「韓流ヒッチコック。」母なる証明 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
韓流ヒッチコック。
P・ジュノといえば「殺人の追憶」は良かったが、
「グエムル~」は私的にまったくダメだった。。
今回はどうなんだろう、またミステリーか…?と
思いつつ観に行ったが、いやはや恐れ入りました。
これは素晴らしい!怖いけどかなりの作品である。
分類的になんといえばいいのか^^;
サスペンス、ホラー、ミステリー、人間ドラマの
全部の要素を持っている作品で、昔でいうところの
ヒッチコック映画に近い。ああいうジワジワの怖さ^^;
しかしホラー映画ではないので、大丈夫。
映像で観る部分での残虐さはない。しかし…(汗)
かなり推理要素を含む作品なのでネタバレは厳禁。
ただ、冒頭のシーンから「?」と思う映像が少しずつ
挿入されるので、それは覚えておくとあとで役立つ!
そしてこのタイトルまでもが完全なる意味を持つ。
…すごく頭のいい作品だ(爆)
兵役後の復帰第1作となるウォンビンなのだが、
相変らず顔立ちは可愛い。が、今回はかなり難役。
私はこの人の演技はいつもどこかに含みがあるな、
と思うのだが、今回はさらにそれが倍増!!(汗)
知的障害のある息子を溺愛する母親と、
反抗しつつそれに抗えない息子との穏やかな対立、
この二人の演技合戦はイライラするほど観応えあり。
チンピラのジンテ役、チン・グのオトコマエな顔立ち、
ジェムン刑事は、温水洋一が出てきたのかと思った。
(髪はあるけど、似てる~^^;)
それにしてもこの監督、例えばここで扱われる障害
というものに対する描き方に容赦がない。
これが日本なら、やれ人権侵害だと言われかねない。
そんな残酷なリアルさと混沌とした難解殺人事件が
一線上に並んで浮かび、解決したかと思わせるラスト、
いや、最後まで手抜きがないことを証明してくれる。。
(しかし主要以外の男性キャストは散々でしたねぇ…)