ファニーゲームU.S.A.のレビュー・感想・評価
全6件を表示
ホラーとして最高の出来すぎて、評判が悪い映画(私も二度と見ない)
私は大変昔に、たまたまGYAOか何かの無料枠で
本作を発見しました。
鬼才が描く云々といううたい文句がついており、
まさかサスペンスホラーとは知らずに見たので、大変ショックを受けました。
ちなみに普段、ホラーは絶対に見ない人間です。
高評価ですが、もう二度と見たくない映画です。
見ない理由は単純で、
終わった後、気分が大変悪くなるためです。
夜に見たんですが、緊張感が抜けず
どきどきして眠れませんでした。
ただ優秀な映画ではあります。
この映画の優秀な部分は観客を引き込む強さです。
こういう、スリル感を求める映画は
臨場感を与えるために、被害者のカメラワークで描かれたり
過激な演出のオンパレードだとかしたりします。
でもこの映画は、基本、定点観測のようなカメラワークしかしません。
第三者として映画を見ることになります。
暴力的なシーンはありますし、ショッキングではありますが、
そういうシーンは本当に少ないです。
映画としては、確実に観客は画面の向こう側にいて
絶対に巻き込まれるような状況ではないし演出でもない。
そのうえ、胸糞悪い映像もほとんどない。
なのに、なぜか、見ている側は被害者に乗り移った状態で見てしまうし、
信じられないくらいドキドキします。
逃げられるのに、"逃げたい"と願ってしまいます。
加害者たちの異様な雰囲気を、見て取るのではなく
感じ取ってしまうのです。
だから、バッドエンドとしては
本当によくある展開なのにもかかわらず
みんな口をそろえて、胸糞が悪すぎるというのです。
なんだか皮肉な映画なんです。
サスペンスホラーとして完成しすぎていて
観客の評判がめちゃくちゃ悪い。
そういう意味で面白い映画ですから、
耐性のある人は、ぜひそういった部分に注目して
見ていただけたらと思います。
私は何度も言いますが、二度と見ません。
イラつきたい時にどうぞ
冒頭から異常にはしゃぐわんわん可愛い。
家族にたらい回しにされてるわんわん可愛い。
と執拗にわんわんが前に出され、
嫌な予感はしたが案の定の展開のわんわん。
ゆるさない。
アメリカへの挑戦状
暴力が快楽の道具にされていることに問題提議した「ファニーゲーム」。このリメイクをハリウッドご本家のアメリカでハネケが自ら監督した作品です。
オリジナルと内容はほぼ変わりません。つまりご本家に対してへの挑戦だと思います。
「暴力」はポテチを食べながら、リモコン片手に楽しむものではない。楽しめる代物ではないんだと。
ハネケの映画作家としてのプロ意識と反骨心には、ただただ頭が下がります。
でもハネケの哲学、アメリカ人に分かるのかしら。
びびった
まず最初に驚いたのが、静寂の中、急に轟くBGMです・・・。
本気でびびりました。
そして話が進むにつれて、淡々と暴力が続き、じわじわと
不快指数が上がっていく・・・。
直接的な暴力描写は全くないのに、大変怖い映画です。
なんでこんなに怖いのでしょうか。後味悪いし。
見たって楽しくもなんともないのですが
なぜか、ずーーーっと記憶に残ってしまう映画です。
そういう意味で、映画好きな人なら、是非一度は見てみたらいいと思う映画です。
自信満々で皮肉たっぷりのプレゼント
☆
音楽のギャップで冒頭から鑑賞者の神経を逆撫でし、
不条理さで恐怖を与え、暴力シーンを見せないことで更に増幅させ、
描いた暴力シーンを否定することで、
抱いたであろう爽快感を否定することで、
エンターテイメントとして暴力を消費してしまうことに疑問を投げかけ、
長回しで鑑賞者をイライラさせ、張った伏線の回収でも、
あっさりと投げ捨てられ、ゴミのように捨てられ、
気持ち悪い2人組みはゲームを続ける。
全くファニーではない巧妙に計算されたファニーゲームU.S.A.は、
ミヒャエル・ハネケ監督がハリウッドでセルフ・リメイクした作品で、
役者が違い、英語であること以外は
オリジナルとストーリーや演出もほぼ変わらないらしい。
それは監督の自信の現れであり、
全く変えない事もそれもまたハリウッドへの皮肉でもあり、
暴力をエンターテイメントとして消費してしまっている鑑賞者へ届けた
自信満々で皮肉たっぷりのプレゼント。
この作品を観ると苛立つ人、不快な気持ちになる人ばかりでしょう。
監督が作品を通してやろうとしていることはそれで成功なんだろうな。
★
全6件を表示