「二度見てもドキドキ」チェイサー(2008) mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
二度見てもドキドキ
ナ・ホンジン監督のクライムサスペンス。長編デビュー作とのこと。
同監督の『哭声 コクソン』がなかなか気に入ったので、期待しながら見ました。始終ドキドキ感あって、なかなか良かったです。犯人はわりと早くに判明しているのに、証拠不十分ですぐに釈放され、展開から目が離せない! 『暗数殺人』で刑事役のキム・ユンソクssiにやられた私ですが、この映画はまだ若い時で、ぽちゃぽちゃしています。(^^)
最初、主人公のジュンホが悪役なのかな?と思っていたのですが、とんでもないサイコなシリアルキラー(ヨンミン)登場。元刑事で売春斡旋の元締めジュンホは商売道具の「女を売り飛ばされた!」と、ものすごい勢いでお金を取り戻すためだけに、犯人を追跡。でも、ラストに至るまでに、ジュンホの心が少しずつ変わっていき、ミジンを助けるために命がけで突進。その心の流れ(変化)が自然な感じ。特に説明的なシーンがあるわけでもないのに、すーっとわからせてくれるというか。ラストも余韻が残ります。雨がしっぽり降るソウルの街の映像もちょっと切なくて、ガラス越しに雨に打たれながら、ミジンの娘が涙を流すところも見逃せないシーン。
韓国ではR18+だけあって、バイオレンス描写も激しく、グロい残虐なシーンがあります。そしてミジンのつらい最期。でも、この救いようのない結果だからよかったんだと思わせてもくれます。
ミジンは、元締めのジュンホに忠実で、「オッパー」とも電話で言ってました。風邪で熱があってもジュンホに従います。娼婦は何人か登場しますが、生意気だったり蓮っ葉だったり。でもミジンは格別、しおらしい。ヨンミンの家でも、遠慮がちに「シャワー浴びていいですか?」と聞いたり。後の留守電メッセージには胸が詰まります。これもうまい持って行き方だなと思ったりしました。
シリアルキラーのヨンミン。神共の、あのカッコイイ黒いロングスーツをまとった地獄の使者ではないですか!?
とぼけた感じの「えぇ?」は、くせになりそう。 恥ずかしそうに笑みを浮かべて小さな声で「殺した」と言うところが、本当に怖い狂った野郎でした。早速お仕事といった感じで、黒い鞄を持ってミジンが横たわる風呂場に入っていったときの、ヨンミンの白のブリーフ姿が妙に印象的で、サイコな感じ。
韓国で実際にあった連続殺人事件がモチーフになっているようですが、ドキュメンタリー感はあまりないように思いました。役者さんにも恵まれた作品だったと思います。
<備忘録>
元刑事の売春斡旋元締め:ジュンホ(キム・ユンソク)
普通の青年風連続殺人犯:ヨンミン(ハ・ジョンウ)
ジュンホの元で働く女性:ミジン(ソ・ヨンヒ)
ミジンの娘ウンジ:(キム・ユジョン)
mittyさん、こちらこそすみません。
多分、俺も鍵については疑問に思ってたはずです。
あれだけクローズアップされてましたからね~w
レビューするときに自分でも疑問点は書いておかねばと反省しております!
mittyさん、コメントありがとうございます。
2回観たのに鍵はどうだったのか記憶にありません。
まぁ、無くても侵入できそうだし・・・
タクシー運転手に転職した直後に見ただけあって、無情なタクシーが忘れられません・・・