沈まぬ太陽のレビュー・感想・評価
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【88.7】沈まぬ太陽 映画レビュー
2009年公開の映画『沈まぬ太陽』は、山崎豊子の同名小説を原作とし、大規模なスケールで製作された社会派ドラマの傑作。航空会社の腐敗と、それに抗う一人の男の半生を描き出す。作品の完成度は極めて高く、日本映画史に残る重厚な作品として評価される。
作品の完成度
圧倒的な情報量と重厚なテーマを202分という長尺に凝縮した、驚異的な完成度。原作の膨大なエピソードを丹念に描き出しつつ、人間ドラマとしての深みを失わない脚本の妙技。アフリカでの壮大なロケーション撮影、御巣鷹山での墜落事故現場の再現など、細部まで徹底的に作り込まれた映像は観る者に強烈なリアリティを突きつける。企業内の権力闘争、労働組合の対立、そして国家のあり方といった複雑なテーマを、主人公・恩地の孤独な闘いを通して鮮やかに描き出す。社会派ドラマとしてだけでなく、一人の男の生き様を描いた人間ドラマとしても比類なき傑作。日本社会の闇を鋭く抉り出し、今なお色褪せない普遍的なテーマを持つ。
監督・演出・編集
監督は若き日の苦労を重ね、日本映画界の巨匠となった若松節朗。彼の演出は、静謐な抑制と情感の爆発を巧みに使い分け、観客の感情を深く揺さぶる。特に、恩地がアフリカの僻地で孤独に過ごすシーンや、御巣鷹山での墜落事故後の混乱を描いたシーンは、過剰な演出を排し、映像そのものが持つ力を最大限に引き出す。編集は、時系列を前後させながら、登場人物の過去と現在を織り交ぜる複雑な構成ながら、物語の骨格をしっかりと保ち、観客を飽きさせない。重厚なテーマを扱いながらも、エンターテインメントとして成立させているのは、若松監督の卓越した演出と編集の賜物。
キャスティング・役者の演技
* 渡辺謙(恩地元)
国民航空の労働組合委員長を務め、会社の不正を追求したためにパキスタン、アフリカの僻地へと左遷される主人公。渡辺謙は、恩地が味わう苦悩、孤独、そして不屈の精神を見事に体現。彼の演技は、抑制された感情の中に激しい情熱を秘めており、観客は恩地の心の叫びを肌で感じることができる。特に、アフリカでの過酷な生活の中での苦悩や、御巣鷹山での遺族への対応に苦慮する姿は、俳優としての真骨頂を発揮。権力に屈することなく信念を貫く男の生き様を、圧倒的な存在感で演じきった。彼の演技なくしてこの映画の成功はありえない。
* 三浦友和(行天四郎)
恩地の同期でありながら、出世のためには手段を選ばない男。労働組合の分裂後、会社の中枢に食い込み、恩地と対立する。三浦友和は、行天の冷徹さ、狡猾さ、そしてどこか哀愁を帯びた人間性を巧みに演じ分ける。恩地と行天の対立は、物語の主要な軸の一つであり、彼らの演技のぶつかり合いは観る者を強く引き込む。特に、恩地を前にした時の、複雑な感情を宿した表情は秀逸。行天というキャラクターの多面性を引き出し、物語に深みを与えている。
* 松雪泰子(三井美樹)
御巣鷹山で起きた航空機墜落事故の遺族。夫を亡くし、国民航空に対して激しい怒りと不信感を抱く。松雪泰子は、悲しみと怒り、そして絶望を抱えた遺族の心情を生々しく演じきる。彼女の演技は、事故の被害者の声なき声となって、観客に強い共感を呼び起こす。特に、国民航空の対応に抗議するシーンは、鬼気迫る迫力に満ちており、観客の心に深く突き刺さる。
* 香川照之(八木和夫)
国民航空の運輸部所属の整備士。御巣鷹山墜落事故の犠牲者となり、遺体となって恩地と対面する。わずかな出演時間ながら、香川照之の存在感は圧倒的。彼の演技は、事故の悲劇を象徴する重要な役割を果たす。遺体安置所で恩地が八木の遺体と対面するシーンは、この映画における最も印象的な場面の一つであり、香川の演技がその重みを増幅させている。
* 石坂浩二(利根川泰司)
国民航空の新会長。腐敗した組織の再建を託され、恩地を特別室に迎え入れる。石坂浩二は、利根川の知的で穏やかな佇まいの中に、改革への強い意志と覚悟をにじませる。恩地と対話するシーンは、物語の転換点であり、彼の落ち着いた演技が物語の緊張感を高めている。
脚本・ストーリー
山崎豊子の原作小説が持つ壮大なスケールと重厚なテーマを、過不足なく映画の脚本に落とし込んだ手腕は見事。航空会社の組織的な不正、労働組合の分裂、そして未曽有の航空機事故という複数の要素を、主人公・恩地の視点を通して統一感のある物語として構築。人間性の本質、組織と個人の葛藤、権力と信念の対立といった普遍的なテーマを深く掘り下げている。原作の持つ社会派としての鋭い視点と、人間ドラマとしての深みを両立させた脚本は、日本映画の歴史に残る傑作。
映像・美術衣装
アフリカでのロケーション撮影は、乾いた大地と灼熱の太陽を捉え、恩地の孤独と苦悩を視覚的に表現。一方で、御巣鷹山の墜落現場の再現は、悲劇の現実を観客に突きつける。国民航空の社屋や役員室、恩地の自宅など、細部にまでこだわった美術は、それぞれの場所が持つ空気感を正確に伝えている。衣装も、登場人物の階級や立場、心情を反映しており、物語のリアリティを高める重要な要素。
音楽
岩代太郎が手掛けた音楽は、物語の重厚なテーマに寄り添い、観客の感情を揺さぶる。特に、恩地が一人でいるシーンや、御巣鷹山での悲劇を描いたシーンで流れる音楽は、静謐でありながらも力強く、映像の力を最大限に引き出している。主題歌「見上げてごらん夜の星を」は、坂本九の歌声が主人公の心情と重なり、希望と悲哀を表現。映画の感動をさらに深めている。
受賞・ノミネート
* 第33回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞(渡辺謙)、最優秀助演男優賞(三浦友和)など、全12部門で受賞。
* 第34回報知映画賞最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(渡辺謙)受賞。
* 第64回毎日映画コンクール日本映画大賞受賞。
作品
監督 若松節朗
124×0.715 88.7
編集
主演 渡辺謙A9×3
助演 三浦友和 A9
脚本・ストーリー 原作
山崎豊子
脚本
西岡琢也 A9×7
撮影・映像 長沼六男
A9
美術・衣装 小川富美夫 B8
音楽 住友紀人 B8
身を粉にして働いても報われない
史実をベースにしてフィクションを重ねる巧妙な映画‼️❓
『あんたは偉い』の沈みきった大和と国営企業の最後。
僕自身の経験は、1985年8/15日に札幌へ同じ型の飛行機で行く予定でいた。怖かったなぁ。
ご冥福をお祈りします。
原作を読んでいた。大長編なので大変だった。しかし、映画は原作を割とすんなり作っていると思う。
さて、組合活動の件については、62年の時期で、しかも国営航空会社なのでよく分からないが、少なくとも、専従制度を取っているはずなので、こんな事にならないだろう。だから
作り話である。それは原作も同じ。
しかも、よりによって、その委員長がアフリカでハンターな真似事をする?
兎に角、現在の若い鑑賞者には考えられない話だと思う。戦前、戦中派世代の古い話である。僕の亡父の話では日〇国〇鉄〇でも似たような事があったと聞いていた。
まぁ、今の世代鑑賞者なら、『左遷人事でも世界一周出来るんだから良いじゃん』と思われるだろう。そのとおり。つまり、原作も含めて、寓話なデフォルメ話なのである。ひょっとすると存在した組合活動は特殊な活動で、それに対するプロパガンダ作品かもしれない。
でも、この頃はまだ製作者側も正義感を持って、もっともらしい映画を製作していたんだね。
オリ〇ピックは人を狂わす。と思う。
また、原作者がなんでこんな犯罪まがいの事を知っているんだ?と感じた。
追記
それで、あの事故は何が原因で、どこに責任があったの?
なんか、旧国営放送のドラマの様な話だね。
JAL123便の事故をベースにしたフィクション
長い
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主人公の渡辺謙は同僚の三浦友和と航空会社の労働組合を仕切っていた。
やり手で正義感の強いの渡辺は、会社に不利な条件も次々に飲ませた。
一方、どこか煮え切らない友和はそんな渡辺にコンプレックスを持っていた。
が、一本気するのが災いし、渡辺は海外に飛ばされた。
詫び状を書けば許されるのだが、仲間を裏切りたくないため書かなかった。
一方友和は仲間を裏切るような行動で会社に取り入って大出世する。
そこへ日航機事故が起こり、会長が変わったことで渡辺は国内復帰。
また為替や先物の不法取引も発覚し、対応に追われる。
被害者のことを第一に考えようとする渡辺は、会長からも認められる。
が、結局政治的な力により会長は辞任という形になる。
渡辺に依然劣等感を持ち、恐れている友和は渡辺を再度海外へ飛ばす。
終いには友和の娘の縁談を潰すといったような脅しまでかける。
が、結局密かに使っていたスパイ社員が自殺したことで全てがバレて逮捕。
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サラリーマンってのは本当に悲しい。
自分が正しいと思うことばかりやっているわけには行かない。
友和は最悪なことばっかりやるが、これが現実というものだろう。
友和はきっと根は悪い人間ではないと思う。
また自分のやっていることに納得行ってもないだろう。
でも自分のため、どうしても犠牲にしなくてはならないものもある。
特に1980年代当時は今よりもっとそういう色が濃かったのだとも思う。
反面、渡辺のようにそれを受け入れずに生きる人間も多かったのだと思う。
今の世のサラリーマンは右へ倣え的な人間ばかりだが、
権力に反発して波風を立てないのもサラリーマンの技術だ。
情けないけどね。
肝心の映画の感想は、「長い」。ちょっと長すぎるんじゃないのかなあ。
結局最も首長したかったのは渡辺と友和の対比なんだろうと思うけど、
他にも特に重要でないクダリも多かった気がするなあ。
長い作品だが、見応えはあった。主人公の恩地が遺族担当をしながら組合...
山崎豊子の超大作の映画化。 映画に全て収めるにはちょっと無理ありか...
冒頭から辛い。
原作が凄いだけにしょーがない…。
予兆と遠因
第33回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。
"金曜特別ロードショー" で鑑賞。
原作は未読。
実話を元にした、骨太な社会派超大作。日航機墜落事故を題材に、信念を貫いて大企業の悪しき体質と戦い続けた恩地と、友を裏切って会社の中で伸し上がっていく行天の対比と対峙が壮大なスケールで描かれていて、とても見応えがあった。
鑑賞時高校2年生だったため、日航機墜落事故は知っていたが、当時の出来事の壮絶さを、フィクションだから脚色されているとは言え、まざまざと見せつけられて衝撃を受けた。
社会人になり、現場工事の監督をしているが、本作で描かれていることが他人事では無い業界に身を置いている今、本作を振り返ると、また違った視点で捉えることが出来た。
事故には直接的な原因があり、その検証は今後の教訓を得る上でとても大切だが、事故の予兆や遠因はなんだったのかを知ることも同時に重要だろう。この事故は起こるべくして起きたものであり(それはある意味で人災と言えなくもない)、大企業の傲慢さと持つべき責任の重さに迫るストーリーは、現代社会に向けて多くのものを語っているように思える。
[以降の鑑賞記録]
2025/01/02:サンテレビ「新春特別ロードショー」
※修正(2025/01/02)
大根役者と思っていた三浦友和の悪さと弱さ見せる演技が素晴らしくて、驚かされた
重厚な物語だけど、楽しみどころがよくわからない
3時間の長編で非常に重厚な物語でした。見ごたえは十分にあったんですが色々な話が散りばめられているので、話の主題がよくわかりませんでした。
描きたいものが、主人公の半生なのか、生き様なのか、家族の絆なのか、日本航空の経営再建の話なのか、権力闘争なのか、不正問題なのか、労組問題なのか、御巣鷹山事故なのか。あっちへ行ったりこっちへ行ったりで、結局どのテーマをメインに映画を観ればいいのかわかりませんでした。長編小説を短い(と言っても3時間ありますが)時間に収めようとしたせいでしょうか。これは小説で読んだ方が満足感が高いんだろうなという印象です。
主人公にしても、不当人事で海外勤務を命じられて苦しい思いをしたことになっていますが、その海外では、門付きの立派な豪邸に住んで、休日にはハンティングを楽しんでいる様子。全然苦しそうに見えなかったんですよね。もっと危険が隣り合わせの日常だったり、過酷な住環境、労働環境だったりすれば見方も変わったんでしょうが。日本に残った労組仲間の方がよっぽど辛そうでした。
実話を元にしてるだけに引き込まれます
「沈まぬ太陽」が意味するものとは
白い巨塔、華麗なる一族、不毛地帯
どれも巨匠山崎豊子の不朽の名作です
そしてその映画化された作品もまた日本映画の至宝と言える作品ばかりです
本作もそれに連なる名作であることは間違いの無いことです
某航空会社とそのジャンボジェット機墜落事故が物語を中心になっています
しかし本作の真のテーマは違う所に在るのだと思います
本作の原作は1995年から1999年にかけて週刊誌に連載されました
つまりバブル崩壊が誰の目にも明らかになり、単なる不況ではない奈落の底に転落していくものなのではないのかと思い出した年から、その奈落の底にどんどん転落していき、恐慌の一歩手前
いやあと半歩で地獄の釜の蓋が開く
そんなところにまでいった年まで
その全期間を通して連載がなされたのです
国民航空とはナショナルフラッグです
つまり日本そのものを象徴しているのです
その国民航空という会社を通して日本のバブル崩壊とそれに翻弄される国民そのものを描いているのだと思います
だから「国民」航空という名前になっているのです
その原作の意図を監督はよく捉えて、そこに絞り込んで映画化されていると思います
沈まぬ太陽とは何か?
赤い夕陽
日本経済の斜陽、それが夕陽
しかし沈まない
それは決して沈ませることはできないのです
でも太陽は必ず沈むもの
一日の寿命があり、また翌朝東の空に蘇って昇るものです
そこには矛盾があります
だから無理なものを無理やり生き延びさせているということです
それは国民航空のことであり、当時明らかになってきた不良債権、巨額負債の巨大企業のことでもあります
主人公の恩地や行天達はその国民航空の矛盾の中で翻弄されているのです
テレックス、今の電子メールみたいなものです
その電文一枚で海外赴任が命ぜられます
自分も海外こそ有りませんが国内をFAX一枚で転勤を繰り返したものでした
新婚早々新生児を抱えて見も知らぬ土地に行ったことを思い出します
赴任先ではまず人間関係をと毎日飲み歩いて午前様でした
どれほど妻は心細かったことでしょう
次の任地で子供達が小学生に育った頃、また遠く離れた標準語と方言の違う地方に転勤しました
子供達にも、友達とはなれ離れにさせ、標準語で生意気だといじめられ、苦労をたくさんかけてしまいました
単身赴任も長くやりもしました
理不尽な左遷も経験しました
本作程のことはなくても、誰しも経験のあることことだと思います
鈴木京香の演じた恩地の妻りつ子の台詞は心に突き刺さるものでした
そしてバブル崩壊は、どんな一流会社でもリストラに追い込みました
どんどん営業成績が落ち込んでいくのを、あの手この手で、身体を壊す程働いて食い止めてきた社員を会社は大規模なリストラを断行せざるを得ないところまで行ったのです
そのとき社員の心に、日本人の心に何か起こったでしょうか?
アフリカで子供達とサッカーに興じて倒れ込むシーンはその見事な映像表現であったと思います
壊れてしまった会社への信頼、忠誠心、親しみ
今までの価値観
それらが総て崩れ去ってしまったのです
アフリカの地平線を見たときそんなものどうでもよくなったのです
それこそが本作の映画化のテーマになっていると思います
渡辺謙の演じる恩地は正にそのテーマに沿った演技であり見事だったと感嘆しました
沈まぬ太陽、アフリカの夕陽は二度画面に登場します
一度目は冒頭のタイトルバックで、二度目はエンドロールでです
そして一度目のものは赤い夕陽が逆転した日の丸のようにハッキリと写されます
そしてエンドロールの夕陽は雲が掛かって丸い太陽は見えないのです
本作が公開されたのは2009年10月
その前年2008年リーマンショックという世界的経済危機が起きました
バブル崩壊はなんとか切り抜け、巨額の不良債権問題、ゾンビ企業といわれた巨額負債の大企業にもメスがはいり、その処分に目処もついて景気もようやく上向く気配が出始めて来た矢先でした
当時、自分は毎週のように新幹線で東京大阪を行き来していましたが、それまで満員だったのがみるみるうちに客車が空っぽになったことを覚えています
欧米諸国の金融機関は恐慌になりかけており、日本にも確実に波及すると身構えなければならなかったのです
バブル崩壊の時の悪夢がまた繰り返されるという予感がしていたのです
そして2009年
その年8月の総選挙で政権交代が起こったのです
冒頭の巨象が恩地のライフルで眉間を撃ち抜かれて倒れるのはこのことを象徴しているように見えてきます
もちろん原作にあるエピソードで、このシーンをCGで作り上げて挿入するほど大事な意味があります
それが不思議なことに妙に現実と符合してしまっているのです
今度こそ沈まぬ太陽が沈んでしまうかも知れない
その最中に本作は公開されたのです
映画の神様の運命のいたずらなのでしょうか?
正に時節に一致した映画であったのです
また沈もうとする太陽を、無理やり沈ませないようにしなくてはならなくなったのです
本作公開以降に、世界的な超一流大企業にもかかわらず、不適切会計という粉飾事件を起こした会社、損失隠し問題が発覚した会社があり新聞の一面を騒がす騒動もありました
超一流の監査法人も、巨大株式幹事会社もそれに手を貸していたのです
あのような事件の中では、多くの行天や恩地、不正に都合よく利用された八木といった本作の登場人物と同じような人間が数限りなくいたことでしょう
その会社だけでなく日本中の会社であったはずです
自分のいた会社も然りでした
本作のような世界は本当にあるのです
太陽を沈ませないないなんて無理なことをやればこんな事になってしまうのです
精神に失調をきたしてしまう八木を演じた香川照之は見事でした
本当にあの様になってしまうのです
既視感があります
本作は某航空会社の事だけの話ではありません
日本中の会社に大なり小なり起こったことなのです
そしてこれからも起きるでしょう
本作を観たあなたが、行天になってしまうかも知れません
恩地のように辛い目にあいながらも戦うかも知れません
八木のように壊れてしまうかも知れません
某航空会社だけの物語ではないのです
日本の企業、組織で働く、私たち全員の物語なのです
モデルとなった某航空会社は本作公開の僅か3ヶ月後に倒産しました
それからのことはご存知の通り
沈まぬ太陽はないのです
利権大国日本
労働組合は正義で会社は悪!という山崎豊子の誤った認識のもとに創られ...
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