子供目線から見て、大人がどう見えているのか。
それを一人一人、自分なりの考察を加えて見ていくのが面白かった。
ママはダメダメばかり言うけど、なんでダメなのか、肝心な事はいつもダンマリで教えてくれない。ママって意外と物知らずで、頭が悪いのかも。大好きだけどね。
お姉ちゃんは、いっつも誰かの受け売りしか言わない。最近は、ユダヤ人は悪人って決めつけてる、やっぱり受け売りで。でも、誰も教えてくれなかった、強制収容所ってワードを最初に教えてくれたんだ。ママよりは正直者だね。
パパは、立派な軍人らしいんだけど、部下も沢山いるんだけど、悪人を集めた所長らしいし、尊敬していいのかどうか、わかんないね。ああ見えて頑固だから、めんどくさいよ。
お手伝いさんは、基本はボクの味方、だけど微妙なラインの話はボカして、肝心なことはあまり教えてくれないね。
パヴェルは、汚いパジャマ着て、家を出入りする自称医者らしいんだけど、芋の皮むきばっかしてて、嘘くさいんだよね、でも優しい爺さんだよ。
リスト先生は、つまんない歴史の話ばかりしてて、ほんとクソつまんない。最悪だよあいつ。
おじいちゃんは、会うたびにパパを褒めたたえるけど、あんまし中身のある事、言わないかな。好きだけど、パパよりは威厳がないかな。あんま大したことない。
コトラー中尉の兄ちゃんは、突然凄んできたり、ユダヤ人を恫喝したり、こえーよ。あいつ、ヤベーよ。でもなんか、パパに怒られて、前線行かされてもう生きてないみたい。ざまあみろだよね。
シュムールは、ボクの新しい友達。毎日パジャマしか着てない。収容所にはカフェもあるはずなのに、いつも腹ペコで、しょうがないから会うときは食べ物差し入れしてるよ。
でも、コトラー兄ちゃんに恫喝された時、怖くて友達じゃないって嘘ついちゃったんだ。マジごめんね。罪滅ぼしのために今度、行方不明中の彼のパパを、彼のパジャマ着て一緒に探すんだ。この前の嘘のリベンジ、しないとね。よーし明日は頑張るぞー。
いやぁ、衝撃のラスト20分だった。
子供の友情を深めつつ、最後は少し悲しく終わる話かな、と軽くみていたら、
冬の海に突き落とされるかのような、どんでん返し系の話だった。体調悪い時に観たら、確実に悪化する。あの展開、全く読めなかった。