ディア・ドクターのレビュー・感想・評価
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鵺の正体
「その嘘は罪ですか?」が、この映画のキャッチコピー。
でも”嘘”はそれだけだろうか?
平穏に過ぎていく”はず”の生活。
でも…。
何が悪で何が善なのか。人は善だけは生きていけない。
そんな、心の隅にはびこるしこりのようなものを燻出す映画です。
一見、社会問題を扱っているようにも取れるけど、そんな生易しい映画ではない。
「笑顔が一番恐ろしい」といった人がいるけど、この映画を観た後では、なんと答えたらいいのかわかりません。
この映画を観て、自分ならどうするのか、人助けって何なのか、自分の心と向き合ってみてください。
芸達者の仕事が揃ってます。
ただの出来の良いヒューマンドラマ
大げさではないが、じわじわと染みる内容だった。
一見して、無免許医師の町医者という設定やテーマがなかなか派手なので、最初は社会的意義やドラスティックな展開を期待してしまう。
しかしすぐに、医療や法律、ミステリや大げさなドラマを期待するのは、間違いだと気づく。
この作品が描いているのは人であり、その先の人と人の関係だと感じた。小さいが社会にも通ずる部分がある。
何にも解決策や治療法、答えを求めようとする現代人にとって、曖昧にしておいた方が良い事もある。そして結局は、正しい解決策なんか無いことの方が多いのが世の中ではないかと。
もちろん映画は監督だけで決まるものでもないが、「ゆれる」よりも幾分観やすく、違った印象を受けた。
評価しづらい
伊坂幸太郎のような日本的ミステリーの小細工的な巧さはあるけれど、正直だからなんんだろう。
何がしたいのかわからず、ただ監督が自分の小細工に酔いしれている美談風の物語。
中身がまるでないし、主人公はただのサイコパス。
曖昧なままにしておくこと
すごくいい映画だった。
本当のことって何なのか
資格とは一体何を必要とするのか考えさせられた。
もちろん、ついてはいけない嘘はあるけれど
お互いに突き詰めたくない事実もあると思う。
途中に娘の井川遥が、
「もし、自分が来てこのことを話さなかったら、今も彼はあの診療所で続けていて、どんなふうに母は死んでいったのか」
と、言っていた。彼の取った行為は犯罪だし、最初は彼もお金のために騙したのかもしれない。
でも、だんだんと村の人々が自分を必要としてくれ、嘘がどんどんひとり歩きしていってしまった。
何人かは、その嘘に気がつきながらも
曖昧なままにしておくことが都合が良かったのかもしれない。
本当のことも正しいことも大事なことなんだけど、わかっていながらも突き詰めないということが、うまく回っていくこともある。
わからなかったことにしておくというのも大事なことなのかもしれない。
「親愛なるお医者さん」の失敗
年をとり弱ってきたときには、頼りになる人が身近にいるのが良いのである。この物語では、限界に近い集落で、主人公が地域住民の「親愛なるお医者さん」を演じ、身近な頼りになる人という役割を担っていた。しかし、最終的にはそれをまっとうすることができなくなってしまう。
この意味するところは何か。身近な頼りになる人の役割が医者に重心が置かれすぎてしまうと、重圧が大きく、支えきれないということなのだろう。そんな失敗談を物語にしたという印象を受けた。
『ディア・ドクター』
松重豊と瑛太の味わい深い演技がイイ。
国宝の宝塚、八千草薫は圧巻。
人の価値観は自己満なのか金なのか、それとも愛なのか。
10÷10=1じゃない、割り切れない余りが人生であっても良い、そんな気にさせられた映画。
あと西川美和映画は乗り物横切るシーンで切ない気持ちになる。
良い映画
この映画、極めて静かな知性によって描かれているようだ。喧噪のない世界でありながら、それぞれの声が甚く響く。登場人物の背景などに言葉を労する必要はないのであろう。静かな語りのなかに、それぞれの声が聞こえてくる。
笑福亭鶴瓶扮する伊野が投げ捨てた「白衣」は、それまでの「嘘」を意味していたばかりではなく、少しでも生き存えてもらいたいという「希望」でもあった。
看護師の大竹が、薬卸の斎門が、そして鳥飼が望んでいたものは、「希望としての嘘」であった。
そのため、最後のシーンの八千草薫演じる鳥飼の表情は、あらためて「先なき希望」を確認した表情が、そこには見て取れるのだ。
とにかく西川美和監督のこの作品は必見。
何度も観ました
まずテンポがいいです
これは映画として非常に重要です
次に単純に映画として面白いです
ラスト泣きました
これは愛の映画です
鶴瓶は本当に役に恵まれましたね
あと題名から勘違いしやすいような、
別にいい医者が診療して回るだけの単純なお涙ちょうだいのバカ映画じゃありません
これは評価を高くつけるべき映画です
絶えず作品じたいは俯瞰で何がどうとかいうメッセージ性をわざと排除し、
セリフも説明くさい物や暑苦しいメッセージ性無しなんですけど何かが優しくあなたに伝わるはずです
映画として面白い
愛を感じる
ラスト泣ける
テンポがいい
鶴瓶は本当に役に恵まれましたね
瑛太は、7分丈のTシャツ&ズボンが似会うなぁ
ずっと観たかった作品。
この期待を超えて、グっとくる良い作品。
もう1度じっくり観たい作品。
鶴瓶さんは、本当にうまいなぁ。
生まれ変わるなら、鶴瓶になりたいな。(もしくは、さまぁ~ず三村。)
鶴瓶さんは、人の話を聞き出すのが、とてもうまい。
鶴瓶と話していたら、自分がとても面白い人になった気がしそう。
理想の上司、理想のお父さんだなぁ。
なんなら、鶴瓶さんに総理大臣になってほしい。
コミュ力・判断力に調整力もあり、適任では?
こんなお医者さんいたらよいなぁ。
もちろん医師免許がなく、医師を語るのは許せることではありません。
でも、免許があっても対人能力がなかったりするよりは、
対高齢者には特に、しっかり話を聞いてくれるお医者さんが
いるだけでも、無医村よりよっぽど良い気がする。
瑛太も良いなぁ。はずれがないかんじ。
7分丈のTシャツとズボンが似会うなぁ。
(私的セクシー瑛太は『アンフェア』の役だけど・・・)
余貴美子、香川照之、八千草薫、松重豊と、これでもかってくらいの芸達者な面々。
最近の香川照之の使われ方は、うまい演技をしてくれという要求に応えているからか
鼻につくことが多いけど、今回はスーっと入ってきた。
八千草薫は“こんなおばあちゃんになりたいNo.1”です。
井川遥もすっかり演技派に変身してきましたね(無造作髪アップが素敵)。
もし私が老年になってガンがわかったら、入院せず余生を過ごしたいなぁ。
でも、もし娘が医者だったら、もし家族に入院してほしいといわれたら、
無視はできないし、つらいだろうなぁ。
娘(井川遥)があの村の医者になれば、母(八千草薫)も余生を満喫し、
村人も安泰だと思うんだけど、そううまくはいかないのかなぁ。
お話もテンポよく進み、ひきこまれる。
前作の『ゆれる』も良い作品だけど、ドロっとしたかんじが苦手だった。
でも、こちらはバランスがとても好き。
TVで野球を一緒に観るシーン、アイスが溶けてくところなどなど、絶妙。
西川監督は若くてきれいでおしゃれで、こんな作品つくっちゃうなんて、すごいなぁ。
ラストシーンは賛否両論かもしれないけど、私は好きです。
想像してたのとかなり違った
タイトルの「ディアドクター」
そのディアーは村人から嘘医者への言葉なんやと
想像しながら見ていた。
結果は大はずれで嘘医者が本当の医者への憧れみたいな
意味のディアーだと思った。
(実際のところ僕もよくわからないが)
けど、最後はそこ(村人からの感謝)で落とさないと
お話としては成立しないような気がしました。
内容を簡単に書けば一行なんやもん・・・
「嘘医者がいて、ばれて逃げました」
ちがうやろ・・・・
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