イングロリアス・バスターズのレビュー・感想・評価
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タランティーノ監督作品で、高評価を得ているので視聴してみたが、あま...
タランティーノ監督作品で、高評価を得ているので視聴してみたが、あまり面白くなかった。途中で何度も寝落ちしてしまい、あまり観れていないので、語る事なし。
尺と間と極上の俳優陣を贅沢に起用した戦争娯楽大作
第二次世界大戦の中、ドイツ軍の占領下にあったフランスを舞台に、ナチス親衛隊に家族を虐殺された復讐に燃えるユダヤ系フランス人の女性ショシャナ、ドイツ軍指導者暗殺を目論むユダヤ系アメリカ人のアルドレイン中尉率いる米陸軍特殊部隊「バスターズ」らの戦いを描いたクエンティンタランティーノ監督による戦争娯楽大作。
ユダヤ人によるドイツ軍への復讐という重めのテーマでありながら、豪華な俳優陣による大仰でクセの強い演技や2時間半超の尺をほとんど会話劇で展開していく構成で緊張感溢れながらもユーモアに富んだ内容で全く飽きさせない痛快なエンタメ作品に仕上がっていた。
タランティーノ監督お得意の「無駄話」も戦争中かつスパイとして潜入しているという特殊な環境下とあってかどこか意味のある、もしくは相手に正体を悟られるヒントになりうる会話内容になっていて、会話の細部に深い意味やミスがあるのではないかと気になって仕方なくなる、今までの作風と違った演出となっているような気がした。
さらには英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語を巧みに操る登場人物の中でも、言葉遣いや発音、アクセントの不自然さが目立ち、終いには身振り手振りすら怪しいと思われてしまう(らしい笑)、一つ一つの行動言動に重要な要素が含まれていて、会話劇に更なる緊張感をもたらしていた。
そんな中、何よりも存在感を放っていたのがSS(ナチス親衛隊)のハンスランダ大佐演じるクリストフヴァルツである。
フランスの片田舎、ラパディット宅を訪れた冒頭20分の尋問シーンはまさに映画史に残るOPで、紳士的で友好的な振る舞いの裏に秘められた有無も言わさぬ威圧感や腹の底の読めないポーカーフェイスなど見るからに「ヤバイ」人物と感じさせる圧倒的な存在感で一気に引き込まれた。
自らを有能な探偵と称するように周囲の人間や状況を考察する観察眼に長け、自らの優位性を確保しつつ行動する狡猾さも兼ね備えた、ある意味無敵の悪役を見事に演じ、その年のアカデミー賞助演男優賞とカンヌ国際映画祭の男優賞の受賞を始め、賞レースを総ナメする大活躍を見せた。
もちろん彼のみの活躍ではなく、主演の残忍かつ冷徹な特殊部隊「バスターズ」を率いるアルドレイン中尉には大スターブラッドピット、ナチへの復讐に燃える美しきユダヤ人女性ショシャナにメラニーロラン、ドイツ軍の英雄にして映画スターのフレデリックにダニエルブリュール(自信家で空気の読めない鼻につく軍人の演技が絶妙!笑)などタランティーノ組に初参加の俳優陣がそれぞれ癖の強い演技で魅せる。
特に序盤から中盤にかけてナチのプレミア上映会に潜入する手引きとして、ドイツ人女優のブリジットフォンハマーシュマルクと合流するために「バスターズ」と手を組んだ英軍のヒコックス中尉演じる我らがマイケルファスベンダーとドイツ軍のヘルシュトローム少佐らとの腹の探り合いを繰り広げるバーのシーンは最高だ。
前述の発音やアクセントの違和感から始まる尋問さながらの会話や楽しげに見えるトランプゲームが数十分に渡り続くシーンなのだが、これがいつまでも観てられる名シーンだった。
もちろんアクセントがおかしいだとかは全く分からないのだが、ドイツ語とフランス語の発音の独特さが好みど真ん中で(変態?)、耳にも目にも楽しいシーンの連続であった。
キャスト面や意外なストーリー性から往年のタランティーノ映画とまた一味違った作風かなと感じつつも、ノンクレの声のみで盟友ハーヴェイカイテルとサミュエル伯父貴が出演している往年の友情を感じる熱い起用や映画のフィルムを燃やしてナチを根絶やしにするというまさに映画をもってして悪を倒すというタランティーノの映画愛が爆発して傑作の1本と感じた。
BINGO!
映画館で見ることができて嬉しい。画面の大きさには意味がある。細かい表情(冒頭の酪農家の箇所でデニス・メノシェが涙を流すなど)も(軍服着てると訳わからなくなる)役者の相違もクリストフ・ヴァルツの優雅で怖いハンサムさもすごくよく見えた。サウンドデザインもカメラワークの良さも立体的で胸にドンと来た。配信で何度も何度も見た映画だけれど映画館で見るのは本当にいい。タランティーノの足フェチもすごく良く分かった!ブラピの声はやはりいい!
煙草の煙と匂い、ショシャナには牛乳を飲ませ、後からわざとらしくStrudel用に生クリーム(これも乳製品)を注文する。ある程度食べてからそのクリームに吸ってた煙草を押しつけて火を消す。意味深で怖い!冒頭の「酪農家」シーンを思い出させる要素を散りばめた、ショシャナとヴァルツ再会のこの場面は大きな山場の一つで、ヴァルツのほのめかし、ショシャナの緊張感と安堵感はまさに見事だった。(2022.7.3.)
ハーケンクロイツを見るだけで吐き気がするのですがこの映画では耐えられました。何回見ても発見があります!映画館ロビーでイタリア人の振りをしての紹介場面はキャッキャッと笑えました!!ブラピは表情で勝負、他の3名はイタリア系に見える!みんなのイタリア語発音チェックをするクリストフ・ヴァルツの嫌らしさ、如何にもウィーン人!ブラピに何回も発音させたり、できないのにbravoと言うし。ブラピのイタリア語が一番凄くてお腹が痛くなるほど笑えました。ヴァルツの慇懃無礼さ、言語能力の高さ、エレガントな振る舞い、そしてStrudel(「黄金のアデーレ」でもミレン演じるマリアは手作りして若い弁護士に食べて行けと言った。オーストリアの人間にとって大事なお菓子なんだろうな)食べながら話しているのに、決してお行儀悪く見えないのが神業のようでした。
20年代、最高の映画製作の場だったUFAの話をファスベンダーに語らせたり、「嘆きの天使」の教授役のエミール・ヤニングスをプレミア映画のロビーに登場させてたし、流行りに流行ったレニ・リーフェンシュタールの山岳映画シリーズ(スパイの女優ーダイアン・クルーガー適役!ーも足の怪我を山登りのせいにしてた)と、タランティーノの映画愛が爆発してた。
発音でどこ出身かすぐわかるし母語話者かどうかすぐわかるドイツ語、ドイツ人が好きそうなカードゲーム、指での数の数え方の違い(致命的!)、当時の、女性への話しかけ方、全てが濃厚でリアルでした。
ショシャナの赤いドレスに黒いベールは敵討ちのいでたち。「マリア・ブラウンの結婚」のハンナ・シグラを彷彿とさせる強さと美しさに溢れていた。デビッド・ボウイをバックにチークを入れるシーンは、気合いと決意と悲しみがまっすぐに伝わる場面でこの映画で一番心動かされた。冒頭の酪農家に思いを馳せると末娘のレア・セドゥの目がとても印象的だった。ヨーロッパ色が強い映画にタランティーノ風味たっぷりで大満足でした。タランティーノがますます好きになりました。
追記(2020.8/31)
今日見た映画「映画音響」でわかった!キングコングが映画化されたのは1933年。だから「私は誰でしょう?」ゲームでKing Kongが出てたのは時代的にピッタシ!さすがタランティーノ!
追記2(2020.12/31)
ダニエル・ブリュール確認の為に再度鑑賞!顔見てすぐわかったのは「ラッシュ」のおかげ!フランス語も流暢。映画好きで、ショシャナに恋心を抱く。「英雄」だから自分が主演の映画に自分が主役を演じるはめになるが殺戮場面に耐えられなくなって席を立つ。平時だったらごく普通の爽やかな好青年。戦争は普通を普通でなくしてしまう。ブリュールにぴったりの役だった。
追記3 (2021.5/16)
wikiで読んだこと:ホロコーストを扱った映画「ショア」(すごく長いが見た)のランズマン監督は、ホロコーストをテーマとする映画全般にかなり批判的な立場だが、「イングロリアス・バスターズ」は気に入っているとありました。ナチやホロコーストを扱う映画はかなりの覚悟がないと私はなかなか見ることができません。そんな気持ちを少し壊してくれたのがタランティーノのこの映画でした。
迫力はあるが…。
緊迫感のあるシーンが随所にあり、後半は
引き込まれてるように観たけど、後味の悪さが
最後に残ってしまった。
何もそこまでしなくても的な…。
同じタランティーノ監督でも個人的には「ジャンゴ」の方が好き。
面白いと言えば面白いけど好き嫌いがはっきり
分かれる映画。
クリストフ・ヴァルツの達者な演技、メラリー・ロランの美しさには目を奪われました。
2019 BD/DVD 44
ワンス~を観た後にまた観たくなって久しぶりに観賞。当時映画館で観ましたが観に来てた外人は笑ってたけど、まったく笑えなかった(笑)
まず、長いしブラピでてないとこは退屈かなぁ
1944年、ナチス占領下のパリ。ナチスに家族を殺された映画館主のシ...
1944年、ナチス占領下のパリ。ナチスに家族を殺された映画館主のショシャナは、ナチス高官が出席するプレミア上映会の夜、復讐を果たそうと計画を練る。一方、ナチス軍人を標的とするアルド・レイン中尉率いる連合軍の極秘部隊「イングロリアス・バスターズ」も、ヒトラー暗殺を企て映画館に潜入するが……。クエンティン・タランティーノ監督が、1978年の「地獄のバスターズ」に着想を得て製作した戦争ドラマ。ブラッド・ピットが主演。ナチス将校、ハンス・ランダ役のクリストフ・ワルツが第62回カンヌ映画祭男優賞、第82回アカデミー助演男優賞を受賞。
タラちゃん×ブラピ+クリストフ
最後まで見れば分かりますが、作り話です。
ものすごくアメリカっぽい戦争話。
しかし設定は割と細かく、
仏語、独語、英語に伊語まで加えて、
同じ役者にしゃべらせている。(ブラピは顔芸だけだが)
しかも途中、独語の訛りで素性がばれるという設定も良し。
章立てて話が進んでテンポも良く、
2時間半ながら長さを感じない。
毎度お馴染みのグロさやおふざけも、オーバーアクションも満載ながら
タランティーノ監督でこんな映画出来るんだと感心。
最後の取引はちょっと駆け足すぎる気もしたが。
いやー、クリストフヴァルツはやっぱり良い。
ブラピも終始顔芸で笑わせてくれる。
史実とは違うが、勧善懲悪の爽快感味わいたければ是非。
冒頭20分、クリストフ・ワルツの悪魔的な演技
個人評価:4.3
1人のユダヤ娘の魂を賭けた、ナチへの素晴らしいリベンジストーリー。
冒頭の農村でユダヤ人狩りをするSSのシーン。農夫と話すクリストフ・ワルツの、とても丁寧な口調の中に潜む、悪魔の様に冷たく鋭いナイフ。そして隠し事は決して見逃さない鷹の目で、農夫はいとも簡単にSSに屈す。
この映画の最初の20分は、タランティーノとクリストフ・ワルツの渾身のシーンだ。まさにオスカーを取るに相応しい演技。
毎作品そうであるように、本作も長時間の映画だが、ヒトラーに向け少しづつ歩み寄る、リベンジの矢を丁寧に描いており、最後まで飽くことなくパワフルに見る事ができる。
今回もタランティーノ十八番の壮大なリベンジストーリーが決まるっ!
タランティーノ最高作にして、戦争映画最高作
名作のオマージュと良いながらオリジナリティがめちゃ凄い。
ナチス幹部皆殺しですぜ、旦那。
この展開がまた凄い、民間人の復讐、ユダヤのバスターズの大胆不敵。
ブラッドピット最高の演技。
ナチスの犬の、それを上回る演技、アカデミー賞助演男優賞の史上最高演技だ。
おでこにナイフで鍵十字、忘れなれないシーンの数々、恐るべし。
途中で席を立った人が一人…
「面白さタランかったら全額返金しバスターズ」などというワケのわからん企画のためにタラ映画の品位を落としてしまったのではないかと心配になってしまった本作。5章立ての構成ながらも時系列通りの進行となっていて、理解しやすい戦争映画だった。もちろんタランティーノらしく残虐シーンはあるものの、彼にとって初の戦争映画ということもあり、切り口が絶妙なうえに史実を無視するぶっ飛んだ内容でもある。
ソ連が崩壊してからは、アメリカ産の映画に登場する“敵”はテロリストもしくは依然としてナチ。またしてもナチを徹底的に悪者扱いする映画かと危惧していたが、そうではないようだ。なにしろナチ狩りを繰り返し、頭の皮を剥ぐという、レイン中尉(ブラッド・ピット)率いる“イングロリアス・バスターズ”が主役なのだ。むしろ、ナチによるユダヤ人狩りという蛮行は第1章にしか登場しないし、連合軍の行為の方が残酷に思えるくらいなのだ。ブラピもそうだし、ドイツ側ではツォラー兵士(ダニエル・ブリュール)を敵兵数百人殺した英雄に配するなど、甘いマスクの人気俳優に残虐性を持たせるキャスティングがニクいところだ。
気合いが入ってるなぁと感じさせるのは、フランス語、ドイツ語、英語、そしてコミカルな使われ方だったイタリア語と、異言語間における絶妙な会話。スパイやゲリラなど、戦争映画に不可欠な多言語によるスリリングなコミュニケーションは大変面白い。方言のアクセント、「グラス3つ」などといった民族の習慣、見破られるんじゃないかとハラハラさせられるシーンは見どころの一つです。それらを見事にまとめていたのが4ヶ国語を巧みに話すナチス側のハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)。関係のない話題からネチネチと攻め、見抜いてしまうテクニックは空恐ろしいものがあった。カンヌでも男優賞を獲得したようだし、いい俳優ですね・・・
クライマックスはヒトラーも参加するという、映画館でのプレミア上映会。復讐を果たそうとする映画館女主人のショシャナ(メラニー・ロラン)と恋人のマルセル(ジャッキー・イド)。そこへ横恋慕するツォラーが絡んできて・・・と緊迫感溢れる展開となっています。バスターズはちょっとおマヌな活躍でしたが、スクリーンに映し出されるショシャナが最高!
他にはダイアン・クルーガーやイーライ・ロス、それにティル・シュヴァイガーがいい味出してました。ナレーションがサミュエル・L・ジャクソンだとは気付かなかった。それに通訳の女性が『キル・ビル』でも通訳してたソフィア(ジュリー・ドレフェス)だったとは・・・
ピッツァ
お茶目な画面に久し振りに会えた。
しかし音響まで安っぽく、役者達の演技は中盤以降どんどん馬鹿になり、クリストフ・ワルツの輝きを打ち消した。
脚本のディテールもドラマも詰めが甘いと言わざるを得ないが、可愛らしさはある。憎たらしさもあるが。
緊張と緩和
タランティーノの作品にそこまで愛着があるわけではないが、面白そうだったので鑑賞。かなり個人的には楽しめる作品であった。
ストーリーは二人の主人公を軸にしたナチスに対しての復讐劇である。
本作を通しても、タランティーノはやはり脚本が完璧であるといった印象を持つ。ユーモラスで面白い会話からしっかりとストーリーが読み取れて、展開が読めないのが彼の脚本の真骨頂だと感じた。
クリストフ・ヴァルツの演技は最高すぎた。各賞の助演男優賞を総なめしたのも納得。メラニー・ロラン、ダイアン・クルーガー、ブラッド・ピットの演技も良かった。
タランティーノは緊張と緩和の演出が上手いなと本作を通して痛感する。会話を通してもそれが成立している上に、音楽やカメラワークなどによってもそれを演出するからすごい。鑑賞者が呆気に取られると同時に笑ってしまう細工が幾つも施されている。
Wikipediaを参照して製作の裏話がわかると本作を更に楽しめる。タランティーノが本作に掛けていた熱量は計り知れない。
本作はレンタルショップで戦争映画のコーナーにあるが、本作は歴史をも笑いに変えてしまう壮大なスケールで描いたブラックコメディである。見終わった後に別に何も心に残らないんだけど、見てる最中はめちゃくちゃ面白いと感じるし、テンポが良いから一気に二時間半見れちゃう。
ただ、濃くて中身があるストーリーかと言われるとそうではないから、好き嫌いは別れる作品なのかもしれない。
娯楽映画としてかなり自分は好きな作品であった。
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