「突撃!一家でロケ現場。」ザ・ファイター ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
突撃!一家でロケ現場。
今年、アカデミー賞の助演賞を独占した怪作^^;
男優賞にC・ベール、女優賞にM・レオ。
ハテどんなもんだろうか?…と恐る恐る観たものの(爆)
いやはや、恐れ入りました!のこれまた怪演だった^^;
すんごいんだわ、この二人が。実際の二人がこうなんでしょう。
受賞も納得。顔も似てる。(爆)
今作は実話なので、仕上がりとしてはうわ~♪という単純な
サクセスストーリーにはなっていない。まぁ…ボクシングなんで、
後半で大いに盛り上がるのはもちろんなんですが^^;
普通ボクシング映画というのは、主人公の敵は対戦相手だ。
でも今作の主人公(で、いいのよね^^;)のミッキーには最大の敵、
モンスター家族がついているのだ。これがまぁ…酷いのなんの。
金のためならどんな試合でも組んでしまう自称^^;マネージャーの母、
昔、天才ボクサーと地元の期待を背負ったドラッグ依存症の異父兄。
このどうしようもなく荒れ果てた家族(温厚な父と金魚の糞姉達もいる)
の期待(というかマネー)を背負って戦うのが可哀想なミッキーなのだ。
コイツら、本気でミッキーをチャンプにする気あんのか?とすら思う。
一応主人公なのに^^;黙って彼らに従い大怪我を負い、コレじゃあ…
と思った所へ救世主、酒場のオンナが現れる(我らがE・アダムス!!)
このまた、鼻っ柱の強い彼女のおかげでミッキーは自分を大切にする
ことを学び、家族と訣別することを条件に、試合に挑み始める。が…
あの、別にボクシングをやるヒトが皆ブルーカラーだとは言いません。
でもね、オシャレなお金持ちがタイトル獲っても面白くないのは事実。
生きるか死ぬかの攻防戦で観衆のハートを掴むのは、やはり血で血を
あらう闘いに挑む輩で、そこには当然プライドを凌ぐ賞金が懸っている。
異父兄であるディッキーは、シュガー・レイを倒した(本人談^^;)という
プライドを努力に繋げず、過保護な母親に溺愛されてドラッグに溺れた。
いい歳こいて、何やってんの!?というシーンがテンコ盛りだが、
そんな兄をボクサーとしては買っている弟の目も確かに狂ってはいない。
どんなに有能なマネージャーが付こうと、実際にリングに上がった者で
なければ分からない闘い方のノウハウがあるのだと思う。
小さな頃から兄貴にそれを教わってきた弟には、どうしても外せない兄、
サッサとドラッグやめろ!と観客全員で思いますわねー^^;
さて…そのドラッグ更生施設を出て、家族の元に戻った兄貴ですが…。
無事に弟くんをチャンプに導くことが出来たんでしょうか…。
そしてあの母親は弟くんの長年の忍耐に気付いてあげられたでしょうか…。
まぁ^^;この二人の暴力や暴言やトチ狂った演技はかなり観モノです!
でもその仕打ちに耐えた今の夫と、弟くん、そして彼女はすごいぞ!!
ボクシング映画を観てるんだか、バイオレンス一家を観てるんだか、
一瞬分からなくなることもありますが^^;しかし話は、ちゃんと結末へ…。
エンドロールの冒頭、当然(ですかね、やはり)ご本人たちが出ます^^;
この時の兄と弟のやりとりがまた面白い!!変わってないんだね…^^;
(毎日ロケ現場に家族の誰かが現れていたそうです。あの一家なら納得)