ハート・ロッカーのレビュー・感想・評価
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緊張感、臨場感はあるが、ストーリーはやや散漫な印象
爆弾処理はもちろん、民間人に紛れて敵が潜み、いつ攻撃してくるか分からない緊張感と臨場感を感じられる映画。米兵達も下手に攻撃を行えば国際的な批判の的になるので、彼らも危険を感じながらも、迂闊に先制攻撃できないだろう。それが観ていてさらに緊張感を煽る。命がけで自国のために戦う米兵達に頭が下がる。今作はドキュメンタリー寄りだが、銃撃戦など盛り上がるシーンも入れてきて面白みのある構成になっている。
前線の米兵達の戦闘や爆弾処理の実態をリアルに描いた良い映画だと思う。しかしストーリーは全体的にやや散漫な印象を受けた。爆弾処理や敵アジトへの潜入などそれぞれの作戦に関して、どういった経緯で始まり、問題を解決したその先で最終的には何を達成したいのか、観ていて分かりづらいシーンが多い。あくまで『戦争は麻薬』というテーマを表現したいのかもしれないが、それにしても説明不足な印象。例えば今作と同じ監督の『ゼロ・ダーク・サーティ』はヴィンラディン殺害という最終目的に向けて全ての物事を進めているのが分かるため、そういった印象は受けなかった。
ラストに違和感
全編通してイラク戦争の臨場感、悲惨さが伝わる映像。その中で今作は何を伝えるのか?
何かが麻痺した兵士の最期は壊れるのか、家族の元へ帰るのか、或いは爆死するのか、それが物語の中盤以降、人間らしさを見せてくる中で、とても気になる。
まさかのラスト。
アカデミー賞6冠は無いです…。
監督賞、脚本賞は絶対ないと思う。
妙に長くて意味のない長回しは眠気を誘うし、大したセリフも無いのに脚本賞って、この年のアカデミー賞は不発揃いだったのかな?
とにかく上映当時観たのに全然覚えてなかったので、もう一度DVDを借りて観てみたけど、戦争映画でこれだけ眠たい映画も珍しい。
イラクで爆弾処理をする男たちのドキュメンタリー
ハートロッカーとは棺桶の事、苦痛の極限地帯とWikiに書いてあった。
内容はドキュメンタリーそのもの
爆弾処理に命をかけて戦い、
最後には兵役を終えて帰って来ても、
また、戦地へ行ってしまう戦争中毒。
なぜに人はあやめ合うのか、空しく、ばかばかしく、情けないとしか思えない。
アメリカは戦争大好き。経済になるし、
仕事になるし、映画のネタになるしね。
改めて反戦祈るばかり。
イラク戦争時、アメリカ兵の爆弾処理班の兵士達が描かれている。 アカ...
イラク戦争時、アメリカ兵の爆弾処理班の兵士達が描かれている。
アカデミー賞をとって話題になった作品。
ドキュメンタリーっぽい作りでリアルさがあり、終始緊張感があった。
苦悩の描写は大きくはないけれど、すごく伝わってきました。
家庭がありながら、志願して戦場の爆発物処理を続ける兵士。狂気なのか正義感なのか。
ヒョイと目の前を横切る足の悪いやせた猫。顔をはい回るハエ。流れ出るよだれ。砂上を転げまわる薬きょう。
黒沢ばりの細かいディテールがこのサスペンス映画に引きずり込む。
家庭に居場所がない男には、世界一危険な爆発処理こそ、息のつける場所だったのかも知れない。
【”全編に漲る緊迫感が尋常ではない作品。”キャスリン・ビグロー監督がイラク戦争を仕掛けたジョージ・ブッシュに激しい怒りを叩きつけた作品。米軍爆発物処理班の過酷な任務をリアルに映し出した作品でもある。】
■今作は、米国が大量破壊兵器をイラクが持っているという理由でジョージ・ブッシュが仕掛けたイラク戦争により、彼の地に駐留する事になった米軍爆発物処理班の過酷な任務をリアルに映し出した作品である。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・冒頭の爆発物処理のシーン。地を這う様なカメラアングルで無人車で仕掛けられた爆発物を処理しようとするシーンを追う。
そして、米軍爆発物処理班のトンプソン班長が、分厚い防爆服を着ながらも、イラク軍が仕掛けた罠のために、殉職するシーンの苛烈さに驚く。
- あれだけ、厚い防爆服を着ていても、身体を守れない程の、爆発物の威力。-
・イラク戦争は、御存じの通り、米国がサダム・フセインを排除するために、米国が大量破壊兵器保持を理由として、一方的に仕掛けたイラクへの軍事介入である。
そして、結果としてサダム・フセインは捕らえられたが、大量破壊兵器の存在は確認されず、有耶無耶にされた。結果として、米軍、イラクの人民も含めて多数の死者が出、ムスリムのジハード思想により、今作でも描かれた通り自爆テロが行われた事は、周知の事実である。
キャスリン・ビグロー監督はジョージ・ブッシュの行為に対し、イラク戦争をリアルに、米軍を英雄視せずに描くことで、強烈な怒りを表明したのである。
・物語は、2004年夏。イラク・バグダッド郊外から始まる。
米陸軍の爆発物処理班・ブラボー中隊に、新たな爆発物処理班班長・ジェームズ(ジェレミー・レナー)が赴任する。型破りなジェームズのやり方に戸惑うサンボーン(アンソニー・マッキー)とエルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラティ)
”ブラボー中隊任務終了まで〇〇日”と度々テロップが出る中、3人は時に対立しながらも、過酷な任務を切り抜けていく。
- 灼熱の砂漠の中での、急襲を受けた後の、イラク兵スナイパー達との持久戦のシーンや、人間爆弾として使われるイラクの子供の死体。
そして、彼らの動きを建物から見つめるイラクの民たちの視線も印象的である。-
<今作は、イラク戦争で闘う米軍を全く美化せずにリアルに描いている所が、真骨頂である。そして、米軍に対抗してくるイラクの民たちの自爆をも厭わない、ジハード思想の描き方。
キャスリン・ビグロー監督は今作と、以降の「ゼロ・ダーク・サーティ」「デトロイト」(この2作品の緊迫感も尋常ではない。)により、ジェームズ・キャメロンの元妻というレッテルを剥ぎ取り、戦争及び米国の負の歴史を美化せずに描く第一人者となったのである。>
単独行動が過ぎる爆弾処理班長を中心にイラク戦争を淡々と描く。事件は...
単独行動が過ぎる爆弾処理班長を中心にイラク戦争を淡々と描く。事件はいくつか起こるものの、どれも大きな変化や感動をもたらすものではない。戦争は麻薬ってことなんですね。ということは冒頭でネタバレしてたってことか(笑)
アカデミー作品、私にとっては面白い作品があまりない。
BS12字幕版鑑賞
優しさやヒューマニズムのかけらも無い死と直結するリアルな戦争の本質
女性監督による戦争映画が珍しく、しかもアカデミー賞受賞ということで、映画館に行き鑑賞した覚えがある。
キャサリン・ビグロー監督による2009年公開の米国映画。脚本はマーク・ボール(製作兼任)で、撮影はバリー・アクロイド。
イラク戦争におけるジェレミー・レナー演ずる爆弾処理班班長が主人公。
彼は解体した爆弾は800以上。死と直結の仕事で恐ろしいはずだが、通常の精神がいかれて麻痺してしまっているのか、全く危険を顧みない行動を取る。
戦争の中、人知れず国家のために頑張っている人間に光を当てた映画ということかもしれないが、むしろ戦争により否応なしに兵士にもたらされた狂気そのものを感じさせられた。
画像の粗さと砂塵舞う過酷な戦場風景も相まってか、優しさやヒューマンニズムのかけらも無い死と直結するリアルな戦争の本質を、独特の映像により体験させられた思いがした。
NHKスペシャル
ほぼドキュメンタリーとして見れば間違いありません。ただひたすら爆弾処理の緊迫した場面が延々と続きます。映画なので一応ストーリーありますが、なくてもいいです。脚本は必要最小限、爆弾処理事態が主役なので役者の演技にも重要性ありません。人物の背景とか人間描写に主題はありません。反戦と捉えるか、単に爆弾処理班カッコいいなあ、と思うかは見た人が勝手に考えれば、っていう突き放した態度が大変よろしい。それでも2時間保たせる演出は大したもんです。
但し、ダメな人には全くダメな映画なので30分見てダメなら、話しは進展しないので止めちゃった方が時間の節約です。
戦争は麻薬、なんだろうねやっぱり
中毒の理由は、単純にサイコパスな場合と、「ここでなら自分にできることがある」と思える場合があるのかも。
「誰かに必要とされてる。自分は役に立つ」って思えることが大事なのかもね。
精神が削り取られていく
イラク戦争中の爆弾処理団の死闘を描いた今作。
戦争と言っても相手は爆弾。しかも市街地で多くの住人がいる中での作業。死がこんなに身近にある状況で、住人に紛れ込んでいる敵は誰なのか?こんな環境にいたら精神がすり減ってしまうと思った。
イラク戦争の正当性についての葛藤が描かれていたら更に良かった気がした。
人対人ではない戦争映画
画面を見ていて何かこれまでの戦争映画とは違うな、と思っていたら気が付いた。
あまりマッチョがいない。
それもそのはずと爆弾処理班が主人公のこの映画は、対人ではなく対トラップだ。ゆえに部隊が展開するダイナミックさよりも、いつドカンと来るかもしれない閉塞感とジワジワ感がたまらない。
主人公のクレイジーさは映画ならではとして、彼らの仕事の不毛さにはやはり、戦争状態という失態を痛感せずにはおれない。
ふともするとドキュメンタリーかと思えてしまう映像も秀逸な1本は、その他シールズが出てくる戦争ものと合わせてみると相乗効果でなお奥行がでてくるのでは、と感じた。
USAで受けるわけだ
最新の『MI』にブラントがいないと思っていたら、ここで任務に就いていたのね。という冗談はさておき(制作年代が違うよ)。
あれ?
冒頭に「高揚感は~中毒になる」「戦争は麻薬だ」とテロップが流れる。
戦争によって、本来の生活・人生を壊されてしまった人の映画かなと想像する。
たしかに、戦場でしか生きられなくなってしまった主人公。
無謀な作戦。自殺したいのか?とも言えるような。
USAに帰ってからのスーパーマーケットでの戸惑いが見事。
対局として、
基本慎重な兵士。
「撃つか?」と責任を上司に丸投げする、ぎゃあぎゃあうるさい兵士。
あっけなく散る命。
そのコントラストで、主人公の、常軌を逸した行動が際立つ。
けれどね、観ているうちに主人公が、誰もがやりたがらないけれど、人の命を守るために自分の命・人生をかけているヒーローのように見えてくる。
”戦争”現場というより、テロに巻き込まれた現地の人を助けることに命をかけているシーンしかない。
途中、西部劇を彷彿とさせるシーンもある。
たんに、ドンパチ華やかにやり合うのではなく、手に汗握る、こんなことも起こりえるんだというような細やかな部分を丁寧に見せてくれるヒリヒリとした緊迫したシーンなのだが。
そんな彼らの仕事を称賛する軍の上司。
”英雄扱い”もドラッグの一種か。
同じような任務に就いた人ー爆弾処理班ではなくともー現地で活動した兵士の気持ちを代弁しつつ、ヒーロー気分を味わえる。
もしくは、彼らを困難なミッションをこなすヒーローとして称賛したくなる。
この映画から私に伝わってくるのは、
”戦争””兵士”の悲惨さや無常ではなく、
テロ組織から現地の人々を守る活動へのやりがいと困難さ。
そういう映画なのか?
このような任務を経験した脚本家の経験がベースなのだという。
だったら、彼らの経験を否定するわけにはいくまい。
「こんなにたいへんなことをやってきた人たちなんだよ」ということを理解してもらう為の映画なのか。
監督は、それが描きたかったのか?
それはそれで意味のある映画なんだろうけれど。
童顔のレナー氏に魅了されつつも、何かすっきりしない。
追記:黒い場面はありますが、肉片がとびちったりとかの場面はありません。さすが女性監督。映像がワンシーンを除けば、汚らしくはない。冒頭の映像は、偵察マシンが見ている映像だね。
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