「このシャーロック・ホームズ、アリです。」シャーロック・ホームズ 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
このシャーロック・ホームズ、アリです。
実在説も有る(?)シャーロック・ホームズ。今回の映画は、コナン・ドイルの原作には無いオリジナル脚本です。今回シャーロック・ホームズを演じたのは、ロバート・ダウニー・Jr。そして、初老の紳士と言うイメージのあったワトソン医師は、何と!ジュード・ロウ。若いワトソンです。
設定は、1891年。モリアーティ教授と死闘を繰り広げる「最後の事件」も1891年なので、その直前と言う感じですかね。もっとも、「ボヘミアの醜聞」が出版されたのは1891年7月なんですが、この時既に『故アイリーン・アドラー』と「ボヘミアの醜聞」にはあるので、それより前と言うことですね。と言う事で、本当に「最後の事件」の直前ですね、たぶん。
シャーロック・ホームズと言えば、NHKで放送されたいたバージョンに出ていたジェレミー・ブレットが思いつくのではないでしょうか? その作品でのシャーロック・ホームズのイメージは、物静かで、日本人がイメージするイギリス紳士と言う感じではないかと思います。彼の演じるシャーロック・ホームズも、一級品でした。乱暴なシャーロック・ホームズなんて、嫌ですよね(笑)。
でも、この映画を見ながら思い出してみたんですが、原作には、ホームズが、明かりを消して煙(タバコ?アヘン?)の充満した部屋に居る描写や部屋で銃をぶっ放す描写、あるいはバイオリンを引きながら色んな思索にふける描写、また、マーシャルアーツやバリツ(バーティツ)の使い手であることの説明、そして何より、結構、銃を持って、ワトソンと共に犯罪現場に踏み込むなどのシーンが有ったことなどを沢山思い出しました。巷では、この「シャーロック・ホームズ」は、『元々のイメージ近い』と言われていますが、本当にそうかもしれませんね。映像で見ると、あの描写は、こういう事だったのかと思いました。
ローザラム卿の事を“首席裁判官”とか訳していましたが、それって、大法官か何かではないかと思いました。
いやぁ、意外でしたが、ロバート・ダウニー・Jrのシャーロック・ホームズは、良いですね。良く考えると、シャーロック・ホームズ一番活躍したこの時期は、脂の乗った壮年期であるはずですから、ロバート・ダウニー・Jr位の年齢が丁度良いのかもしれませんね。あわせて考えると、ワトソンもそうで、ジュード・ロウ位の年齢だったのかもしれません。
聞くところによれば、続編が作られているらしいです。って言うか、モリアーティ教授の存在を匂わすあの描写は、どう考えても次への伏線です(笑)。
第67回ゴールデングローブ賞主演男優賞ミュージカル・コメディ部門(ロバート・ダウニー・Jr)授賞です。第82回アカデミー賞では、作曲賞、美術賞にノミネートされましたが、授賞はなりませんでした。