エレジー

劇場公開日:2009年1月24日

解説・あらすじ

「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ監督が、アメリカ文学の巨匠フィリップ・ロスの短編「ダイング・アニマル」を原作に描く大人のラブストーリー。主演は「バニラ・スカイ」「ボルベール/帰郷」のペネロペ・クルス、「ガンジー」「シンドラーのリスト」のベン・キングズレー。共演にデニス・ホッパー、ピーター・サースガードら。大学で教授と学生という立場で出逢ったデビッドとコンスエラは、30歳の年齢差がありながらも自由な恋愛を楽しんでいたが……。

2007年製作/112分/アメリカ
原題または英題:Elegy
配給:ムービーアイ
劇場公開日:2009年1月24日

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映画レビュー

3.5 【”美しき裸のゴヤのラスト写真。”今作は老大学教授と、芸術の様に美しき顔を持つ教え子との紆余曲折の恋を描いた作品であり、哀しきラストシーンのショットが印象的な作品でもある。】

2026年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■大学教授の50代のデヴィッド・ケペシュ(ベン・キングズレー)は、芸術の様に美しき顔を持つ教え子のコンスエラ・カスティーリョ(ペネロペ・クルス)に一目惚れし、逢瀬の後に一夜を共にする。
 30歳近くも歳の離れた若く美しい女性との情事に、妻キャロライン(パトリシア・クラークソン)と息子ケニー(ピーター・サースガード)もいながら、それまで本気で女を愛した事のなかった彼は、親友の詩人ジョージ・オハーン(デニス・ホッパー)にも彼女のことを打ち明ける。
 デヴィッドは徐々に、本当にコンスエラを愛する余り、彼女の過去の男の事を聞いては嫉妬をし、時には彼女が”友達と行く”と言っていた場所にまで、顔を出すのである。
 だが、コンスエラが”どうしても、来てほしい”と懇願したパーティに車の故障で行けなかったために、彼女からの連絡は途切れるのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・50代のデヴィッド・ケペシュは妻子もおり、50人以上の女と寝て来たと豪語するが、彼が本当に女を愛した事が無いのは、一目瞭然である。
 でなければ、ストーカーのような行為はしないであろう。

・そんな彼は、コンスエラの去られてから、親友だった親友の詩人ジョージ・オハーンの死を経験し、初めて老いを実感したのではないだろうか。
 ー 年を取ると、恋とは無縁になるという人もいるが、私はそうは思わない。老いらくの恋などと言う言葉もあるが、人を心から愛するのに、年齢は関係はないと思うのである。ー

・或る晩、数年振りにコンスエラから、デヴィッドに電話が来る。だが、彼はその電話が結婚の連絡ではないかと思い、残された携帯番号に電話するのを躊躇うのである。
 だが、思い切って電話すると、彼女は”逢いたい。”と言うのである。

・家に来たコンスエラは乳がんに掛かっていたのである。髪も”少しづつ抜けるから・・。”と短髪にしているのである。
 そんな彼女を、デヴィッドは且つて”こんなに美しい、乳房は見た事がない。”と言い、愛おし気に撫でた乳房を露出させ、ゴヤの「裸のハマ」のポーズで写真を撮るのである。

■ラストシーンは哀切である。曇天の海岸を、デヴィッドとコンスエラは腕を組み、波粗い海に向かって歩いて行くのである。そして、次のショットでは二人の姿は無いのである。

<今作は老大学教授と、芸術の様に美しき顔を持つ教え子との紆余曲折の恋を描いた作品であり、哀しきラストシーンのショットが印象的な作品でもある。>

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NOBU

5.0 もうひと花咲かせたいのか。濡れ落ち葉の一生懸命さが、哀しくて愛しい。

2022年4月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これは観ていなかった事が悔やまれる。

【ペネロペ・クルス】
ここまで実力ある演技派だったとは知らなかったです。驚きました。

【ベン・キングズレー】
「ガンジーの影がチラついてーw」というレビューもありましたが、元々このひとは英国のシェークスピア俳優ですから。

とにかく主要俳優5人の名演には唸ってしまった。
何故本作、これほど知られていないのだろう?もったいないです。
当代一の主演二人が演じるから、(たとえあらすじは“渡辺淳一”であろうとも)ここまで格調高いラブストーリーになるのです。

流れるピアノのメインテーマは、マルチェッロのオーボエ作品をバッハが鍵盤曲にアレンジした「BWV974」から、珠玉のアダージョ。
⇒ これ「水を抱く女」でも使用された名曲ですよね。
そしてベートーヴェンやエリック・サティの寂しげなピアノに乗せて、美しき教え子にのめり込んだ男(教授)の追憶の恋が悲しいです。

ベン・キングズレーが《愛すれば愛するほどにその先に踏み出せなくなる初老の男の恋》を見事に好演。
ペネロペ・クルスに対しての彼の心中=「もしや自分はもて遊ばれているのでは」とベンが少しでも疑ってしまえば、男の側が怖じ気づくのも仕方ないのではないかなぁ・・

教え子の卒業パーティーから逃げたりして、初老の自分の容姿をペネロペ・クルス家に晒すことへの二の足もあるだろうけれど、カトリック信徒のキューバ一家に「結婚を前提としていない自分」を引き合わせることへの尻込みもあったはず。

助演者のキャスティングが絶品だ。
・詩人で親友のジョージ【デニス・ホッパー】と
・元妻役の【パトリシア・クラークソン】、
・そして疎遠だった息子【ピーター・サースガード】らの素晴らしい助演。

歳をとり臆病になった自己に対面して初めて、息子や元妻や友人らとの対話に支えられて、終盤物語はグイグイと進展し、教授は恋心に決着をつけようと一歩踏み出そうというのだ。

・・・・・・・・・・・

【もうひと花咲かせるということ】
昔、ひょんなことから電照菊を栽培・出荷していたことがある。
「短日植物」である菊は、夏が終わりに近づき昼間の日照時間が減り始めると蕾を作る。
これは、「菊は日没が早まったことを敏感に察知して、そして間もなく近づく冬枯れの時を予感して、自らの一生を終える前に彼らは蕾を作り、花を咲かせ、そうして種子を残していこうとする作業に入る」ということ。
花は、終活なのだ。

(開花時期= 出荷時期を調整するために、花農家は1時間日照が減れば1時間ぶん畑の上で電球を灯し、2時間日照が減れば2時間畑の上で電球を点ける。
そうして秋の気配を菊の苗に隠して短日を相殺する。老いをまだ無いものとして封印し、若さだけを継続し、死を隠すのだ)。

日の翳りが訪れる。
植物も、そして動物も同じだ、
健気(けなげ)にも我々人間も含めて、生きとし生けるものすべてが、人生の思秋期には自分が生きた証を残そうする。
―死ぬ前に愛したい。
―死ぬ前に愛されたい。
そのような無意識の自然の衝動には、僕は人間に対しても愛しさを感じざるを得ない。

・・・・・・・・・・・・

夏。若者の季節にはすべてをおのが実力で獲得し
また自分の意志でそれを捨てることも出来ていたのだろう。
しかし彼=教授も人生の終盤に差し掛かれば、そこには失うもの、奪われていくものが秋雨とともに彼の心を弱気にさせる。

燃え上がる男の心に、
そして消える寸前の女の命に、
曇り空と、遠浅の海がしみた傑作だった。

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きりん

4.0 エロじじいが出てくるが、いい映画だっとというのだけ覚えていて、内容...

2020年9月14日
iPhoneアプリから投稿

エロじじいが出てくるが、いい映画だっとというのだけ覚えていて、内容を忘れてしまっていたので2度目です。

大学教授デイビットとダンディズムに惹かれる女子学生コンスエラ。
歳の差がありすぎる為、そのうち捨てられるということがわかっていながら、あまりの美しさに負け、そして嫉妬に駆られ、自分を見失う教授。
美しすぎる故、理性を失ってしまうという淫靡な前半です。

不倫が理由で子供もいるのに離婚し、結婚は向かないと体だけのセフレがいる教授。
愛し合っているからちゃんと普通に家族にも紹介したいコンスエラ。
普通に別れます。

コンスエラとの別れ、親友の死があり、空虚に人生を送る教授に再びコンスエラから連絡が入る。
乳がんだと。
泣き崩れるデイビッド。

1度目見たときはなんだ、この知性派ぶったエロじじいは!
という感想でした。
映画中に10年経つと、同じ本でも解釈が変わる。。。というセリフがありましたが。。。
そうですね。
初めて見た時から見方が変わりました。
セフレと割り切っていると思ってたけど、子供を作りたかったデイビッド。
コンスエラと本当に愛しあってるのに臆病すぎて踏み出せなかったかわいそうな爺さんという感想に変わりました。。

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lanachama

4.0 ペネロペクルスが美しい

2020年3月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ペネロペクルスが本当に美しかったです! 知的で芯の通った女性を、凛とした佇まいで表現していました✨

主人公の大学教授はペネロペに心底惚れていながらも、「こんな年寄りではあまりにも不釣り合い」「彼女は自分のことが本当は好きでないのでは?」と疑心暗鬼になり、結果自ら関係を破綻させてしまいます。

老いによる自信の喪失、一歩踏み出せない人間の弱さ、そして離別への恐怖など、人間の機微な感情を丁寧に表現した良作と思います

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TC

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