劇場公開日 2010年12月11日

「日本の森」ノルウェイの森 puccinoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0日本の森

2010年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

原作は読んでません。

『ノルウエィの森』が話題だった頃はまだ中学生。
タイトルだけは覚えている。
あとは知らないことだらけ。

事前情報は「ちまたで話題の映画」ということだけ。

なんの先入観も期待も抱かず
ただ単に映画という娯楽を楽しみに一人で観に行きました。

平日の午前10時半。
客はまばら。
主婦仲間、女子高生仲間、
おじいさんにおばあさん。
カップルは年配層がチラホラ。
いい感じである。

まったく感動、共感が感じられなかった。
終始けだるい空気。

後半はホラー映画かと思った。

結局オンナゴコロを理解するのは
難しくて時間がかかって
オトコはいつも後悔してるということなのか?

なんだろ…この感覚。

知らないとはいえ
この時代の空気感が伝わらない。

学生紛争を横目で見る無気力な若者。
政治や権力よりも女、彼女のことで頭はいっぱい。
みたいな感じなのか。
今と変わらない。
この時代ならではの何かが欲しかった。

感情移入ができない。
主要人物の顔がみんな白くて無機質なせいもある。
美しいかもしれないが普通ではない。

なかでも菊池凛子は配役に無理がある。
20代には見えない。話し方も声も。
違和感を感じた。
演技力はさすがですが。

水原希子は唯一若者を感じさせてくれた人物。
いつも突然現れ、思わせぶりな表現。
苦手なタイプだが気になる子。
こんな感じの子いる。

それは良しとしても
何を伝えたかったのか。
何を感じ取ればよいのか。

この題材自体がもう時代遅れなのでは?

いや違う。

自分の感性がもう若くないのだ…

ハタチ前後のあの頃の感性、感覚。
どこかに置き忘れてきたのか、
もしくは失ってしまったのか。

大人びた言葉遣い。
ストレートな感情に納まらない感情。
上手く言えない、伝わらない苛立ち。

そこに突然起きる人の死。

普通ではいられないはずである。

テーマが深いところにあるのはわかった。
時代背景を現在に置き換えていれば
印象は変わったかも。

観終わった後出口に向かって歩いていると
後ろから女子高生仲間達の会話が聞こえてきた。

「さっぱりわからん!
何を悩んでるの?彼は。
ただヤリたいだけやん!」


そうかも…。

これは本当に『ノルウエィの森』だったのか。
原作を読んでみたいとも思わないが
過去の名作としか思いようがない。

puccino