アベンジャーズ : インタビュー
ロバート・ダウニー・Jr.が語る、妻と二人三脚で練る今後の展望
アイアンマンことトニー・スタークは鼻持ちならない天才発明家だが、冷笑的な外見とは裏腹に繊細なハートを持ちあわせている。このキャラクター設定は、スターク役でトップ俳優の仲間入りを果たしたロバート・ダウニー・Jr.と重複する。マーベルのスーパーヒーローが豪華共演する「アベンジャーズ」に出演した個性派俳優に、いまの心境を語ってもらった。(取材・文/小西未来)
――「アイアンマン」シリーズでトニー・スタークはもちろん主役ですが、今回はアベンジャーズのひとりとなりました。ひとりで映画を引っ張るのと、他のヒーローと共演するのとどちらのほうが好きですか?
「いまは『アイアンマン3』の撮影が待ち遠しくてたまらない」
――正直なんですね(笑)。
「ただ、誰もが楽しみにしている映画に出演できたのは、幸せだった。『アベンジャーズ』の映画化が発表されてから、あらゆる場所で『楽しみにしています!』と声をかけられたからね」
――期待値が高いだけに、いい映画にしなきゃいけないというプレッシャーも大きかったんじゃないですか?
「確かに。原作では、『アベンジャーズ』やアイアンマン、ソー、ハルクは、それぞれ何度も生まれ変わっていて、そのなかには傑作がいくつもある。原作がここまで優れているんだから、映画版も負けてはいられない。やっぱり、スタン・リーが賢かったのは、これだけたくさんのキャラクターを生み出しながら、それぞれ異なる個性の持ち主にして、他人と相容れない設定にしたことだと思う。だから、コミックの長い歴史のなかでも、彼らは衝突しあっているし、今回の映画版でもその点が生かされていると思う」
――スーパーヒーローのなかでもアイアンマンが一番人気ですが、その秘密はなんだと思いますか?
「それは、わからないな。ただ、1960年代という冷戦のまっただ中に、スタン・リーがこれほどまでにメインストリームなキャラクターを生み出したことは、とてもクレイジーだったと思う。単なる風刺ではなく、理想をもった正統派ヒーローとして描いている。テクノロジーの力を借りたヒーローという点も、他のスーパーヒーローとは違った個性だよね」
――「アイアンマン」や「シャーロック・ホームズ」など、アクション大作を中心に出演しているいまの立場をどう見ていますか?
「僕には映画プロデューサーの妻がいて、2人で計画をちゃんと立てているんだ。僕らの夢は、これからそれほど遠くない未来に、妻と一緒に企画開発したオリジナル映画を発表することだ。個人的に挑戦してみたい題材をいくつも温めているからね。振り返ってみると、かつての僕はオファーされた役をなんでもこなす役者だった。好き嫌いなんて言っていたら仕事をもらえないから、なんでも引き受けた。いまはすこし出世して、複数の続編への出演義務が発生する映画企画をオファーされる立場になった。嫌いではないし、とくに『シャーロック・ホームズ』が個人的には一番のお気に入りだ。刺激的で、とても楽しい。だから、今後も需要がある限りは続けていきたいと思っているけれど、この状態がいつまでも続くなどとは思っていない。だから、いわゆる<スーパーヒーロー時代>が過ぎ去ったら、妻と小規模映画を作っていきたいと思っているんだ」