「これは「個」の話」ハート・ロッカー The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)
これは「個」の話
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主人公ジェイムズ軍曹の人物造形が素晴らしい。不条理西部劇の名無しのガンマンのような雰囲気を持ち、判断能力も体の動きも胆力も一流(ジェレミー・レナーの動作に説得力あり)。けど、決して神懸かりでもなく、英雄的でもなく、破滅的でもない。自分の命が大事であり、引くときは引く。現地少年との心の交流という幻想も自ら振り払う。台詞の少ない終幕での空虚さも胸に響くものがある。
ここまでの人物造形、最近の映画で見たことあるだろうか。ビグロウ監督とレナーに敬服する。作品の影響がどうであれ、これは完全に「個」の物語。アクション(というよりは、見えない、或いはその場に存在しない敵とのサスペンス)演出や響きまくる音響も勿論凄かった。これは映画館で観ないとね。
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