「山崎豊子さんらしいストーリー」沈まぬ太陽 k.moriさんの映画レビュー(感想・評価)
山崎豊子さんらしいストーリー
3時間22分という長編であるにもかかわらず、中だるみすることもなく、よくまとまった作品でした。ストーリー/進行的には、いかにも山崎豊子さんらしい内容ですが、今回の作品に関して言うと、主人公の個性があまり強く感じられないせいか、その他の山崎作品と比べて印象の強い作品ではなかったように思われます。
しかし、こういう生き方をした実在の人物がいるということを思うと、共感できるものがあります。
気になったところでは、労組の問題と、航空機事故の問題の関連性が、映画を観ている限りにおいてはあまり強く感じられなかったために、主題の首尾一貫性が薄まってしまっているようにも思われました。(伝記的作品と考えればいいのですが)
企業というものは多かれ少なかれ似たような二面性があるものであろうと思いますが、日航の現状を見るに、この企業は一度仕切りなおししなければならない運命にあったということなのでしょうか。
演技面で一番張り切っていたのは行天四郎役の三浦友和であったような気がします。
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