰でも思いつくけど、これだけ複雑なストーリーを2時間にまとめ上げて、かつ実写にこだわって映像化するのは並大抵の人間にできることではない。映画評論家がエラそうに「使い古されたネタ、色気がないからダメ」なんて意味不明な批評をしていたが、私はこの作品大好きだ(そして映画評論家はあてにならないというのを確認できた(笑))。国語の授業の影響かすぐ「作者が伝えたい思い」とかを言いたがる・映画に重要視する人がいるけど、この映画で監督が言いたいことは「俺の頭の中のアイデア、それと技術、どっちもすげぇだろ!」の一言に尽きる。機会があったら何回も繰り返し見たい映画だった。
終わり方が特に好き
設定がすごく良いし、その設定にリアリティを持たせられる映像が本当にすごい。もちろん俳優陣の演技も良い。そして一回も子供の顔を映さないことによって、最後の終わり方がハッピーエンドなのか、夢の中なのかわからない。他の場面でちょっと理論的じゃないなって思うシーンがあってもそれが夢っていうことの伏線にしかならない。でも夢の中だとの確信もない。
観客側がこの先を考えれる作品で本当に傑作だと思う。
定期的に見返しても楽しめる作品だと思う。
エレン・ペイジは男性だった
最初、エレン・ペイジが出てきたときにミスキャストではないかと思った。
映画の中の人物としても(夢の中の造形を作るのは年とったら貫禄のある人物をイメージした)、キャストの大役としても(当時の若手ならジェニファー・ローレンスあたりが敵役だったかも)、若きエレン・ペイジで良いのか?ミスキャストではないか?彼女は青春映画の主演ならわかるが、この映画でのキーポイントとなる役柄にはふさわしくないような気がしていた。だが、次第にストーリーが進んでいくうちに、それはまったくの杞憂であったことがわかってくる。また同時に、彼女に感情移入してしまっている自分がいた。そして、この映画をきっかけに彼女のファンになったのである。
ちなみに、彼女は最近自分がトランスジェンダーであることを公表して、名前をエリオット・ペイジという男性名に改名したようである(2020年)。
それはともかく、映画はストーリーそのものも、ちょっと複雑ではあるが面白いし、なんといっても夢の中の映像は驚嘆に値する。さすがノーラン監督だと思った。ノーラン監督以外にこんな映像を作れる監督はいない。もしスタンリー・キューブリックが生きていたら作れたかもしれないが(笑)。
ある記事でノーラン監督は、最も影響を受けた映画として「007」シリーズを挙げていたが、この映画の雪山での戦闘シーンは、「ユア・アイズ・オンリー」へのオーマージュかな?
夢か、現実か。
2回視聴しました。なんせノーラン監督の映画は1度の視聴で理解できない…w
感想はというと、まず映画のコンセプトがすごい。「人の潜在意識の中に入り込み、"アイデア"を植え付ける」というだけでワクワクする。ぜったいありえない設定だけど、なぜかリアリティがある。
一番印象的だったのは、妻と半世紀以上夢の中で暮らしたというエピソード。「夢から醒めたくない」という彼女に対し、「ここは夢じゃない」というアイデアを植え付ける(インセプション)。それによって、現世に戻っても「ここは夢じゃない」という考えに取り憑かれ、最終的に自殺してしまう・・・。
壮大すぎるがなぜかリアリティを感じさせる演出。また、夢か現実か?は刺さるポイント。あたかも夢の中にいるような微睡の状態で生活している者、現実に向き合い今を一生懸命生きようとする者。両者が存在していて、当然自分は後者の生き方をしたいと感じた。
構成が複雑で一回じゃ理解しきれない、けど面白い
冒頭から展開が早すぎてついていけなかった。解説を見たり調べていると、サイトーにエクストラクションを仕掛ける前の話があって、webコミックでこの物語が始まる前のコボル社、フィッシャー社、サイトー率いるプロクロス社の利害関係がどうなっているかよくわかるらしい。コミックは見当たらなかったので、解説見るだけじゃよーわからん。
結局コブはコボル社からプロクロス社に依頼主を変え、ミッションをやり遂げた。結局現実世界に戻っても、コボル社から追われるんじゃない?サイトーが守るの?
色んなサイトを見たけどこの辺がわからない。。
世界観と設定は作り込んであって面白いと思う!
ヤバいなこれっていう映画
観るのに頭を使うクリストファー・ノーラン監督。
夢がメインテーマだが、観ている自分自身も夢を見ているような錯覚に陥る。
没入出来ればできるほど、後味が変わってきそう。
考え過ぎると頭がついていかなくなるので、そこそこ頭を使いながら観る方が楽しめそう。
にしても、魅せ方やストーリーの構造が変態的に上手い。どういう人生送ってたらこういう発想が出来るんだろうか、、、鬼才ぶりを遺憾無く発揮している作品だと感じた。
ビューティフル・ドリーマー
毎度セットを壊しまくっていいのはアニメくらいでしょう!
「夢だから」という設定があるからと言って、何でもアリな状況をここまで貫くなんて!
最後はビューティフル・ドリーマーですね。
しかも最後は、夢なのか現実なのか、どっちか分からないという含みを持たせてるのは萌えます。
物語全体が、空想に対するジレンマだったり、創作物を作る人間が悩み苦しむことがメッセージとして伝わってきます。
ただ、「面白い」というより「凄い」という方が勝ってしまった感じが。
名作であることは間違いないです。
難しい...
すごい話が作り込まれていたし、世界観に圧倒されはしたが、1回目の視聴では理解が難しかった。
なにせ同監督のインターステラーも難しいと思った私なので。笑
夢が何層にも重なってて、行ったり来たり、、。難しい。
私は多分時間の流れを理解してなかったから、理解をより難しくさせたと思う。◎時間は〜では○分みたいな。
ちゃんと見とけ!理解しとけ!て話ではあるが。笑
コブに対して少しイラッとしてしまった。妻を想う気持ちは分かるけれど、それが作戦に影響すると少しでも思ったならチームで共有すべきだったと思った。
アーサーが好みでした!カッコいい😚
そして、恐らく潜在意識に落ちたであろうコブとサイトーのやりとりが最初に繋がっていて、アー!なるほどね!となった。あのおじいちゃん、サイトーだったのか!
最後の終わり方、皆絶賛しているが、私もその1人であり、考察を楽しめる終わり方でした。
2回目では物語の構造を理解できるかなぁ。
ちょうどよいノーラン具合
ノーランの作品を全部観ているわけではないので、
知ったかぶって言えないけれど、
個人的にはちょうどよいノーラン具合。
難解過ぎずに物語を楽しめる。
TENETとかメメントまでいくと観ていて脳が疲れすぎてしまう(汗)
最後のコマ、「え、どっち?どっちなのーーーーー!?」でのエンドロール。
もうドキドキが止まりませんでした!
現実に戻れたと信じたい。
評判は良かったけれど普通
夢を操り情報を盗むスペシャリストが次々と企業のいけない情報を盗んでいく話、、なのかと思っていたが、
実際はそうではなく夢のまた夢の夢の世界まで潜り込み息子に会社を継がせないよう誘導する話。
アクションは凄かったがストーリーが夢の3段階と言ってしまっているので、夢なんだな、と安心して見れたし捻りもないように感じた。
実はサイトーが本当に死んじゃうのか!?とか思ったけどそんなこともなく。
最後空港から降りて子供達に会ったのも夢(?)だったのにはモヤッとしたが綺麗に終わるよりはよかった。
世界観がほんとに素晴らしい!!
クリストファー・ノーラン監督の最新作品。
ノーラン監督の作品は、「ダークナイト」や「メメント」など素晴らしい作品が多い。だからこそ期待値も高い。
主演はレオナルド・ディカプリオ。
最近観た「シャッター・アイランド」がヒドイ駄作だったので、レオ様が主演ってのは個人的にはイメージが良くないが、レオ様は良い役者ではある。「ブラッド・ダイヤモンド」は名作だったし。なので、脚本がしっかりしてればしっかりと役をこなしてくれるはず。
と、色々と期待をして観に行ったのだが、今回は大当たり!!!
すごく面白い映画だった。
ストーリーは、ターゲットの「夢」から情報を引き出す(エクストラクトする)産業スパイの仕事をしているレオ様扮する「コブ」が、一度情報を引き出すのに失敗してしまった渡辺健扮する「サイトー」に、逆に仕事の依頼を請ける。仕事内容は、市場をほぼ独占しているある敵対企業の社長が死の間際にいるため、その社長の息子に対して「会社を解体させる考えを埋め込む」ということ。
その行為がタイトルの「インセプション」。
正直、この辺りの細かい環境設定は作品評価にとってはどうでもいい。結局「サイトー」の会社名も明かされないわけだし。
条件付けのための設定でしかない。
ストーリーよりも、世界観の構造が複雑。
まず「夢」の世界だが一層ではない。合計5層まで出てくる(ちなみに第3層までは設計された世界)。
ネタばれにはなるが、それぞれの層を書き出してみる。
現実世界 飛行機の中
第1層 白いバンでのカーチェイス(ユスフの夢)
第2層 ホテル(アーサーの夢)
第3層 雪山(イームスの夢:推測)
第4層 モンのいる世界/年老いたサイトーのいる世界(?)
第5層 虚無(実は・・?)
そして、夢の層は深くなるほどに時間軸が長くなっていく。
第1層の数分が、第4層では数十年になる。
「夢」の世界では「キック」と呼ばれる刺激を受けることで、上層へ戻ることができる。また、「死ぬ」ことでも上層へ戻ることができる。ただし、「死」による上層復帰は、第1層のみ。第2層より下層だと、「死ぬ」ことで「虚無」へ落ちてしまう。
そして、第5層(最下層)は「虚無」と呼ばれる世界。
構造化されていない「夢」の世界に、意識のみが捕らわれてしまい、2度と現実世界に戻ることができない。
この設定自体、すごくよく出来てる。ほんとに面白い。
こういう世界観の構成は、日本人は不得意。素晴らしいと思える構造化された世界観は、日本映画ではめったに観られない(アニメ監督の押井守さんは、構造化された作品を作れる数少ない日本人監督の1人)。よって、見る側も不得意。おそらくこの「世界観の理解」が、この作品の評価の分かれ目になるように思える。
さて、「コブ」の奥さんの「モン」は、夢の世界に捕らわれてしまい、「夢:バーチャル」と「現実:リアル」が反転してしまった結果、上層世界へ戻ろうとして、現実世界で自殺してしまう。それが「コブ」の深層意識に深く刻まれてしまい、以来「コブ」の「夢」には「モン」が現れて色んな邪魔をしてしまう。
「コブ」は元々「夢」の世界を設計する「設計士」なんだが、「モン」が邪魔をしてしまうため、新たな「設計士」を雇い、「サイトー」の依頼を果たすためにチームを組む。これがまた、「ミッション・インポッシブル」みたいで面白い(笑)。「設計士:アリアドネ」「偽装士:イームス」「調合士:ユスフ」。この辺り、各キャラの役割は実際に映画観てみてくださいな。
途中は省くが、結果的に「コブ」は「サイトー」の依頼を果たす(果たしたように見える)。
「コブ」の最終目的だった、子ども達との再会も果たす。
で、ラストシーン。
これがまた物議を醸す終わり方をしてる。
現実世界に戻った際に、そこが「夢」ではないことを確認するために、「トーテム」と呼ばれる小道具を使って確認をする設定になっている。「トーテム」は各々が異なる。「コブ」の「トーテム」は小さなコマ。このコマが「夢」の世界では止まらず回り続けるが、「現実」では当然止まる。
で、最後のシーン。
この「トーテム」が回り続けて止まりそうな瞬間で終わる。つまり、そこが「現実」か「夢」かわからないように暗示して終わるのだ。
「コブ」は最終的に「虚無」に落ちてしまい、子ども達との再会を果たしたという「夢」を見てるだけじゃないのか?
これは意見が分かれるところだが、私は最後のシーンは「夢」だと思う。
というのも、いくつか腑に落ちない点があるため。
まず、「夢」の第1層に落ちた際に、列車が出てきたり、敵に襲われたりする(第2層以降の「敵」は、息子が情報を守るための防御意識として説明できるかな?)。第1層では敵に襲われるはずが無いのだが、これは「コブ」の深層意識が「現実に戻りたくない」からこそ、現れた「敵」のように思えた。これが1つの複線。
そして、一番腑に落ちないのが、「キック」。
アリアドネはコブと一緒に第4層まで落ちるわけだが、最後ビルから飛び降りて「キック」され第3層に戻る。そして、さらに雪山の基地が崩れてさらに「キック」され第2層に戻り、ホテルのエレベーターから「落ちる」ことで「キック」され第1層に戻る。
で、一番わからないのがココ。
「なぜ第1層で目覚めたか?」ということ。
第1層でも「キック」するために白いバンを川へ落とす仕掛けをしていたはず。そして、見事バンは川に落ちた。つまり、その段階で、第1層からも「キック」され、「現実世界」に戻らないとおかしいんじゃないのか??
アーサーも含めて何故か第1層で目覚めてしまう。そもそも最初から第1層で目覚めるつもりなら、バンを川を落とす必要はなかった。
これも「複線」になってるんじゃないかなーと思う。
そのまま「現実世界」に戻ってしまっては、最後のシーンが「現実」か「夢」かはっきりしてしまう。アリアドネ達は「コブ」と「サイトー」が目覚めたかどうかがわかるので。だからこそ、筋は通らないが、強引に第1層で目覚めさせた。
ということは、最後のシーンは「夢」なんだろう。
この辺り、ちょっと展開が強引過ぎて、最後脚本を少し変えたようにも思える。あまりに切ない終わり方になってしまうという理由で。。。
この作品は、何よりも、普遍的な命題「現実よりもリアルな「夢」であれば、それはすでに現実ではないか?」という問いを示してくれる。これがこの作品の主題(テーマ)なんだろう。作中でも、「コブ」が「モン」に「インセプション」して悲劇につながってしまった考えだが、これは結論の出ない問いだな。。。
とにかくこの作品は世界観が楽しめました!
ただ、ある程度の予備知識が無いと1回だけだと難解かもしれない。2回観て楽しめる映画。
まだ観てない人は、多少ネタばれになるが、ここに書いた「階層」については理解して観た方がより楽しめると思います。
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