劇場公開日 2010年4月17日

のだめカンタービレ 最終楽章 後編 : インタビュー

2010年4月9日更新
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瑛太が語る「のだめ」ファミリーのこれから…そして峰龍太郎の夢

2006年にテレビドラマからスタートした「のだめカンタービレ」が、いよいよ完結編となる「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」の封切りをもってフィナーレを迎える。主演の上野樹里、玉木宏らとともに、4年にわたり峰龍太郎という情熱的なバイオリン奏者を演じきった瑛太が、“のだめ”ファミリーを、そしてシリーズ全編を振り返った。(取材・文:編集部、写真:堀弥生)

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瑛太扮する峰は、ドラマ版の舞台となった桃ヶ丘音大の裏にある中華料理店「裏軒」のひとり息子。大学卒業後の世界を描く劇場版では、「裏軒」を手伝いながら音楽活動を続けている。後編では伊武雅刀が演じた父・龍見の粋な計らいで、コンクールに出場する恋人・清良(水川あさみ)の応援と再会を果たすべく仏パリへ発つ。

瑛太は、そんな峰を「本当はもっと上を目指したかったのかもしれないし、海外へ行って評価されたかったのかもしれない。でも、自分のオリジナリティのなかで音楽を続けていったというのが峰のすごいところ。僕には峰のように物事を器用に進めていける人間性はないし、清良に対して『頑張れよ!』って大きな声で言えないと思います」と自らと対比しながら評する。

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ドラマ版「のだめ」が放送された06年、瑛太は立て続けに3本のドラマに出演した。「アンフェア」「サプリ」、そして「のだめカンタービレ」。当時のことを「あそこまでテンションを上げて漫画のように崩していく役を演じたことはなかったので、自分の殻を破るいい時期だったんでしょうね。同年代の魅力的な俳優とタッグを組めたことは僕にとってすごく大きかったですし」と振り返った。

瑛太という、現在の日本映画界を牽引(けんいん)する独特の空気感を放つ若手俳優が息吹を注ぎ込んだ峰龍太郎は、4年間というときを経て一人歩きを始めた。「清良をはじめ、のだめや千秋、仲間に出会ったことによって自分も上を目指さなきゃいけないなという気持ちになったんじゃないでしょうか。そして、行く行くは清良をお嫁さんにして、裏軒を経営しながらバイオリンを弾きたいって思いもあるでしょうし。峰は口には出さないけれど、みんなが日本に戻ってきて一緒に演奏したいな……という思いも抱いているんではないかと感じましたね」

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前作「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」では電話での会話だけだった清良との遠距離恋愛にも“明るい未来”を予感させる展開が用意されている。その足がかりともいえるお手製の旅のしおりや「東洋の真っ赤なルビー」と書かれた横断幕が、どこまでも一途な思いを饒舌(じょうぜつ)に代弁している。

峰のことを「強がりでかわいくない部分のある清良を素直にさせてくれる大切な存在」と話した水川。一方の瑛太は、“最愛のパートナー”であり“戦友”を「志を持ってまっすぐに向かっていく天才肌。そういう人は弱音を吐いたりしないし、人に見せない努力をしているからこそ評価も受けるんでしょうね。ちゃんと孤独と向き合って、バイオリン一筋で生きている姿は素敵ですよ」と笑みを浮かべながら称えた。

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「のだめ」は瑛太の私生活にも大きな変化をもたらした。オフの日や車で移動する際に、クラシックを聴くようになったという。これまでのレパートリーには入っていなかったそうで「少し気持ちを休ませたいなと思うときにベートーベンの『ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調op.24春』を聴くと穏やかな気持ちになれるんですよ」とすっかりクラシック通だ。

そして、劇中に演奏したなかで最も気に入った楽曲は、オープニング曲にもなっているベートーベンの「交響曲第7番イ長調作品92」だと即答。「(ドラマ版の)最後にみんなでサントリーホールで演奏したんです。第4楽章の最後は自然と鳥肌が立っていたし、『終わっちゃうんだな』という寂しさもあった。玉木くんの指揮の迫力もすごかったですし、本当に感動しました。クラシックを好きになれたことは大きいですね」

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