劇場公開日 2009年1月24日

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「幸せは必ず近くにある。」レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5幸せは必ず近くにある。

2009年2月8日

悲しい

怖い

難しい

S・メンデスは、家族をぶち壊す作品を作るのが大好きみたいだ。
アカデミー賞を総なめにした「A・ビューティー」でも同じような
ことを描いていた。出産=諦め=俗物化みたいな連鎖こそ結婚だと
彼は思い描いているんだろうか。だとしたら、そっちのが問題かも。

1950年代のアメリカは夢のような時代だったそうだ(見せかけは)
でも特にこの作品には時代設定は関係ないかもしれない…^^;
日本の芸能人夫婦だって、いきなり子供が出来てデキちゃった婚、
子供が少し成長すると夫婦にズレが生じて即離婚。妻は女優復帰。
なんてのが、毎月ニュースになっているくらいだから、珍しくもない。

他人同士が一緒に暮らすことは、価値観を共有することになるため、
お互いが同じ方向を向いているうちはまだ良いのだけれど、
男は外へ出て毎日仕事をし、妻は家で家事と育児に追われていれば、
互いのストレスそのものにズレが生じてくるのは当たり前。
子供は確かに可愛いが、それ以上に自分が可愛い二人なもんだから、
この結婚が間違いでなかった=自分は特別だからそんなはずはない。
みたいな思いこみに煽動され、お互いを罵り合って傷つけ合う。
どこの夫婦にも必ず訪れるこの時期(長い目で見れば分かることも)
相手を思いやる心を持つことが必至なこの時期を、乗り越えられず
離婚に至ってしまう夫婦は今だって、すごく多いんじゃないだろうか。

まぁでもこの二人は、最初からあまり相性が良くなかったのかも。
合わない二人だから、自分らの子供も可愛く思えなかったんだろう。
いちばん可哀想なのは、当の子供達なんだけどね。

私も一応女なので、妻の気持ちが(多少は)分かるところがあった。
例えば冒頭の大喧嘩などは、夫の励まし方がなってない(ゴメン、レオ)
彼は(励ますつもりで)あーだこーだと横でまくし立てたのだろうが、
あれでは妻の神経が参ってしまう。まるで励ましにも慰めにもならず。
ああいう時は、何も云わずに、黙って妻の肩を抱いてやればいいのだ。
悔しかった、悲しかった、その想いをただ共有してあげればいいのだ。
男性の優れた解析力は、女性の感情下では、かなり邪魔に思えるが、
しかし男性側からすれば、それは一生懸命励ましてくれている証だ。
悪気がないので難しい上、必ず喧嘩になる。男脳と女脳はやはり違う。

彼らの心を代弁していたのが、あの神経病?の男だったが、
ことなかれ主義を決め込む生き方も、自由を求める生き方を選ぶも、
まずは心身健康な状態で、互いの置かれた状況を把握できてから、
見つめ直して再生、それからだってちっとも遅くなんかないのだ。
いま足元を見ずに先走って、大切なものを失うことのないように。
それを云われている気がした作品だった。

(タイタニック再び。この二人の不幸はどこまで続くんだろうか!?)

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ハチコ