「食と大切な人」南極料理人 Yosiakiさんの映画レビュー(感想・評価)
食と大切な人
ぼーっとAmazonプライムでみました。
映画って起伏があるものが楽しいって思ってました。
この映画は良い意味でずーっと、ぼーっと見てました。
大変な環境で作る料理って美味しそうに見えます。塩むすびさえもご馳走に見えます。
堺雅人さんが演じる料理人はどれも美味しそう。みんな美味しそうに食べます。
見ていて気になるのは誰も美味しいという言葉を一切口に出さない。
変だなと思いながらも、がっつくさまで表現しているのだなぁと勝手に解釈をしていましたが、どうやら違うのかもしれません。
遠く離れた土地で家族とあえず、好きなことも出来ない。まるで監獄のような生活でポップに明るく描かれていましたが、実際はもっと大変だと想像できます。
そんな生活がやっと終わり家族と対面し、遊園地で最初に食べた、袋にタレがこぼれたテリヤキバーガーを食べた時に出た「うまっ」とついこぼれた言葉。鳥肌がたちました。
南極大陸に行く前に奥さんに作ってもらったベチャベチャのからあげ。南極大陸でふてくされて隊員の仲間が自分達で作ったベチャベチャの唐揚げ。その唐揚げを食べて奥さんの唐揚げを思い出し涙を流してしまう。
やはり大変だし、家族に会いたい。
タレが袋に付いていてベチャベチャのテリヤキバーガーを食べてようやく南極大陸に行き、帰ってきたのだと実感し、家族との幸せを噛み締める一言だったのではないかなと思います。
南極大陸では一切でなかった「美味しい」という言葉、あんなに美味しそうなのに出てこない不思議な感覚は最後の一言により全てを成立させ、物語がより深く胸に入ってきました。
とてもおすすめの作品だと思います。
やっぱり大切な家族と食べるご飯が1番美味しいんですね!