カイジ 人生逆転ゲームのレビュー・感想・評価
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テレビで観るなら……
テレビドラマの「LiarGame(ライアーゲーム)」を映画館で見せられた感じです。基本的に、騙されてから騙し返すといった俳優同士の駆け引き、段階的にステージが用意されているストーリー、漫画を原作にしているために激しいリアクションとか似通っているように感じました。ライアーゲーム好きなら楽しめる作品かと思いますが、映画館で観ろとは口が裂けても私は言えない。
脚本は大森美香氏。デトロイトメタルシティの脚本も書かれているようで、原作ありきの作品が多いようにみえます。原作のデトロイトメタルシティ好きからいうと全然原作の良さがないとのことでしたが、特段嫌いな脚本家ではありません。しかし、今回のカイジは台詞などは忠実に再現している点があるにもかかわらず、ゲームの中身のなさ、トリックのしょうもなさ、はしおり過ぎだろうと。原作は少ししか読んだことありませんが、原作好きの人には勧めたくないし、原作好きと自称する人に「良かった」等と言って欲しくないなぁと個人的には思うわけです。
藤原竜也氏は舞台的な演技が目立つものの難しいカイジを演じきっている部分は、確実にこの映画の魅力だと思いました。松山ケンイチとの共演も見所かと。
ただ、実力派の俳優陣といわれても納得いかない感じはありました。藤原竜也と松山ケンイチ以外はテレビクォリティって感じでした。
藤原竜也好きならどうぞ、できればテレビかレンタル。
ゲームに勝つということ
自ブログより抜粋で。
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シンプルなお話にしては“地下帝国”が少々回りくどく感じられたり、高層ビルでの“鉄骨渡り”にあまり高さを表現できていない演出の弱さを感じたりと、気になる点もありはしたが、実力派揃いの俳優陣の演技合戦に最後まで緊張感が途切れずに観られた。
テンポ良く始まる導入部から後味のいいラストまで手際よく消化されていくエピソードにそつはなく、独創的な世界観も映画的な愉しさに満ちたものだ。
ただ、ふと気になったのはその妙に爽やかな後味の良さ。
最後にカイジが果たした約束は、自分のことを顧みないこんないい奴だから負け組人生を送ることになっちゃうんだという“おかしみ”をはらんだ行為。
それは負け組からの人生逆転というより、こんな人生でも自分らしくあることを肯定したような幕切れに思えた。
戦いのさなかで散っていった仲間たちにも同じような好感を持つ。
彼らは負け組同士の戦いに敗れてしまった、言うなれば負け組の中の負け組。光石研が演じたおっちゃんこと石田にしても、友情出演の松山ケンイチ演じる佐原にしても、結局は這い上がれないまま舞台から消えていったわけだが、そこには彼らなりの生き様があった。
そういった良識ある娯楽作品としてのスタンスは、こういう時代にあって心のどこかで勝ち組になれなかったと自認している、あるいは勝ち組・負け組といった階級制度的な物言いを嫌う多くの者にとって、それなりに耳障りのいいものだろう。
ただ一言余計なことを言わせてもらうと、実は死人も多く出ているはずなのに、利根川が負け組たちに向かって吐く過激な言葉ほどには作品に“毒”は感じられず、それが娯楽映画としての心地よさにつながるのだが、と同時に、時代にマッチした「あきらめない」というテーマまでもが生ぬるく感じられたというのが正直な感想だ。
「勝たなきゃゴミだ!」と言い放つ利根川の乱暴極まりない言葉もあながち間違いではないからこそ、この荒唐無稽な人生逆転ゲームが観る者の共感を呼ぶのではないか。その暴言こそがこの映画の絵空事な世界観を支える唯一のリアリティであることに皆気付いているはずだ。
ある面での時代の真理を浮かび上がらせておきながら、“本当のこと”を口にしてしまう暴君を打ち破るだけでは、耳の痛いことに蓋をしただけのように思えてならない。
映画が終わった後も、おそらくあの地下帝国では以前と変わらぬ強制労働が続けられているであろうにも関わらず、そこから目を背けた結末からも、それは連想される。
虐げられる弱者を描いたエンターテイメント志向の映画として、この映画のラストに、やはりマンガが原作の『イキガミ』(2008年、瀧本智行監督)を思い出した。
『イキガミ』もこの映画と同じように、最後に体制が変わるわけではない、言ってみれば何も解決しない終わり方だったが、そこにはそんな社会を憎む、強い意志が感じられた。
元の生活に戻ったカイジはこの希有な体験を通して、なにか変わったのだろうか。
結局カイジは、ゲームのルールに則って、そのゲームに勝っただけなのだ。
しかしそのルールこそが、勝ち組・負け組を作り出しているという事実、しょせんはルールを決めた者の手の上で踊らされているだけということを、この映画は描き切れていなかった。
爽快なラストから感じた違和感の正体は、そんなところにある気がする。
ギャンブルは毒。
繊細さは無いが、ゲームシーンの盛り上げ方は巧い。
原作について知ってる事と言えば、そのとんがった絵柄と“ざわざわ”という効果音くらい。
原作ファンの方々の受けはイマイチのようだが、原作未読の僕はなかなかどうして楽しめた。
大都市に秘密の地下坑道があったり金持ちの道楽として殺人ゲームが行われてたり、かなり荒唐無稽な世界観。
キャスト全員がオーバーアクトで、繊細な演技にゃ全くお目にかかれないが、現実を誇張したこの世界観の中では演技もこれぐらい誇張した方がいいのかも
(特に香川照之のヌメヌメした悪役ぶりは大好き)。
けどそれを考慮しても、藤原竜也の演技は大袈裟だなあ。序盤のせわしなさも手伝い、人生を変えてやる!という切迫感や金への執着が伝わらない。お陰で、物語を通しての主人公の成長すら見え辛くなってしまった。これはかなり痛い。
だが劇中に登場するゲームはどれもひとヒネリあって面白い。
特にクライマックスを飾る『Eカード』の盛り上げ方は巧い。多彩なカット割りと映像に寄り添った音楽が緊張感を煽り、結末は分かっているのに手に汗握ってしまう。
カードゲームのシーンをこれだけ盛り上げることの出来た映画ってあんまり無いんじゃないかしら。自分が知らないだけかもしらないが。
典型的駄作!
これはカイジではない。
福本さんの作品はほぼ全て見ていて、大好きです。
カイジも大好きで、映画も楽しみにしていました。
まず、2時間にカイジを入れるのが不可能です。
はしょりまくっていて、カイジの醍醐味である「駆け引き」や心理描写などが薄っぺらいものでしかありませんでした。
限定ジャンケンも、グー買占めや、パー買占め派との勝負、船井の追い込み、古畑・安藤の裏切り、絶望のマジックミラーの部屋での起死回生と、全てはしょってあり、とても修羅場をくぐったとはとても言いがたいですよね。カイジがやったことといえば、カードに血を塗ってすり替えただけ。アホかと。それだけなら、別に限定ジャンケンでなくても何でもいい。ただのカードゲームで血を使ってカードをすり替えただけだし。
それにカード1枚余って別室に行くのも、原作ではカードが一枚余ることを承知の上、覚悟して船井と決戦するのに、映画だとコンビのオヤジが「あ、一枚残ってた」という展開で別室へ。
限定ジャンケンの制限時間が30分になってる時点で、見る気が失せました。豪華客船でやんないでいいじゃん。公民館かどっかでやれよ。って感じです。
そして、別室がこれまた地下。大槻班長のいる地下帝国です。
そういう展開かぁ~と思いつつ、チンチロで脱出するんだな!とちょっと楽しみにしていたら、チンチロなど何もなく、「ブレイブメンロード」に行くやつは自由に出られますよ、という設定。意味が分からん。地下は物理的にどうやっても出られないから地下の意味があるんじゃないの?大槻も囚人(?)側だから人質にもできないっていう設定なんじゃないの?という思いがこみ上げます。
特に、大槻とのチンチロ決戦の爽快感は原作で忘れられないので、映画のような大槻野放しの展開は許せません。
まぁ、ブレイブメンロードは、原作でもあまり駆け引きとかなく面白くないのでいいとして、Eカードも3回戦しかないです。皇帝側と奴隷側を順番にやっていくっていうのもなく、聴覚を賭けるというのもない。まぁ、耳に器具をつけて・・・って言うのもうざったいので、いいとするとしても、なんかよく分からん展開です。借金を返したら数十万円しかなかったから、それを2000万に増やすためにEカード?うーん。
兵藤の狂ってる感じもいまいちだったし(実写では無理か?)、利根川の貫禄(アニメの声優が白竜で超合っているにもかかわらず)もいまいちだったし。
いろんな意味で残念な映画でした。
「カイジが、結局、カードすり替えトリックでうまく行ったね」っていう映画です。駆け引きも何もないです。原作ファンとしては、かなり残念です。
カイジの続編、ないんだろうなぁ~。
あとは、沼、17歩、とパチンコと麻雀だからなぁ。観客動員できるとは思えないテーマだよ。。。個人的には好きだけど。
これでカイジの映画も終わりか・・・。
コワイ・ヒドイ・オモシロイ映画でした。
映画館に置いてあった、小冊子を読んだだけの知識で見に行きました。
思っていたより、社会派作品でした。
ストーリー運びが巧妙で、そこまでやるか?!という連続だったけれど、色々な意味でキョーレツで、堪能できる作品でした。
藤原竜也さんは、すごく良いのだけど、少し大袈裟な演技かな~と思ったけれど、原作を読んでいる友人に聞くと、そんな感じのようですね。
悪いヤツが、何人か出てきます。
他人に借金を背負わせて、トンズラする友人もどき。
悪の組織でのし上がって人の心を持たない、香川照之さん演じる利根川。 皆の憎しみを一身に受ける役を熱演。
地下で負け組達を束ねる、松尾スズキさん演じる班長。 こういう「小悪党」の、良い人面して、ずる賢くて、セコイ、イヤラシさを好演。
天海祐希さん演じる、町金。とことん悪くなくても、迫力ある女性。
山本太郎さんの、憎たらしさ。
友情出演の松山ケンイチさん、良かったです。
カムイの時より、足が長くなった?!
皆さん、さすが!! 良かったです。
じゃんけんゲームも、そんな手があったか!と思いました。
電流鉄骨渡りシーンでは、特撮だよね~とわかっていても、手に汗握り、もっと慎重に行きなさいよとか・・・そんなに悠長に喋ってないで早く行きなさいよとか・・・、いつの間にか一生懸命応援していました。
地下で、汗水垂らして力仕事した後の、一杯のビール。
「悪魔的にうまい!!」というあの一言。
その美味しさを知ることが、大切なんですね。
人生逆転ゲームと副題がついているけれど、「勝ち組」だとか、「負け組」だとかじゃなくて、「何が大切か」をわかること。
他にも、人生教訓が色々出てきます。
保証人にはなるな。
最後の最後まであきらめるな。などなど。
以下、ネタばれです。
最後、カイジは命がけで手に入れたナケナシのお金を、おっさんの娘に渡してしまう。
おっさんが握りしめていて(カイジも握りしめていて)、よれよれぼろぼろになったた手形とともに。
そんなことをすると、また元のビンボー生活に戻るわけだけど、カイジは、晴れ晴れと、清々しい顔をしている。
何が大切かわかった顔。
ぬるま湯につかっている私などには、ハラハラドキドキ恐くて、でも、教訓ありの、社会派エンタメ作品でした。
ナイスザワザワ!
う~ん…
正直、原作ファンには少々物足りない内容だったかもしれません。
まずですね、ゲーム内容を端折りすぎな感じがします。
福本漫画特有の毒気に満ちたセリフも結構テコ入れされてます。
そして、原作と最大の違いは…キャストの額、鼻、顎が尖ってない(これは当り前かw)
ただ、映画としての〝落としどころ〟〝カタルシス〟を考えれば、仕方ないかな、とも理解できます。
感心した点もありますよ。
原作の第1部「限定ジャンケン」「鉄骨渡り」「Eカード」を見事にまとめたのは流石だと思いました。
「限定ジャンケン」を30分ルールに変更したのは少々ガッカリしました(これだけ映画にしても良い内容なので)が、メリハリの利いたイイ緊迫感があったし、「鉄骨渡り」は自分も足が竦む思いで、手に汗握りましたw
そして、そして…「Eカード」!!
原作よりも、かなり若い利根川(香川さんw)とカイジの直接対決!!
原作ファンには嬉しい、あの「ザワザワ」が満を持して登場します!!
自分、ニヤリとしてしまいましたw
…なんだ、結局楽しんでたんじゃん、俺w
原作好きの視点で語ってしまいましたが、映画としての完成度は高いと思います。
是非、劇場へ!!!!!
カイジ
主役のセリフが「ざわざわ」・・・
思ったより楽しめた
大きな期待をせずに見たらサクサクと話が進み、気軽に見れのはいいがすっきりし過ぎだなと思ったが、終わってから思い出すとなかなかよくできていると感じた。
マンガ原作にリアリティを持たせる努力をさほどしているとは思わないが、地下労働から松尾スズキとのやりとり→松山ケンイチとの出会い→鉄骨渡りへの挑戦、この流れが良い。(鉄骨渡りがしょぼいのは置いといて)ここでカイジがはじめて経験した修羅場を経験して度胸がつき、(人間的に成長したかは疑問)Eカードの駆け引きに説得力が出た。
気になったのは音がボケボケだったこと、これが会場の問題か映画自体に問題にあるのかは分からない。
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