ハート・ロッカーのレビュー・感想・評価
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考え込んでしまいました
何というか、レビューを書きづらい映画だと思います。
爆発物処理の話なのに、ほとんどドキドキしなかったし、
ストーリーも、主人公と周囲の人(軍人仲間や現地の人たち)との
間に何やかにやとあるにはあるのだけれど、取り立てて、という
ほどではないように思いました。
だから評価が低いかというと、そんなことは全くなくて。
そういう内容なのに、あるいは、だからこそなのか
戦場が日常であるということについて、そして私たちはそれを彼らに
押しつけているんじゃないかと、すごーくすごーく考えてしまいました。
もちろんドキュメンタリーではないのだけれど
おそらく同じような境遇にいるアメリカ兵の人たちがいて、
私たちはどれだけ彼らのことを思っているの?
米兵の存在によって生かされたり、傷つけられたりしながらも
受け入れるしかない現地の人たちのやりきれないような気持ちと、
またそれを感じているであろう米兵。それでも仕事をしなければならない
彼ら。
正常な精神状態でいられなくなるのも当然かなと。
「無事で帰ってきて」という、監督のアカデミー賞での言葉に納得しました。
気軽に見られる映画ではないけれど、私はほんとうに秀逸な映画だと
思います。
序盤の緊張感の勝利。
――twitterレビューよりコピペ(twitterID=skydog_gang)
『ハート・ロッカー』鑑賞。最初のシーンから異様な緊迫感で一気に引き込まれる。但しドラマに色気を出して娯楽に徹することができなかったのかはたまたその逆か、途中で冒頭の吸引力が薄れてしまうのが残念。それでもラストカットの「男燃え」たるや恐るべきレベル!全て許せちゃう感じ。
ビグロー監督の「男燃え」の押さえっぷりには毎度感服する。でも『ハート~』観終って最初に浮かんだ感想は「冒頭の字幕で全部言っちゃってんじゃん」だった。子供向けの絵本に「このお話の教訓は~ということです」とかわざわざ書いてあるのと同じような。あの字幕は完全にいらんと思う。
“戦争は麻薬”を実感
この作品のテーマ(というか言いたいこと)は明確です。
だって、映画の冒頭でばーーんと文字になって出るのですから。
なので、たとえ1分でも、本編が始まってから入って
そこを見逃してしまうとすべてが台無し。
必ず、ちゃんと始まる前に席について、両目をばっちり開けておきましょう。
で、そこで出る言葉とは、
「戦争は麻薬である」
本作の主人公は、イラク戦争での爆弾処理係ジェームズ二等軍曹。
周りがひるむような危険なブツでも勇敢に挑み、
黙々と処理していきます。
その姿は、兵士というよりもむしろ職人。
おそらく、彼本人、職人気質ではあるのでしょう。
でも問題は、ここが戦場であり、ジェームズが扱っているのが爆弾であるということ。
その異常なまでの緊張、「命を掛けている」というスリルにジェームズのアドレナリンは噴出します。
しかも、そんな「自分がしたいから」した行為の結果、
周囲から「すげーよ、ジェームズ!」という称賛の嵐を浴びる…
そんな興奮の二乗、三乗の結果、
彼は立派な“戦争ジャンキー”になってしまうのです。
ジェームズが戦争なしでは生きられない(輝けない)カラダであるという事実は、
終盤に、任務を終了した彼が、
家族とスーパーで買い物したり、子供をあやしたりする姿でむごいほどありありと表現されます。
普通ならば、任務が終わって幸せいっぱいのはずなのに、
ジェームズの精彩を欠いた顔といったら
そして、ラスト、彼は再び戦場へと戻っていくのです…
ベトナム戦争以来、こういった帰還兵の心の病は、
戦争で奪われた命と同様に、
戦争以降、アメリカ社会が抱える大きな問題の一つでしょう。
そういった“影”の部分の根っこにスポットを当て、
しかもそれが、“殺す”部隊ではないために
より問題が顕在化しにくい爆弾処理担当という盲点を選んだこの作品は
たしかに(特にアメリカにとっては)アカデミー賞に値するだろうなあ、と思います。
真実に似せた嘘
さてさて、話題の「ハートロッカー」をやっと鑑賞。結論から言えば、誠に残念な作品となってしまった。
後発の戦場作品でありながら、「プライベート・ライアン」「ブラックフォーク・ダウン」「ブラザーフッド」「告発の時」「リダクテッド」「ジャーヘッド」のどれも超えられなかったにも関わらず、何故だかアカデミーを受賞してしまった政治的な作品に見えてしまったのである。
この残念さは、キャメロン監督のタイタニックを見た後に、「男たちの大和」を見た陳腐さに近い。
観客は様々な作品の観賞経験から、何が真実で欺瞞であるのかを、その演出の幅を許容しながら見抜くことに常に学習を重ねている。だから後発の戦場映画が、作品の品質として至難な壁に晒されるのは無理もなく、故に「史上最大の作戦」を陳腐にした「プライベート・ライアン」の偉大な功績があったと見る。
ましてや現在も進行中の戦争を扱った作品である。戦場の今を動画サイトで閲覧できる昨今。キャスリン・ビグロー監督は、アカデミーの政治に阿ることには成功しても、同時に多くの劇場鑑賞者の目を欺き、体たらくなアカデミーの質を世界に広報した映画監督として、後世に語り継がれることになった。
陳腐なモノに墜としめた演出の逸脱を挙げると、冒頭のガイ・ピアースの爆弾処理の際に、突然近付いてきたイラク人男性。もし私が隊員ならば、迷わずに撃つ。
携帯電話で起爆させた男性。電話を目視確認できたタイミングで撃つ。
主人公の爆弾処理作業中に、突如規制線を突破して突っ込んできたタクシー運転手。撃つ。
爆弾を巻き付けられたイラク人男性。残り2分しかないのに、同僚へのリスクを冒して解除作業に取組むわけがない。安全地帯に退避してから確実に仕留める。
これが戦場であり、戦場における兵士の日常と役割であることを、ネット社会に生きる私たちは、カメラアイの動画を通して、とっくに知悉しているはずだ。
現在も進行中の戦場を描写しながら、似非な人道や真実の振りをした嘘を映画を使って発信する監督の狙いとは何なのか。イラク・アフガンに派兵される多くの米兵が日本の沖縄を中継する中で、日本人としてこの作品に対峙した時に何を考えるべきかが、ハートロッカーを批評する私たちのあるべき立場ではないのか。
唯一評価できたのが、バレット銃を使ったスナイパー戦。あのバレットは、動画サイトのどれよりも、ヤレた戦場の風景や埃感を伝えていたように思う。
心を抉るリアルな戦争描写
よくあるアメリカ万歳的なおまつりヒーロー物作品ではありません。
真面目に作られたドキュメンタリータッチの観る人の心に訴えかけるメッセージ
とも言えるかもしれません。
飛躍した例えになるかもしれませんが、
「戦争を疑似体験できる映画」
とも思えます。
主人公が任期終了後、スーパーでの買い物のシーン。
それまでの凄惨さとのギャップが世界は不条理だということを皮肉っているように見えて
身につまされました。
Avatar のように大ヒットはしないでしょうが、
観る人が観れば心に伝わる映画です。
戦争中毒
また新たな戦争の定義が誕生した…
「戦争=ドラッグ」という。
『戦場のワルツ』を見ても感じた。明らかに“戦争”が変わってきている、と。あくまでも戦争は日常の一部であって、私達の描く戦争のイメージよりも、もっと軽いのだ。
この『ハート・ロッカー』は最初から最後までほぼ戦場が舞台であり、緊迫した雰囲気が一貫して流れている。しかし、それでもどこか、見ていてわくわくしてしまったり、痛快な感情を抱いたりしてしまうのは、やはり、この映画の「戦争は麻薬である」というテーマのせいなのかもしれない。
第二次世界大戦から、武器は驚くほど発達し、戦争技術は高まるばかりだ。そして、高まれば高まるほど、戦争は間接的でゲーム感覚になっているのではないだろうか。
女性監督が作ったとは思えないハードボイルドさで、終始圧倒されてしまった。
しかしながら、この作品の持つ軽さと見易さが戦争を肯定するようにも見えて、これがアカデミー賞受賞の理由かもしれない…とも考えてしまった。
しんどい。
あの男らしい映画ばかり撮ると言う
キャスリーン・ビグローの最新作
…と言って、ニア・ダーク月夜の出来事
しか見た事ありませんけれども。
当時は、監督の名前すら
知りませんでしたけれども。
そんな事はさておき、
1000円デーなので、行ってみました。
ワタクシくらいになると
最近は、ポスターからきき映画が出来る様に
なったので、痛快娯楽作では無い事は
事前に察知していました。
もっと御気楽で楽し気なのが
観たかったのですが、
他に観たいのがありませんでした。
そんな事はさておき
興味ある方ならご存知と思われますが、
イラク戦争での爆弾処理班にスポットを
あてた物語となっております。
のっけから、ハリウッドスターが爆死して、
あんまり有名じゃない人が活躍する展開が、
「悲しいけど、これ戦争なのよね」と、言う
昔のアニメの台詞を思い起こさせます。
俳優が誰だか知らないけど、観てるうちに
感情移入されてくるので、うぐぐ、死ぬな。
と、思う様になります。
根っから戦争狂の爆弾処理エキスパートが主人公で
わざわざ危険なシチュエーションに飛び込んでは、
ひっきりなしに、爆弾処理と、銃撃戦のシーンが
繰り返されるので、見終わる頃には
くたくたになります。
アメリカと云うと、敵陣に乗り込んで
原始的とも言える相手国の戦法に
ジワジワ精神を蝕まれる印象がありますが、
この映画でも然り。
イラク兵は異星人の如くに、
人格が一切描かれておらず、
実体も定まらず現れたり、消えたり、
同国の子供や市民を犠牲にしたり、
あからさまに非人道的な
戦法で不気味に攻撃を仕掛けてきます。
完全にイラクは残虐な悪の存在として
描かれています。
この様にもろに、アメリカ側から
物事が観察されており、
この映画の場合、描き方がちょいと
偏ってませんか?と思うんですが
趣旨が、戦争やめようね。
と云う事を訴えると言うよりは、
イラクが残虐なのも、アメリカの兵士が
死んで行くのも、根本的にブッシュが悪い。
忘れるな。て事なのか。と、思いました。
要所要所にミニストリーの
アンチ・ブッシュソングが流れる
二時間の乾いた雰囲気の地獄絵図です。
疲弊必至です。スポーツドリンクでも
持参してください。
そしてワタクシは今度から
戦争映画はDVDにしておこうと思いました。
これがアカデミー賞、作品賞・監督賞なのか・・・。
序盤から緊張感のある演出続きで、手に汗にぎりっぱなし。
危険物処理班のお仕事の大変さは十二分に伝わってきます。
またドキュメンタリータッチの演出も、途中何度も
これはドキュメンタリーじゃないよな・・・、と確かめるほど
秀逸な出来栄え。
錯乱しているとしか思えない主人公や、周囲の人々の
歪みっぷり、病みっぷりも相まって戦争の怖さ、辛さは
強く心に残ります。
また、ストーリー性すら否定するかの内容に
ひたすら現実の戦争を観客に突きつける監督の
強い信念も感じました。
ただ、ドキュメンタリータッチのブレまくりの映像も
なれない人には気分を悪くするほどで、
序盤からの緊張感もあって、苦痛に感じる人もいるのでは
ないでしょうか。
この観る者を引き込む辛い体験をお金を払ってまで
するというのは、ある意味究極の娯楽ですね。
また戦争から程遠い日本人のどれだけが理解できるのかも
若干疑問です。
全体的にみると、かなり良くできていて、
すばらしい作品であるのは間違いないですが、
アカデミー賞をとるほどのものには思えませんでした。
何か足りない気がします。
観た人に、正直に真正面から現実を突きつけることに
終始しているからでしょうか。
その足りないものを女性が監督であることで
補っての受賞に思えてしかたありません。
うがった観方ですかね。
緊張感の伝わる2時間でした
序盤の爆破シーン以来、いつどこで爆発するのか、どこから銃弾が飛んでくるのか、どの人間が自爆テロリストか、本当に緊張感が最後迄伝わり、ドキドキさせられた、あっという間の2時間少々でした。
観る前のイメージは、派手な爆破シーン中心の映画かな?ドキュメンタリー風って書いてる人が多いから、アカデミー賞とは言えアメリカ人が好きな映画で日本人にはどうかな?って映画なのかな?と思っていましたが、終わる事の無い戦場のリアルな緊張感が最後迄ずっと伝わる映画でした。
考えさせられる事も沢山沢山入っていて、とても良い映画だと思います。
一度観ただけでは、私レベルではきっと感じ取れなかった物も、もっともっとあったんだろうなぁ。
でも、もう一度劇場で観るか?と聞かれると・・・・、ちょっと観ないかな。
ドキュメンタリーを思わせる為なんでしょうが、序盤の動きの安定しないカメラワークは、疲れ目の私にはちとキツカッタ(苦笑)
戦争の愚かさとは・・・?
確かにリアルな戦争ドキュメンタリーのような作り方は良いと思う。
本当の戦争の恐怖や罪を問いかけているのだろうけど
もう一つぐっとくる説得力には欠けていたような印象。
さらにそれだけ「愚かやと恐怖」を引っ張ったにもかかわらず
最後にはなぜか「これって結局ヒーロー奨励映画?」みたいな
終わり方には不満と疑問が残りました。
オスカー受賞映画だけに、期待しすぎたの、かも。
ドキュメンタリーを観てるような錯覚
爆弾処理の映画ということで、最初は映画ブローン・アウェイのような
感じで、いつ爆発するのかドキドキさせる感じが強いのかなと思ったんだけど
そうでもなかった、多分リアル感が強く現実におこなわれてる戦争と
重なってホント ドキュメンタリーを観てるような錯覚になってしまうのが原因かなと思い 不思議なくらい じぃーっと観てしまった
この映画を観て ひとつわかった事があった
戦争は人をヒーローにしてしまうのだと
戦うヒーローなのか守るヒーローなのか もしくはアンチヒーローなのか
様々だと思うが
やはり戦争は恐ろしい
非正規戦闘の恐ろしさ。延々と続く緊張感
過去にイラク戦争の映画は数あれど、ここまでストイックな映画はなかっただろう。
本来、戦争とは国家対国家で行われある程度の準備をして始められる。
だが、国家対国際的テロ組織(もしくは現地民)という構図での非正規戦闘(いわゆるゲリラ戦)ではルールや常識なんて絶対に存在しない。
街中を軽装甲車で走っていても、いつ銃撃されるか。どこで爆弾が爆発するか分からない。基地に帰るまでは安心できない。常に命を狙われ、誰が敵かも分からない。
劇中でも黒人兵士サンボーンが現地民を見て「誰が誰か区別なんてつかない」と述べていた。
そんな状態が任務に就いてる間はずっと続くのだから、精神的なストレスは半端なものではない。
今作では、登場人物にほとんどと言って良いほどスポットを当てていない。
多少の過去や私生活は覗けるがそれは最低限のもので、退役後の生活や家族についてはほぼ皆無である。
これは意外と珍しい。一個人としての活躍には意味がなく、一兵士として危険な任務をこなす様を描いているのは人気ゲーム作品のコールオブデューティに似ている。
明確な終点がない故の無限とも思える緊張が生み出す重厚さは、自分が見てきた映画の中でも随一で、「ユナイテッド93」(9.11テロでハイジャックされ、目的地に到達できず平野に墜落した旅客機の内部を描いた作品)に似ている。とにかく緊張で息が詰まり、気持ち悪くなってくる。
「戦争は麻薬だ」という言葉が最初に流れるが、それは見ているうちに分かってくる。主人公はまさしく戦争中毒だ。
愛する妻や息子もいて、退役しても英雄扱いされるはずなのに、任期が終わればまた別の部隊に参加して爆弾処理を続ける。
彼が戦場を去るのは、地球上から戦争がなくなるか彼が死んだときだけだろう。
精神を削り取るだらだらとした恐怖
アカデミー賞授賞式の2日前に観たが、まあ観客の多かったこと!
作品賞ノミネートってのも宣伝効果バツグンだろうが、連日放送された爆弾炸裂シーンの迫力にアクション映画好きな野郎共の食指が動いたのは間違いない——かく言う自分もその一人(笑)。
だがアクション映画でよくある爆弾解体シーンの迫力を期待する人は、きっと肩透かしを喰らう。
いや、確かに緊張感はあるのだ。人間性の欠片も無い残忍な爆弾の数々には純粋に恐怖を感じるし、執拗なまでにディテールに拘った軍事行動の描写は、自分が戦地に放り込まれたような、ひりつくような緊張感を生んでいる(恐るべき精緻さで描かれる狙撃手対狙撃手のシーンは必見)。
だが緊張感の高さで言えば同じくアカデミー作品賞を受賞した『ノー・カントリー』ほどでは無いし、何より淡々とした語り口は時に単調とも思える。
しかし、だ。実はその単調さこそがこの映画の狙いでは無いか。
この映画にカタルシスは無い。
爆弾解体に成功しても、敵襲を切り抜けても、爽快感や高揚感は感じられず、残るのは疲労感のみ。
なぜならキリがないからだ。いくら爆弾を解体しようが敵を殺そうが、別の何かが常に命を狙っている。明日も、明後日も、そのまた次の日も。
爆弾解体の現場に走り込んできたタクシー運転手、兵士をビデオで撮り続ける男、“ベッカム”の家にいた老人。映画では、彼らの正体がはっきり語られない。
「こいつらは何者だ?」
「こいつらも殺すべきか?」
相手が何を考えているのか分からない。親しげに話し掛けてきた人間も信用できない。周囲360度の住民全てが常にこちらを狙っているのではという強迫観念。
“対テロ戦争”という大義名分が殆んど崩れ掛けたこの戦争で、それでも現地での任務にあたらなければならない兵士達に残されたのは、ただ『俺は今、殺されかけている』という状況の終わりなき連打だ。
この状況でマトモでいられる人間はきっと少ない。アドレナリン中毒となり、戦場以外で生の実感を得られなくなった主人公は、戦争により精神を歪められた人間のほんの一例に過ぎないのだろう。
精神を削り取る、終わりの見えない、だらだらと続く恐怖。
映画の淡々としたリズム自体が、幕の引き方の分からないこの戦争の鬱々とした空気そのものを表しているように思えた。
この泥仕合をそもそも始めたお偉いさん方は、映画の兵士達を観て何を考えるのだろう。
<2010/3/6鑑賞>
生々しい
痛みの中毒性
冒頭「戦場は一種の麻薬のようなもの」
言いたい事はそれが全て。
戦争って、つくづくプラスになるものはないですね。
とにかく、じっと耐えつつ、張りつめた生々しい緊張感。
心も神経もピリピリとキリキリと実に疲れました(笑)
主人公だからきっと死なないだろうとは思いつつ、
周りにいる住民が見つめる中、いつ起爆スイッチを
押されてもおかしくない状況で
ゴロゴロする爆弾を目の前に、手際良くパチパチとコードを
切っていく様、動きづらい防護服を思い切り脱ぎ捨てたり、
とにかく度胸が良すぎる行動にハラハラしっぱなしでした。
監督軍曹じゃなくても「返事はちゃんとせんかい!」と
やんちゃな兵士を殴りたくなる気持ちに同化してました(笑)
にしても、他の作品と何かちがう一線を画するリアル。
映像的にカッコつけたり美化したりする作品は多い中、
戦争自体も登場人物も否定も肯定もしない
絶妙なバランスの乾いた描写。
こういうとこ、女性監督ならではだなぁと感じました。
あと「勇者たちの戦場」という作品にあった
帰還兵が戦場でのトラウマから平和な母国での生活や
家族ともなじめず、また自分の居場所を求めるように
戦場に戻って行く兵士がいましたが、
そんな心情がこの作品のラストにも感じられました。
生きて帰りたかった母国も帰ってみると平和が虚しくて
また戦場にでかけてしまう中毒性。やっぱ不毛です。
そして男は戦場に向かう…
気軽に見ないほうがいい
見ていて少し酔った…
それにグロい
(何回食べた物が出そうになったことか…)
それに.1回見ただけじゃ私みたいなお子様にはわからなかったです
(他の人のレビューを読んで最初の言葉がキーワードだったと気づく)
…それでやっと話が繋がったって感じ
あと.ストーリーの最初のほうでサンボーン軍曹が主人公なのだと勘違いしていた私はジェイムスが主になっていく話についていけなかった←
特に印象に残ったのは
出てくる人達の呼吸.イラクの人達の目線の冷たさ.米軍の優しさ.生きていた少年に対するジェイムスの反応.命の儚さ…
命の儚さは最初の班長の死.砂漠での死.軍医の死.人間爆弾…
いろんな所にずっしり感じられた
とにかく.伝えきれないくらい色々あった
疑問なのは
なぜ題名が「棺桶」なのか…
確かに最初に死んだ人は「白い箱」に入れられていた
それが「棺桶」なのは馬鹿な私でもわかる
だけどどうして?
それ以来「白い箱」は出てこない…
でもそのいかにもさっぱりしているように見せておきながらの内容の深さと濃さに気持ち悪いぐらいのギャップを感じるのは私だけ…?
あと.見終わった後は体にずっしり疲れを感じます
影響されやすい人は要注意
あと.決して軽いノリで見ないで…
後悔する…
…けどアカデミー賞納得!
…みたいな(笑)
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