「効果ゼロの焦点。」ゼロの焦点 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
効果ゼロの焦点。
今はほとんどマンガしか読まないけど、昔は本も読んでいて、特に松本清張さんはほぼ完全に読破しています。
「ゼロの焦点」は読んだけど、あまり面白かったという印象はなく、ぼんやりとしか覚えていません。
内容そのものは松本清張さんというか、日本映画の黄金パターンなんだけど、かなり商業主義にはしっていて、有名女優で客を呼ぼうとしているため、結果的につまらなくなっている。
女優さんの見せ場を作りすぎて、誰が主役かわからない。
普通は広末さんだけど、実際には中谷さんに完全に食われて、焦点が中谷さんになっている。
それで面白ければいいんだけど、かなりピンぼけな感じがする。
出張りすぎで、蒲田行進曲じゃないけど、「主役より目立つなよ!」と言いたくなる。
どうせやるなら視点を変えて、木村さんの演じていた田沼久子に焦点を当ててほしかった。
原作にあったかどうかは忘れたけど、木村さんの最後のセリフはよかった。
基本的に生きるって、他の生命を奪っていくことだから、つらいのが当たり前だと思う。
特に戦中、戦後を生きてきた人は、人には言えない悲しい思い出を、いっぱい抱えて苦しんできたのだということが、伝わってきました。
他の人の出番を削って、木村さんが演じていた田沼久子の過去とか恋愛を、丁寧に掘り下げていけばもっと面白くなったと思うし、「効果ゼロの焦点」にはならなかったと思う。
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