サマーウォーズのレビュー・感想・評価
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実は18歳以上禁止
残念ながら、細田監督最新作を見に行く予定は全くないのだが、「時をかける少女」といい、この「サマーウォーズ」といい、見てて恥ずかしくなる部分が多すぎて、おっさんのオレには無理。
まあ、そうは言っても初アニメレビューということでもう少しがんばる。
本作あまりに記号が揃いすぎて、有り得ない設定なのに、無理やり家族の絆とか、誰も否定できないような着地点に落とすから、恥ずかしいし、いやらしい。
田舎がどうとか、大家族がどうとか、40代、50代の人らには、はい、はい、懐かしいねえと思うかもしれないが、アニメを見る世代がどんなに上がろうが、その人らを鑑賞対象にはしていまい。
となると、30代もしくはそれ以下の大人が対象、ということかもしれないが、主人公の少年やその先輩の少女を見てると、こっぱ恥ずかしくてしょうがない、と思うのがその世代ではないのか?ちがうのか?
どこぞの誰かが言っていたが、細田監督の作品は大人向け、ということらしいが、いやいや、架空のノスタルジーに添加物を盛り込んだだけで中身は、大人向けとは真逆のもの。
映像とかすっごい綺麗だね。そこはすごいと思う。
だけどやはり変身シーンは無理。ちゅーの演出も無理。
Judgment Day
AIが学習を重ねることで、インターネット仮想空間で暴走する話なんですね!
4DX再上映にて初鑑賞しましたが、2009年にインターネットの仮想空間を考えた想像力はさすがですね👏🏻
数学オリンピックに出るような天才的な方のおかげで、いまの便利な世の中で生活できる気がしました。
現代では、世界的にコロナ騒動や物価の高騰化も厳しくなってきているので、近い将来VR空間などの技術が進化したら現実から離れてVR世界に入り込む人も増えそうですね。
AIも著しい発達を遂げているので、人類にとって敵対する日もくるかもしれませんね…
お婆ちゃんが皆んなに慕われる存在で、死後も遺書を通して意思が残るシーンが良かったです。
奇跡的に人工衛星の着弾する位置は家からずれましたが、あの速度で落下する衛星がぶつかったら普通の家にいる限りでは助からない気がしました😂
恋愛観のような描写は違和感を感じました。。。
合戦とWar 黒電話とスパコン 寿命と生誕
終始隙のない映画。夏だけでなく、仮想世界、青春、家族、友達、この全てのジャンルでの最高傑作。
両極な二項対立をいくつも盛り込む話の作り方は、比較を通じて温度差や概念を感じる一般的な人間の感じ方に向けて、傑作を作る一番確かな方法だと再び思った。
第一波のインフラへのイタズラを防いだのは栄おばあちゃんと彼女が育んできた絆の力です。その後本当にラブマシーンを倒すのには、カズマと夏希とシンジ、じゃなかつた健二が主に貢献してたようで、そのお膳立てをしていたのはCPU、電力、氷、ミリ波レーダー、等大人の男であり、あんたならできる、と言ってくれた栄おばあちゃんであり、飯を拵えた女性陣であり、健二にアカウントを新規作成してあげた佐久間であり、花札でアカウントを預けた世界中の人であるという形で、絆を描いていると感じました。
ストーリーをかなり知っている上での再度の鑑賞だったためか、子どもの頃よりだいぶ怖くない映画と感じた。
もっとラブマシーンは、遠慮なく人命を奪うようなキャラだと思っていたが。思い返してみれば、美しいハッピーエンドのためにか、人は一人も死んでいない。 栄おばあちゃんは医師の人を信じて、寿命という認識。
確かに死なれてもスッキリはしなかったかも。
世界中の原子力発電所のシステムを暴走させて、爆破するタイムリミットだったと子どもの頃から思っていたが、それで世界中の人間が人質になっているのかと思ったが、あくまで原子力発電所のうちのどれかにあらわしが落ちるだけだったか。
日頃やってる最善と同じか。何回も見てて知っていると、どんなに素晴らしいものなのに感想らしい感想が浮かばない。
というか、悲しいかな映画というものそのものをパターンのうちに収めてしまったのだろう。
起承転結のストーリーライン、キャラクターデザイン、声当て、そういうものの枠にせっかく多くの人の手が入った、それも大神作に分類されるサマーウォーズを納め込んでしまう。
分析するためには、記憶するためには、そういう見方の方が良いけど。全部を知ってるパターンや、知らないパターンが来たらそれを知るパターンに納めてったら、心が動かないったらない…自分のパターンに落とし込むと、全てが自分という一点の中にあって動かない。 違いを感じて刺激を感じる、極が無くなってしまう。
キングカズマが、邪魔するなああああと殴るシーンでの風の量には大満足。
花札も役を揃えるたび椅子がボコッと殴られるのも迫力満点。
逆にそこ以外の4DX演出が足りない…!
俺の求める4DX体験は、ガルパン最終章4話の3倍〜4倍、つまり盛れば盛るほど良い。サマーウォーズでは時間単位ではガルパン4章の1/3.5程度しかなかった。
小説で読んだ時、地の文で、開発者の侘助に捨てられたラブマシーンは愛に飢えていて、だから人のアカウントを吸って人を理解しようと、知識欲とかいうけど、一番知りたかったのは愛だったとそのために行動していたAIだと記憶していたが、映画ではそうとは語られてなかったのか。
ストーリーは本当に最高ありがとうございます。4DXの感想は、特殊演出量もっと増やして、今の10倍は欲しい。 音響は左右と後ろと上との音量がもっと欲しかったかな…つい昨日8/31土に家でスピーカーを掘り出してきて、斜め前と斜め後ろから挟み込んで音を聞いているから、それと比べてすら立体音響で劣っている。
人生難しいものだ…学習しないと最善の努力はできない、けど学習しようとするほど自分の中という一点の中に全てを納め込んで、刺激的な部分を使って刺激を感じられなくなってしまう。
よろしくお願いしまーーす!!
"夫と子が旅行中に映画見まくるゾ"
第四弾は「サマーウォーズ」
好きなんですよねぇ私。
観たい新作もあるのに、やっぱり外せない!
ワリビキ ナイノハ キツイ ケド💲
今でこそ、夏の風物詩として毎年リバイバル上映されるまでに大きくなった本作ですが、元々は単館上映作品じゃなかったっけ?と記憶しているのですが、どうでしたっけ??w
粗も目立つしツッコミ所満載だって良いじゃないか!
多くの方が見て、楽しかった!と思えたからこそ支持される作品になったんだと思います。
これって凄い事だと思います。
栄おばあちゃんの名言
「いけないのは独りでいること。
お腹をすかせていること。」
胸に刺さります。
健二が鼻血を出しながら数式を解くシーンもグッと来ます。
健二しかいない!健二なら出来る!
がんばれがんばれ!と、みんなと一緒になって応援しちゃいます。
そしてあの
「よろしくお願いしまーーす!!」
を絶対に劇場で聞いて欲しい!
仮想空間OZの世界。
わちゃわちゃしてて好きなんです。
色々なキャラが出て来てワクワクするんです。
あのスピード感にも釘付けだ。
映像もキレイで楽しくて引き込まれます。
悲しいシーンもあるけれど。。
腹が減っては戦はできぬ!
皆さんしっかりと腹ごしらえして、是非劇場で体感して下さい!
わざとらしい・・・
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いきなり主人公が学校No1人気の女の先輩からバイトで雇われる所から始まる。
この時点では明かされないが、先輩が「婚約者を連れてくる」
と田舎の婆さんに大言壮語を吐いたため、その役を演じるというものだった。
が、ここで色々と波乱が起こる。
この映画の世界ではOZというバーチャル世界があり、IDがあれば誰でもそこに入れる。
そしてそこで現実世界と同じ権限を与えられ、それは現実世界にも影響を及ぼす。
ある日AIが多くの人のIDを奪い、暴走を始める。
それにより多くの人がOZに入れず、現実世界でも大騒ぎになる。
そんな時婆さんが死ぬ。現実世界の混乱により救急車が来なかったのが一因。
婆さんはみんなで協力してこの難局を乗り切ることを強く主張しており、
残った家族・親戚達と主人公は力を合わせる。
暴走したAIは人工衛星を地球に落とそうとするが、
数学オリンピック日本代表相当の主人公がAIのかけたパスワードを破り、
ゲームの達人である従兄弟か何かが自キャラでAIにダメージを与え、
先輩が花札でAIを倒す。で、最後隕石が家の近くに落ちるが大丈夫だった。
そして先輩は主人公を好きになり、カップル誕生でハッピーエンド。
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とりあえず出だしの強引さで冷めた。
平凡な奴がイヤイヤながら美人の恋人のフリを承諾し、そのままホンマに恋人になる、
まさしく昭和を感じさせる展開が見え見えだったから。
で、強引な展開が多すぎる。
パスワードを解くのに必要な能力はハッキングで、数学オリンピックとは関係ない。
しかも人工衛星が近くに落ちたのに誰も死なない異常さ。。
で、予定調和のハッピーエンド。
SFなのであり得ないのはしょうがないが、それはSF的な部分だけにして欲しい。
あんたなら出来る、出来るって。
出来ない、そう思った時。
あなたのいちばん大切な人はどう言ってくれますか?
そんな質問の答えがこの作品。僕自身がもうダメだと思った時にいつも思い出して元気を出します。
ストーリーは、言うまでもないか。
見終わったあとには爽快感だけが残ります。夏のはじまりにいつも見るし、これを見ると暑くなってきたなと感じ始めます。
家族の絆!
リバイバル上映で初めて映画館で視聴!何回見たかは覚えてない。
•これも時をかける少女と同じで大人になって初めて見た。
•こんなに泣ける映画だったっけ?となって、最初見た時はキングカズマがかっこいい以外考えてなかったのを思い出した笑(今でもめっちゃかっこいいと思う‼︎)
•自分は1人が好きだけど、誰かと一緒にいることもたまには悪くないかと思った、、、
•家族の存在はとても大きいものだ!
•キュンキュン要素もめっちゃ好き!
•bgmもよかった!
夏が始まりました!
ツッコミどころが多くて没入しきれないところがもったいない
全体的には面白かったと思います。
が、物語に没入しきれないツッコミどころが多く、気になっているうちに観終わってました。
・主人公の影が薄すぎません?
(ばあちゃん、孫娘を託すのがこんな少年で良いの…?)
・ヒロイン、学校一の人気者…そんなに素敵でした?(すみません)
・後半のバトルについて説明少なくない?
・花札って説明いらないほどメジャーなゲームですか?
・衛星落ちてあんなんで済みます?
冒頭感じる「これは面白い映画だ!」という期待が
後半ガラガラ崩れていくような感じで悲しかったです。
もう少し前に見ていれば
ボスがAIなのがあまり好みじゃない
感情が無いものと戦ってもあまり感情移入出来ないというか盛り上がりにかける
ネットの世界が主流になっている現代で見たのが悪かったのかな、もう少し前に見ておけば面白く思えたかもしれないです(;o;)ざんねん
あ、でも神木隆之介の声はめちゃくちゃいいです
いくら大家族でもね
ちょっとした出来心でハッカーに加担してしまった。現実、今も続く被害の原因で、好奇心から被害者兼加害者になってしまう電子機器系犯罪の典型だ。
そんなハッカーにバーチャル戦争を挑むわけで、主人公が巻き込まれるプロセスはうまいと思う。ここまでは、前振りなく機関車のようにぐいぐいと引っ張る。
ただ、解決方法がね。vs家族の力は訴えたかったテーマとしても、余りに世間離れしていて、ご都合主義の個人的許容を超えている。何となくシラケてしまう感じだった。
夏の終りの哀愁
東京国立博物館の野外上映で夏の終りに見た。その印象が強く残っている。サマーウォーズと東京国立博物館の関係は 時をかける少女だと思う。
どうして、このアニメが面白いのか自分でも良くわからないが、ついつい、見てしまう。夏の終りの哀愁と言った所。
個性豊かなバラバラな家族が見せる一瞬の絆だ。面白い理由は。
今回は鑑賞していないが、気づいたので付け足す。本日(2024年7月11日)知り合いの家で旧国営放送を見ていたら、村上隆画伯の放送をしていた。4月に京都に画伯のもののけ展は見に行ったが、その時にも気づいていなので、改めて記する。
なんとなく、影響受けていないかなぁ?どちらがでは無いが。僕はどちらも好きなんだけどね。
夏の初めの哀愁
よろしくお願いしまあ〜す!
時をかける少女で一躍その名を知られた細田守監督の、夏の定番となった傑作長編オリジナル映画。
数学オリンピックレベルの計算能力をもつ健二と、それをレンタル彼氏として強引に我が田舎へと連れてゆく夏希の、巨大インターネット空間OZを巻き込んだ、一夏の冒険物語。
田舎らしい風景と繊細かつあたたかな人間描写、そして全てが一点に集約してゆくストーリー、これぞ細田監督の真骨頂といえる作品です。
活目すべきは、田舎の象徴でありみんなの屋台骨を支えていた陣内家当主、栄の死のシーン。
過剰な演出なく、リアルに描かれたその一場面。
皆が悲嘆し、言葉をなくしたそこから、物語は一気にラストまで爽快に駆け抜けます。
細田監督の送る、夏のキラキラのつまったプレゼント、お盆のお供に、毎年見返す映画です。
見る場所とタイミングを選ぶ映画かな
きっと公開当時に映画館でみたら、感動していたに違いない。Ozの世界観に魅了されてただろうし、音楽とか映像の綺麗さにもいちいち感動しながら見れたと思う。
残念ながら私はあまり心動かされなかった。
理由はふたつで、先週、竜とそばかすの姫を見たこと。初めてOzのような仮想空間を見たのですごく楽しくてワクワクした。
でも、その後で前作のサマーウォーズを見ると似ているなーという感想(順番逆だけど)しか浮かばない。
もう一つは、映画館ではないこと。
話自体はいろんな要素を切り貼りしたようなことで、IT、田舎、大家族、恋愛、賭け事、原発、温泉。。あまり関連性がなく、細かいことをいろいろ突っこんで考えてしまうとつまらなくなる。
映画館なら、映像や音楽の勢いで楽しむことができるけど、残念ながら家での鑑賞だとゴチャゴチャ色んなことつっこんでしまって、、、冷めてしまった。
おばあちゃんの感動のお手紙も、わびすけの話が半分くらい占めてて他の家族まじかわいそうとか思ってしまった。
わたしの感性の弱さなんだろうけど。評判がいい映画で楽しみにしてたので残念です。
人によるかな…
自宅PCにて、amazon prime videoにて視聴しました。
仮想世界ozにおけるAIの暴走をきっかけに起こる人工衛星の衝突を防ぐために頑張る少年及びその先輩とその親族のお話です。
率直な感想としましては、期待していたほどではないなという感じがしました。この作品は私は見たことなかったのですが、有名な作品ですし、レビューの星の数も多かったことから、面白いのだろうと勝手にハードルを上げすぎてしまっていたのかもしれません。
この作品は、結局見る人によって、世代によって感想が変わってくるものなのだと思います。子供の時とかに見れば面白いと感じていた可能性はありますね。そんな作品です。
OZ設定のガバガバさ・・
アニメーションや夏の空気感、デジタル世界の雰囲気("僕らのウォーゲーム"っぽさ満載ですが・・)は好きだし、夏にロードショーされているとつい観てしまう映画です。
ただどうしても、OZの全体的な設定の絶望的な浅さが気になります。
他にも言及している方がたくさんいますが、管理者アカウントのパスワードが解かれただけで侵入できる脆弱性と、そんな脆弱なシステムに現実世界のインフラに影響を及ぼすような権限が紐づいているという大胆過ぎるシステム・・・・他のところをリアルに作っている分、「そこはファンタジーです」っていうのは無理があるなと思います。
物語のめちゃくちゃ根幹に関わる設定なのに、そのあたり多少なりとも詳しい人を監修に入れるとかできなかったんでしょうか?当時のITのレベルを考えたとしてもガバガバ設定と言わざるを得ないです。
OZの世界が出てくるたびに「そうはならんやろ」というツッコミしか出てこなくて、ストーリーに入り込むことができないのが本当に残念です。
順当に面白いエンタメアニメーション
最近色々とアニメを観るようになったので、細田守監督の最高傑作と言われる本作をNetflixで鑑賞。うん、普通に面白かったです。突出してないけど順当でした。
OZの世界観だったりアニメでしかできない表現が良かったですね。あれはなかなか実写では難しいでしょう。実写だと「レディ・プレイヤーワン」みたいに何処かしら現実と地続きになるので、いかにもアニメな世界観はアニメならではですよね。OZ内の中心が日本風のお城みたいな建物に変わっていく描写とか、頑張ればCGでも可能かも知れませんが実際問題大変過ぎて無理でしょうしごちゃごちゃし過ぎると実写ではわかりにくくなっちゃいますしね。でも、あれってアニメで作っててもハンパなく大変だったのではないでしょうか?
ストーリー的にはちょっと青過ぎて。それにいかにもアニメって表現には苦笑いだったというか。キスされて鼻血出るって何十年前から同じ表現してんねんっと思ってしまいました。あれはアニメのお約束ってヤツなのでしょうか?吉本新喜劇みたいな感じでわかる人にはドッカンドッカンくるみたいな?まぁ、アニメにリアルさを求めるのもお門違いな気もしますけどね。多分、細田守監督は優秀なアニメーターでありストーリーテラーではないのかなっと感じました。
主人公やヒロインもちゃんと活躍させてましたし、王道エンタメアニメーションだったのではないでしょうか?これで花札のルール知ってたらもっと楽しめたんだろうなぁ。
金曜ロードショーでやってたので観ました。 細田守の新作竜とそばかす...
金曜ロードショーでやってたので観ました。
細田守の新作竜とそばかすの姫が上映されるからね。
サマーウォーズは過去にも何回か観たことあるけど、久しぶりに見たら、サマーウォーズはガラケー時代だった。ガラケーでozにアクセスするなんて、多分パケット通信だから料金は月にうん10万円くらいになるんじゃない?
絵が暗い。もっと明るくても良い気がするけど、どうだろ?
OZの世界観は素晴らしいんだけど・・
細田守監督の最新作。
細田さんは「時をかける少女」(2006)で一躍有名になったアニメ監督。「時をかける少女」は一昔前(1983年)に原田知世さん主演の実写映画が制作されてるが、そのリメイク(というか続編?)。かなり大胆な解釈というか、活発なキャラクターが作品内でバタバタと暴れ回る、凄くアニメらしい、楽しい作品だった。
同じく監督をされた、ONE PIECEの劇場版アニメ「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」(2005)も拝見した。ONE PIECEの他の劇場版は観ていないが、テーマが仲間の絆であり、子供向けとは思えない(…というか、完全に大人向けだったように思う)、ONE PIECE特有のお気楽なノリだけではなく、仲間内での感情の軋轢を扱った、かなり深いテーマの作品だった。そして、もちろんアニメとしても大変完成度が高かった。
そんな監督の作品なので、観る前から期待大。
さて、内容だが、さすがという完成度。アニメとして。キャラも活き活きと動いてる。主人公とヒロインの声優はかなり演技が下手糞だったが、全体的にクオリティは高い。しかし、脚本、というか世界観にかなり穴があったように思う。
まず、事件の発端である「ハッキング」。もっと詳しく言うと「パスワード解除」。OZという仮想空間は、アニメらしい素晴らしい表現、早く実現してくれないかな?と思えるようなワクワクするような世界観だったが、人類の大半が繋がっているいわば超大規模なSNSサイトなんだよね、これって?最高のセキュリティが施されているはずではないのか?主人公含めて世界で55人も解いてしまえるような簡単な暗号が、管理者パスワードのはずがないじゃないか。。今のネットセキュリティに関する知識が無いか、あえて無視したかのどちらか。はっきり言って、現在の暗号は暗算で解けるようなレベルの代物ではない。
事件の発端なので、これが発生しないと物語が進まないわけで、主人公の特徴「数学オリンピックの代表になるくらいの数学力」が生きる場面はココにしかないわけだが、あまりに展開が強引過ぎる。。
また、既に日本ではかなり失われているであろう、大家族的な繋がりのある血族の中に、主人公が突如ほうりこまれる展開はリアリティが無いのだが、とりあえず良しとする。大規模サーバや漁船などアニメ的な強引な展開も必然性あるし面白いから良い。しかし、そもそもOZのハッキングPGは、「知識欲」のみを植えつけられたPGなんだよね。そして「ゲーム好き」。そんな特徴のPGが、何で衛星を原発に落とそうなんて考えるんだ??
こないだ、小説「アイの物語」を読んで、進化したAIは人間とは全く違った存在で、むしろ人間よりも倫理的である、という結論を感じた身として、どうもこの展開が納得いかない。何故コンピュータが人類の滅亡など望むのだろうか??
「世界を救え!!」という話は、昔からアニメで扱ってる使い古されたものだけど、さすがにここまで何度も扱われると嘘臭くなる。単に「家族を守る」って展開でもいいじゃないか。このアニメのテーマは「家族の絆」なわけだし。
小説もアニメもフィクションなので、現実的である必要は無い。しかし、前提となる「世界観」から逸脱するのは論外。どんなフィクションでも「世界観」が作りこまれていないと、作品自体の説得力を失ってしまう。
そういう意味で、ちょっとこの「サマーウォーズ」、世界観の環境設定が物足りなかった。
あとは「恋愛」。別にいらないよなー、この要素(笑)
この作品の中で、無理に主人公と夏希がくっつく必然性が無い。
前回観た「東のエデン」もそうなのだが、無理に「恋愛」話に持ってく必要無いんだけど。。
OZの表現とか素晴らしかっただけに、その2点が残念だった。
『デジモンアドベンチャー ぼくらのサマーウォーゲーム』。 あまりに正しすぎる世界観は面白みに欠ける。
仮想空間「OZ」を襲う脅威に、天才数学高校生の健二と戦国時代から続く名家である陣内家が立ち向かうSFアクション・アニメーション。
監督/原作は『デジモン・アドベンチャー』シリーズや『時をかける少女』の細田守。
脚本は『学校の怪談』シリーズや『時をかける少女』の奥寺佐渡子。
主人公、小磯健二の声を演じるのは『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』の神木隆之介。
陣内家の1人、陣内由美の声を演じるのは『時をかける少女』『ハルフウェイ』の仲里依紗。
第33回 日本アカデミー賞において、最優秀アニメーション作品賞を受賞!
今や夏休みアニメの定番となった、甘酸っぱい香りが漂うジュブナイル映画。ハイクオリティのアニメーションと山下達郎の主題歌は、公開から10年以上経った今でも全く古びていない。
世間的には名作として扱われる本作。
しかーし!!個人的には全く乗れなかった🌀
仮想空間がどうのこうのとやっとりますが、とどのつまりこの映画が伝えたいテーマとは「家族の絆」でしょう。
「家族」に焦点を当てた映画の場合、登場する家族をどれだけ魅力的に描けるのかが肝だと思うのだが、この陣内家には全く魅力を感じない。映画を通して誰のことも好きになれなかった。
陣内家は家母長制とでも言えばいいのか、90歳の老婆、陣内栄が全ての決定権を握っている。
栄は政界のフィクサー的な存在であり、日本国内において絶大な影響力を持っている。
そんな二階俊博みたいな怪物を、一族全員が「ばーちゃん大好き❤」みたいな感じで慕っているのである。
こんなデカい家で、90歳の余命幾ばくもない婆さんが権力者…。こんなん間違いなくドロドロした人間関係が生まれる!「犬神家の一族」ばりの骨肉の争いが起こるに違いない!!
そこを描かずして、「田舎の名家」を語ろうなどとは笑止千万。何を綺麗事抜かしてんだ!
気になるのは本作の一応のヴィラン、侘助の描かれ方。彼は栄の夫・徳衛が妾に産ませた子供であり他の一族の人間とは立場が違う。そりゃそんな人間があんなベタベタ気持ち悪い一族の中で育てば反発もするだろう。当たり前である。
それなのに一族の人間は自分たちの態度を省みることなく、彼を最後まではみ出し者として扱う。そしてその結末は侘助本人が反省し改心してしまうというゲロ甘な展開。なんかこれ同調圧力みたいで気味が悪い。
「家族の絆」なんて、何百万回と描かれてきた普遍的なもの。それを映画のテーマに据えるには強度のある物語が必要である。物語に強度を出すためには、ファミリームービーだとしても多少は嫌なものや残酷なものを描かないと。全てが”正しい”価値観で固められた、頭の中がお花畑なファンタジーなんてわざわざ観たくないっつーの。
陣内家の描き方には吐き気がするが、物語の細かいディテールもやっぱりあまり上手くない。
まずヒロインである夏希。彼女のキャラがとにかく弱い。美少女であること以外になんの特徴もないじゃん。
そしてなぜ彼女が最後の勝負に挑んだのかわからない。実は一族の中でもずば抜けて花札が上手いとか、そういう描写は絶対に必要だったと思う。まぁ現実世界の花札の強さが仮想空間でも影響を及ぼすのかはよくわかんないんだけど、それでも何かしらの理由付けはいるはず。「ヒロインだから」は理由じゃねぇ!!
あと、この夏希の声が…💦申し訳ないが桜庭ななみさんは声優に向いていないと思います。
あれだけの惨事の中、解決に向けて行動していたのが陣内家だけというのも…。ペンタゴンがそもそもの原因だったはずだが、こいつらは何やってたんだ?日本政府の人らも、栄さんに散々「あんたなら出来る」とか言われてたのに、最終決戦は陣内家に丸投げかよっ∑(゚Д゚)
そして「OZ」での闘い。これ、プレイヤーは具体的に何やってんの?
そりゃ、キーボードをカチャカチャしとけばなんかやってる感出るんだろうけどさ。タイピングのスピード=強さなの?「punch!」とか「jump!」とか打ち込んでたのかな?
最後の「よろしくお願いしまーす!」も、名シーンっぽく扱われてるけど具体的に何やってるのかはよくわからん。
そもそも暗号解く方法ってなんだったんでしょうか?なんとなくで良いから観客に伝わる様な説明が欲しかった。
家族の絆で脅威と戦うという、至極真っ当な物語ですが、漂白されすぎていて面白みに欠ける。
扱っている題材から、どうしても細田守の過去監督作品『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000)と比較してしまうが、その文句のつけようのない完成度と比べると本作はまったくのヘナチョコ。足下にも及んでいない。
そもそも『デジモン』の焼き直しの様な作品を作る意味があったのか疑問である。
一時は”ポスト宮崎駿”のように猛プッシュされていた細田守だが、今やそんなこと誰も言っていない。あのゴリ押しは一体なんだったんだろう。
というか、本作を観れば監督としての技量が宮崎駿に及んでいないことくらい明白じゃん。過度な期待は本人の為にもならないっすよ。
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